北村からのメッセージ

 

 第34回(1月16日) 通常国会開幕 GO、GOの誠吾

 穏やかな正月でした。ことし成人式を迎えられた皆さん、希望に満ち溢れた新春をお迎えのことと、心からお祝い申し上げます。高校サッカーで2連覇、5度目の優勝を遂げた国見高(長崎)の皆さん、おめでとうございます。5月末から1ヶ月間、日韓両国でサッカー・ワールドカップが開催されますが、皆さんの若さと情熱で声援を送って圧勝に導き、同時に仕事、学業の面でも存分に活躍され、厳しい世相をはね返すことを祈念いたします。
私は今月29日に亥年生まれ、55歳の誕生日を迎えます。将棋好きだった故・田中角栄元首相は政権を執った頃、盤中央に周囲を睨んだ角を置き、「5・五(ゴーゴー)の角」と自慢したそうですが、今年は私も[GO、GO(55)、SAY・GO(誠吾)]で、有言実行の年。国政の場で大いに発言し、行動面でも干支の通り猪突猛進する覚悟です。

 課題山積の長丁場

 いよいよ21日から6月19日まで150日間の通常国会が開幕します。小泉内閣は1月末には実質約4兆円規模の01年度第2次補正予算を成立させて3月末に成立予定の02年度予算に切れ目なく繋ぎ、15ヶ月予算で景気浮揚を図る方針です。予算成立後はアフガン情勢や不審船騒ぎを反映した有事法制論議や、首相が2月開始を公約した03年度税制改正の本格論議、特殊法人改革、医療制度改革、雇用対策などの関連法案が山積しており、長丁場の国会は息つく暇もなさそうです。その間にアフガン復興支援閣僚級会議の東京開催、イワノフ露外相の2月来日、首相の訪韓予定など外交面も多彩に展開されます。

 基礎工事の年
「小泉改革の設計図は出来た。今年は基礎工事をやり、5年間で構造改革を実現する」――。自民党の山崎拓幹事長は新春のNHK番組でこう発言。党内で期待感の強い景気刺激策についても、「景気浮揚のための財政出動ではなく、政策を絡めたポリシー・ミックスで対応する」と述べ、国債発行額30兆円枠は堅持する考えを強調しました。これは、財政再建と景気回復の両立、つまり「2兎追う」ことが難しく、日本経済の失速による“3月危機”が囁かれていることに配慮、小泉首相を全面的に支える姿勢を示したものです。

 野党、対決姿勢強化

 確かに永田町では、「11月の完全失業率は戦後最悪の5・5%に達したが、不良債権最終処理の1月から3月にかけて、企業倒産や地方金融機関の破綻が続出、失業率は6%を超えるのではないか」「4月のペイオフ解禁を再延期しないと、取り付け騒ぎが起き、日本の金融システムは崩壊する」などと、雇用や金融危機への不安が増大しています。野党は「企業リストラや医療制度など小泉改革の“痛み”は、全て高齢者や社会的弱者にしわ寄せされる」と小泉改革を批判、解散・総選挙を求めるなど対決姿勢を強めています。

 政局動かせない野党

 しかし、政府与党は先の臨時国会で、テロ対策特別措置法など約50本の重要法案を成立させました。野党の反発で混乱が予想された臨時国会でしたが、自民党は堂々と政権政党の責任を立派に果たしています。内部分裂を深めた民主党など野党が束になっても政局は動かせないと思います。むしろ怖いのは、国民の高い内閣支持率がいつまで持続できるかという点と、首相の主導権を内から揺さぶろうとする党内守旧勢力の動きでしょう。

 消費税見直しも
「改革なくして成長なしという基本姿勢は一歩も譲らない」と、首相は年頭の記者会見で、構造改革を優先させる考えを改めて強調。金融不安に対しても、「金融危機を起こさないため、あらゆる手段を講じる。政府としては大胆かつ柔軟な対策を取る準備をしている。ペイオフ解禁は予定通り4月に実施する」と述べ、金融危機には公的資金の再投入を検討している姿勢を明らかにしました。また、2月から議論を始める税制の抜本改革についても、「予見なしに所得税も法人税も消費税も議論してもらう。聖域を設けない。消費税も当然議論の対象になる」と語り、消費税も含めた見直しに歯切れよく言及しました。

 ライブで記者会見

 国会論議の1つの焦点となる日本道路公団などの特殊法人改革では、「行革断行評議会(行革担当相の諮問機関)の意見を借りながら引き続き評価・監視機能を作っていきたい。もっと権威のあるものにする。構造改革に拍車をかけたい」と強い意欲を見せました。これは、党内の“抵抗勢力”を押し切って、小泉改革を断行する決意を表明したものです。小泉首相はこの年頭会見を歴代首相慣例の年内28日の録画撮りではなく、新春4日に初めてライブ(生)で行いました。しかも、故・吉田茂元首相同様の紋付き袴姿です。ライブ会見の想をじっくり練り上げた首相は、戦後一番の指導力を発揮したワンマン宰相にあやかり、国民受けする演出効果を狙ったと、政界ではもっぱらの評判です。

 伝家の宝刀いつでも

 注目されるのは、「改革が抵抗にあって行き詰まった場合に衆院の解散に踏み切る可能性があるか」と聞かれた時の答えです。初めは「解散は特別な事情が発生しない限り、やるべきではない。まだ任期は2年半残されている」と常識論で解散を否定しました。だが、記者団にしつこく聞かれると、「政界は一寸先は闇だが、解散でしか事態が打開出来ない状況は、今は想定できない。“現時点”では、解散はやるつもりは無いとしか言いようがない」と慎重に述べつつ、野党の出方次第、政治環境の変化によっては、いつでも伝家の宝刀を抜く構えであることを示唆しました。

 区割り改定とリンク

 衆院解散は選挙区の区割り見直しと密接にリンクしています。衆院の定数は国勢調査に従って「1票の格差」を見直し是正するとの法律規定に基づき、衆院議員選挙区画定審議会が昨年12月19日、20都道府県の衆院68選挙区の区割り見直し案を首相に勧告しました。これに長崎県は含まれていませんが、1選挙区当たりの人口格差は最大で2・57倍から2・06倍に縮小し、2倍を超える選挙区は95から9に減る内容です。勧告では埼玉、千葉、神奈川、滋賀、沖縄の5県で選挙区を1つずつ増やし、北海道、山形、静岡、島根、大分の5道県で1つずつ減らす案です。自公保与党3党は昨年10月、衆院選挙区に2−3人区を新設する与党実務者合意を白紙撤回したうえ、1年以内に中選挙区制復活を含む抜本的な改革案を検討することで合意しています。

 解散なしの希望的観測

 このことから、与党改革案が出来るまで勧告案は棚上げされますが、先送りに対する有権者の批判が高まってきました。一方、永田町では「定数是正の関連法が通常国会で成立しなければ、小泉首相は解散に踏み切れまい。解散権を縛られれば、構造改革でも首相は無理できまい」「中選挙区制復活を望む公明党は解散に反対だ」などと、解散回避の希望的観測が持たれていました。そうした党内世論をけん制した首相の意味深な発言であったわけで、山崎幹事長もすかさず、「解散なら現行制度(小選挙区比例代表制)で戦う以外にない」と述べ、衆院選挙区画定審議会の勧告に沿って、区割り法案を通常国会に提案する方針を打ち出しました。小泉首相は2・06倍でなく2倍以内に抑える案を至急検討するよう、細田博之党総務局長に指示しています。

 常在戦場の気持ちで活躍

 公明党は「定数3の選挙区150」との中選挙区制案に固執していましたが、秋まで先送りを決めていた衆院選の抜本改革案の制定を断念、自民党の「現行制度で次期総選挙を戦う」案に同調する方針を固めました。これは、格差見直しの対象とされた地域で次の総挙に向け、議員の後援会などの組織替えや候補者調整などの動きが強まっており、次期総選挙の選挙制度を早急に決定すべきだとの声が高まってきたからです。94年に衆院小選挙区比例代表並立制が導入されて以来、既に2度の総選挙を戦っており、現職議員の多くも現行制度で戦うことを望んでいます。区割り法案の成否にもよりますが、国会が山場を越し、内閣支持率が高原状態を続けるならば、秋までに解散を期待するムードが出ないとも限りません。いずれにしても、我々衆院議員は“常在戦場”の気持ちに変わりなく、一層心を引き締め国政に従事する決意を固めています。さらなるご支援をお願いする次第です。