北村からのメッセージ

 第90回(7月16日) 不振の参院選 政治の信頼回復に全力

 7月11日の第20回参院選は、自民党不振、民主党躍進という番狂わせの結果に終わりました。私は党の遊説局次長として、国会閉幕と同時に地元の選対本部に張り付き、長崎選挙区選の陣頭指揮をしてきましたが、主戦場の「1人区」で敗れたことは真に残念至極です。しかし、自民不振といっても、勝敗ラインとされた改選51議席を2議席下回っただけ。民主が自民の獲得議席を上回ったのは、わずか1議席に過ぎず、僅差の勝敗でしかありません。マスコミは「政権の求心力が低下した」と一斉に報道しましたが、小泉首相が直ちに続投の意欲を表明したのは当然であります。首相は9月に内閣改造、党役員人事を断行して、総裁任期の06年9月までに郵政民営化、三位一体の改革など構造改革、改憲論議の推進、日朝正常化などの懸案を処理する構えです。8月には来年度予算の概算要求をまとめますが、我々党員も国民が示した今回の審判と今後の要望を正しく受け止め、政治の信頼回復のため、より一層の努力を傾注しなければならないと念じております。

 逆風の3点セット

 今回の参院選は少数激戦で、例年以上に厳しく苦しい戦いでした。景気に明るい兆しが見え、北朝鮮拉致被害者家族の帰国、イラク人質5人の無事解放などで一時的には高い内閣支持率を得ていただけに、党内では「単独過半数も夢ではない」との楽観ムードがありました。それが逆風に転じたのは、@年金改革法成立後に保険料と給付額算定の基礎となる出生率を違った形で厚生労働省が発表したA国会審議を経ないまま首相が米大統領に自衛隊の多国籍軍参加を確約したB首相が年金の未加入・未納問題で「人生いろいろ」の無責任発言をした――ことを野党が取り上げ、年金、イラク、驕り発言の「3点セット」で国民の政治不信感を煽り立てたから、マスコミがいう「選挙の潮目が変わった」のでしょう。

 官のずさん経営が怒り増幅

 確かに、政府与党が折角「百年安心」の年金改革法を成立させても、保険金積立金でグリーンピアを乱造し、放漫経営の末手放した厚労省の失政、保険金を公用車購入や宿舎建設に充てた社会保険庁のずさんな経営などが明るみに出ては、国民の怒りは増幅するばかり。政府がその説明責任を果たせないまま、参院選に突入してしまったことは残念でした。
1人区はかつて自民党の金城湯池、指定席といわれ、前回01年参院選では自民25勝、民主ゼロ勝でしたが、今回は公明党の下支えがあったにも拘わらず、27の1人区のうち自民14勝、民主9勝と半減しました。長崎には異例にも、小泉首相が2度も応援に駆けつけましたが敗れました。一人区での敗北は、二大政党化が進んだことと、都市部の大企業が中国特需で景気が回復基調にあるのに比べ、地方は疲弊し中小企業、建設業、農業団体などが打撃を受けていたからです。それに候補者の日常政治活動が弱体化していることも否めません。危機感を深めた党執行部は、組織の立て直しを図るよう申し合わせました。

 改革推進の意欲表明

 民主党は自民への逆風を利用して躍進しましたが、共産党の議席を食いつぶしただけで、国民の6割以上が民主党政権を望んでいないことは、参院選後の読売の世論調査を見ても明らかです。国民は絶妙なバランス感覚で自民党にお灸をすえ、小泉構造改革が遅滞無く達成できるかどうかを冷静に見つめようとしています。それを感じた首相は「国民の声は、より改革を促進しろということだ」と、参院選後の会見で改革推進の決意を表明しました。内閣官房に設置した郵政民営化準備室で郵政民営化案を9月に決定、同月の内閣改造で竹中平蔵経済財政・金融相を郵政担当相に起用して法制化を図り、07年4月に民営化を目指す方針です。これには、民営化反対を公言して当選した長谷川憲正・元郵政審議官、参院へ鞍替え当選を果たした反民営化の闘将・荒井広幸元党総務部会長らが、“抵抗勢力”の全国特定郵便局長会などといかなる連携プレーを見せるか。大いに注目されるところです。

 三位一体、年金と課題山積
 
 このほか、国と地方の税財政を見直す三位一体の改革は今秋に全体像を示さなければなりません。年金制度一元化を含む社会保障制度全般を見直す3党協議も07年3月までに結論を得る段取りです。間もなく概算要求基準策定など来年度予算編成作業が本格化しますが、私はつかの間の夏休み期間に英気を養ったうえ、これら山積する課題に全力投球したいと考えています。よろしくご支援下さい。