北村からのメッセージ

 

 第61回(3月16日) 出版記念セミナー開く 大盛況に感激


 陽春に先駆けて「北村誠吾出版記念セミナー」が3月1日、佐世保市福石町のアイトワで開かれました。朝から雨の肌寒い日でしたが、金子原二郎長崎県知事をはじめ松谷蒼一郎参議院議員、佐世保市長代理の村上啓次郎助役、平戸、松浦の市長、小値賀、生月、鹿町、小佐々、吉井、江迎などの町長さんや県議、市議、町議の各位、北松地区の支持者の皆さん約850人が多忙な中をご出席賜り、盛大なパーティになったことは感激の極みでした。当日朝からの航空機運行のシステムダウンで、講師の堀内光雄・自民党総務会長が来県できず、まことに残念でしたが、金子知事が快くピンチヒッターを務めて頂き、地元の課題を詳しく説明されるなど、有意義なセミナーとなりました。金子知事には改めて厚くお礼申し上げるとともに、悪天候の中、浄財(会費)を拠出してご参集頂いた支持者の皆様には深く感謝申し上げます。皆様の温かいご支援、万歳三唱などご声援を受けてまさに感無量。このご厚情を糧に、私は国政に一層励む一方、郷里の発展に尽くしたいと肝に銘じています。さらなるご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。

「21世紀へ翔く」を出版

出版記念セミナーは、堀内会長、中村克介・西肥自動車代表取締役を発起人代表とし、私の著書「21世紀へ翔く」の刊行を記念して開催されました。同書は、皆様にご愛読いただいているホームページの「北村からのメッセージ」と「衆議院各委員会での質疑」の2部構成で、昨年6月までの分をまとめ昨年11月に出版しました。膨大なページ数となったため、「北村の政治活動・政策課題」は割愛し、次回の出版に併せて掲載する予定です。堀内会長からの祝電には、出席できなかったお詫びとともに「専門分野の農林水産、安全保障に限らず外交、厚生労働などあらゆる政策課題を論じた新進気鋭の著作である」と持ち上げて頂きました。金子知事は講演の中で、佐世保の最大の課題であるハウステンボスの会社更生法適用問題について多くの時間を割き、「不良資産の早期処理による経営体質のスリム化で、負債額が減少しており、再建の見通しは十分にある。県を挙げて取り組みたい」(2章で詳報)と、地元の不安解消に努めて頂き、支持者からは好評を得ました。

堀内会長の処方箋

私はご挨拶の中で、デフレ不況が募る折りに皆様の尊い浄財でセミナーが開けたことを感謝すると同時に、豊かな地域の活力で環境との共生を目指すテーマパークの再建に尽力する決意を述べ、著書については「分かりやすく書いたつもりだが、意の尽くせなかった箇所もあろうと思うので、どしどし指摘して頂きたい。出版は今後も継続していきたい」と申し上げました。HPをお読みの皆さんもお気づきの点があれば、是非ともメールして下さるようお願いいたします。

堀内会長には「景気回復・安全保障」をテーマに講演をお願いしましたが、航空トラブルの発生で実現しなかったことは返すがえすも残念です。パーティの案内状には会長のお許しを得、講演のレジュメを同封してあったので皆様にもその抜粋を披露いたします。

堀内会長は党3役であるうえ、わが政策集団・宏池会の会長です。企業経営者として経済に明るく、景気回復には独自の処方箋を描き、日本の将来像を示す独特の国家ビジョン・哲学を持ち、小泉改革の手法にも厳しい批判を投げかけています。とくに、堀内会長は宏池会生みの親である故・池田勇人元首相の「所得倍増計画」が戦後最高の国家ビジョンであったとしながらも、「社会が変化した改革期には、従来に変わる産業ビジョンと哲学が必要」とし具体的な経済政策、政治哲学を論じています。景気回復策の抜粋は次の通りです。

 瀕死の日本経済

1.昨年は聖域なき構造改革の「実行の年」と言われたが、経済危機が続く多難な1年で、倒産件数は10月末段階で16,231件、自主廃業の企業は13年に188,000件と倒産件数の10倍を記録した。失業率は10月に5.5%で男性は5.9%と戦後最悪を更新した。昭和初期の大恐慌時の8.9%に迫る水準だ。銀行が抱える不良債権はこの10年間で81兆円処理したが、平成4年度末に12兆円だった不良債権残高が同13年度末には42兆円となり、10年間で30兆円も増え、10年間に110兆円も新規発生している。まさに日本経済は瀕死の状態だ。

2.平成14年5月に竹中経済財政担当相は「景気は底入れした」と発表した。そこでは「現在のデフレは過剰供給が原因で、供給を減らして需給バランスを回復させるべきだ、企業の淘汰・整理が必要だ」との考えに立ち、14年度補正予算でも需給ギャップ解消の財政支出は不要とし、15年度本予算の緊縮型を継続する態度を押し通した。国民の実感と懸け離れた認識を政府が持つのは、実質ベースで景気を判断することにある。14年の名目GDPは2期連続マイナスだが、でフレーター調整による実質GDPは2期連続プラス。デフレ不況だった昭和4〜6年の大恐慌の名目GDPは18%マイナスだったが、実質GDPは2.2%プラス。浜口内閣は緊縮財政で不況を深めてしまったが、小泉内閣も今のまま実質ベースで景気判断すると政策を誤ってしまう。名目ベースで適宜適切な経済政策を断行する必要がある。

金融資産と同じ富失う

3.資産価格では、平成元年末に38,915円をつけた株価は、8千円台と5分の1にまで下落の一途をたどり、土地も下落が続き、地価総額は90年に比べ965兆円の下落。株式総額の下落424兆円と合わせると、国民の金融資産と同額の約1,400兆円、GDPの3倍近くの富が失われた。デフレ不況は株や土地の暴落が発端。金融機関に限らず国民全体が、投資や商品に支出するよりも、利息がつかなくても現金や国債で持つ方が有利と考える異常事態だ。昭和大恐慌から太平洋戦争を挟み、戦後驚異的な高度経済成長を遂げた歴史を紐解くと、昭和初期に繊維中心の軽工業から機械産業など重工業へ産業構造転換を果たし、戦後も特定産業分野への重点支援など基幹産業育成に国を挙げて取り組んできた。公共投資も大量生産・大量輸送時代に適応できるよう鉄道、道路、港湾、空港などの整備に重点が置かれてきた。このシステムは昭和の終わりに行き詰まり、改革が叫ばれた。

国家新築の青写真なし

4.「古いシステムを抜本的に改革しなければ日本は生き残れない」と国民が感じたところに小泉首相が登場し、国民の圧倒的支持を得たが、改革が順調に進んでいるとは言い難い。その理由は与党の抵抗にあるのではなく、改革の手法が間違っている。政府の新システム構築は、極論すれば、住んでいる家を壊し、新しい家が出来るまで痛みに耐えて野宿しろというようなもの。しかも、新しい家の青写真、改革の先にある姿が明示されていない。明確な方向性もないまま改革を断行すれば、国民の中に遠心力が働き国が漂流し出す。国民は不安を感じて防衛的になり、財布の紐を締め、社会から活力が失われ経済は失速する。不良債権処理や国債発行30兆円枠の公約などは、それ自体は目標でなく政策実現の一手段に過ぎない。ビジョンは資源大量消費型から循環型社会を目指すというものだ。

重化学産業から脱皮を

5.戦後最高の国家ビジョンは池田内閣の「所得倍増計画」であったと思う。全ての国民が理解でき、国民一人一人が自分の人生設計に組み込めるビジョンで、物質的豊かさが国民を幸せにするとの哲学は、その後の高度成長を支える哲学になった。しかし、このビジョンは重化学工業中心の産業社会、人口増加等を前提としたもの。『サービスはタダと考えられた時代』から『製品よりサービスの方が高い時代』『デザインやブランド価格と言った付加価値が価格の大部分を占める産業社会』へと激変、消費者が物質プラスα―を求める時代になった。社会が変化し以上、従来のものに代わる産業ビジョン・哲学が必要だ。

6.リストラなど労働コスト削減で途上国と価格競争をするのではなく、高賃金・大量雇用の産業を育成することが必要不可欠。製造業では付加価値をつける企画、開発のソフト部門。第三次産業では多様化する消費者ニーズにきめ細かく対応できるサービス。レディメード型産業からオーダーメード型産業へと構造転換を図る必要がある。日本の就業者の3分の2以上が第三次産業で働いているが、システムは依然、重化学産業中心のまま。金融も従来の製造業への設備投資の資金融資からサービス業への運転資金融資へ転換が必要。

7.現状分析や将来予測、国民の価値観等を集約していけば、厳しい国際環境の中で日本を発展させるビジョン策定は困難なことではない。確固たる目標を掲げて、国民の幸せな生活を守るため、今こそ政治がリードして政策を実行していく時だと思う。