北村からのメッセージ

 

 第9回 新世紀の課題(1月元旦)   燃えるSAYーGO

 明けましておめでとうございます。繁栄と平和を願う輝かしい二十一世紀が開幕しました。素晴らしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。お陰様で私は、激動の二十世紀に国会の議席を得、バラ色の新世紀に政治の橋渡しをする幸運に恵まれました。そして、懸案の自民党の入・復党問題も昨年末に決着し、復党が認められました。皆様の温かいご支援の賜物と深く感謝致しております。

 北村誠吾を英語流に読めば、SAY(発言し)、GO(行動する)で、燃える有言実行の男。熟慮の後は亥年生まれらしく猪突猛進するタイプです。しかも、名前の通り“吾に誠あり”。「至誠通天」で、国会で大いにものを言い、体を張って財政改革など諸改革に邁進したいと、年頭に決意しております。

 所属する衆院内閣委で審議したIT(情報技術)基本法も昨秋の臨時国会で成立、IT革命元年を迎えました。IT革命は、1年が7年の速さで進むドッグイヤーの展開といわれます。森喜朗首相は通常国会を教育改革国会と位置付け、IT革命、教育、景気対策、行政改革、高齢者福祉の5大スローガンを掲げて新生日本を船出させたいと意気込んでおります。明治以来の大改革である省庁再編で、政府の機構も6日から改まりました。
 しかし、行政、財政改革は道半ばで、国民の政治に対する閉塞感から内閣支持率、株価ともに低迷、昨年末の「加藤政局」は依然尾を引いており、政局の流れは流動的です。国民の政治への信頼を回復し、輝ける未来を切り拓くには、先見性のある透徹したビジョン、国民をぐいぐい引っ張る政治の牽引力が、今こそ強く求められている時はありません。

 我々初当選の同志が「21世紀クラブ」を結成したのは、グローバルに展開する新世紀に向けて斬新な諸政策を立案し、保守政治の内部改革を推進したいがためであります。とくに、安全保障問題は国民の生命、財産を守るだけでなく、資源の乏しいわが国が国際社会で生き抜くうえで平和外交の基軸となるものです。私は本年も引き続き安保問題に最大の力を注ぎ、IT革命や災害対策など国民の福祉増進に励みたいと思っています。

 そこで、年頭に当たり再び安保について所感を申し述べます。前号では、敗戦までの半世紀を中心に回顧しました。しかし、第二次大戦後も朝鮮戦争勃発(50年)、スエズ戦争(56年)以来73年まで4次にわたる中東戦争とイラク・イラン戦争、南ベトナム軍事クーデター(63年) に介入した米軍が北爆を開始(65年)、ベトナム戦争泥沼化、湾岸戦争勃発(90年)など極地的な緊張が続きました。冷戦崩壊後もコソボなど東欧や中東、アフリカで石油資源や民族・宗教をめぐる紛争が多発しております。人間は何と好戦的、侵略的で残虐な業の深い動物でありましょうか。防衛の重大さを感じざるを得ません。

 世界大戦は情報と近代兵器を装備した大国が勝利しました。第二次大戦では米軍に暗号を解読されたことがミッドウェー海戦で大敗、海軍艦船の壊滅でガタルカナル島を撤退、アッツ、キスカ、硫黄島とドミノ倒しの玉砕に繋がっています。逆に日本の諜報活動と通信技術が米国を凌駕していれば惨めな敗戦はなく、有利な時点で講和条約を結んでいたでしょう。スパイ天国日本の軍事機密防衛と諜報活動の強化は今も変わらぬ喫緊の課題です。

 昨夏は防衛研究所の幹部自衛官が、駐日ロシア大使館の武官に秘密情報を漏洩した事件が発覚しました。聞けば愛児を白血病で失った心痛に加え、修士論文の再提出を迫られて焦ったことが、金銭絡みの事件の引き金になったそうです。なんとも情けない話です。

 先の朝鮮戦争は、米ソ長大国の対立を激化させ、連合国側は日本に反共防波堤の一翼を担わすため、日本の早期自主・独立を促しました。同時に、朝鮮動乱の特需景気が日本の再興を助けました。ここが戦後の繁栄を招いた日米安保体制の出発点でありかます。

 経済成長至上主義の吉田茂元首相は半世紀前の1951年、サンフランシスコ平和条約と日米安保条約に調印、「戦争放棄」の憲法九条と、「作らず、持たず、持ち込まず」の非核政策のもとに、日米安保で米国の「核の傘」に入る日米基軸の外交路線を選択しました。通常国会では憲法論議が活発化しますが、この非核3原則などが防衛政策の基本です。

 日米軍事同盟を危険視する労組、学生らの平和・反戦運動は60年の安保改定、70年の安保自動延長をピークに盛り上がり、岸信介内閣を打倒しましたが、池田勇人内閣以降の高度成長路線は神武、いざなぎの好景気を招き、反戦運動もやがて消滅、日本は戦前以上の繁栄を謳歌しております。「モーレツ社員」を生み、「大きいことはいいことだ」の重厚長大型産業が発展、「消費は美徳」の物質万能の時代を招来しました。一時は米国、ドイツと並び世界を動かすスリー・エンジンと持て囃され、ジャパン・アズ・ナンバー・ワンの経済大国と羨望されたことは周知の通りです。安保条約の賜物といえましょう。

 ところが、世紀末に到来したIT(情報技術)革命で世界は激変しました。戦乱の世紀が生んだ近代兵器産業はかつて、航空機、ロケット、自動車、石油化学など科学技術全般を振興させ、車社会を実現させました。なかでもNASAを中心に開発された宇宙・通信技術は、インターネットのネットワークをグローバルに形成、高度情報社会建設の原動力になり、今日のデジタル革命の礎になっています。人体の設計図であるDNAにどんな暗号が刻まれているかと、神を恐れぬヒトゲノムの研究も盛んです。

 情報を瞬時に世界へ伝達するコンピューターの驚異的な技術革新は、世界制覇を軍事力からファイナンスに置き換えました。重厚長大の大量生産は需要にマッチした軽薄短小の多様化生産へ移り、在庫管理の無駄を省く流通機構の大改革へとカーブを切りました。終身雇用、年功序列型賃金制も崩れ、有能な人材流出とリストラの両局面を迎えています。

 数とカネの田中角栄流金権政治が築き上げた利益誘導、ばら蒔き型のゼネコン国家も崩壊の過程にあります。五五年体制を強力に支えた官僚機構も至る所に制度疲労が目立ち、改革を迫られています。二十世紀初頭に17億人だった世界人口は世紀末に60億6000万人を超えました。インド、アフリカなどで人口爆発はさらに続き、2050年には90億人に迫るといいます。しかも、途上国の12億人が1日1ドル以下の暮らしを強いられています。

 私が活躍する衆院内閣委で審議したIT基本法では、デジタルデバイド(情報格差)が問題となりましたが、情報格差どころか、貧富の格差、南北問題をいかに解消するか。この方が課題としては大きいといえましょう。前世紀は映像の世紀でもありました。リアルタイムで報道された連合赤軍の浅間山荘事件、湾岸戦争、女性パワーが躍進したシドニー五輪。テレビはスポーツ振興に役立った半面、青少年育成に与えた功罪も顕著です。

 間もなく始まる通常国会では教育の荒廃をどう改善するかが焦点となります。また、高度成長で破壊された環境を循環型社会に修復出来るか。産業構造の改革、少子高齢化社会の福祉対応も論議を呼ぶでしょう。参院選をまじかに控え、憲法論議など与野党の論戦は益々激しくなります。山積する課題の解決に向けて、私は衆院の3委員会を舞台に力一杯頑張ります。今年もどうか変わらぬご声援を、心から期待申し上げます。