第299回(5月1日)予算・0増5減会期内成立 参院選へ
一般会計92・6兆円の2013 年度予算案は今国会の会期内(6月26日)に自然成立、衆院小選挙区「0増5減」の区割り改定法案も与党が4月23日に衆院で可決、野党が抵抗すれば60日ルールを適用し、会期内に再議決する見通しです。インターネットで選挙運動ができる改正公選法も同19日に成立し、政局の焦点は7月の参院選に移りました。首相は17日の党首討論で対決姿勢を示し、19日の記者会見でもアベノミクスの成果を強調したうえ、選挙公約となる成長戦略の柱に、「40万人分の保育所を作り待機児童の解消」「女性の社会進出」などをぶち上げました。首相地元の参院前哨戦・山口補欠選挙は28日、自民党が圧勝し参院選に拍車をかけました。インドネシアでの環太平洋経済連携協定(TPP)11カ国閣僚会議は20日、日本の合流を全会一致で承認しました。7月から日本も本格交渉に参加します。絶好調の首相は5月連休中、経済使節団を同行して訪露、4月29日はプーチン大統領と首脳会談を開き北方領土交渉を再開、シベリアでの液化天然ガス(LNG)開発での協力を確約しました。その後サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコを歴訪し経済外交を推進します。ワシントンでのG20財務相・中央銀行総裁会議は「黒田日銀総裁の金融緩和」に理解を示しました。だが、円安による燃料費の高騰で全漁連の20万隻が一斉休業を計画中です。私は農水担当の政調副会長として目下緊急対策を検討しています。

区割り改定法案は採決
 13年度予算案は4月16日に参院に送付され、同22日から実質審議に入り、与野党は自然成立の5月15日までに採決を目指す方向で一致しました。しかし、「0増5減」の区割り改定法案は伊吹文明衆院議長が提示した「法案の付則に選挙制度の抜本改革と定数削減を盛り込む」との斡旋案をいったんは民主、日本維新の会両党が評価したものの、両党が「今国会中に結論を得る」ことを明確に入れるべきだと主張したため、議長調停は決裂、与党が同23日の衆院本会議で可決し、与野党攻防は激化しました。自公の与党は野党が抵抗を続ける場合は、憲法の60日ルールを適用、衆院の3分の2の多数で再議決し、6月26日までの会期内に成立を図る方針です。一方、インターネットを使った選挙運動を解禁する改正公職選挙法は与野党全会一致で19日に成立しました。7月の参院選から選挙中でも政党や候補者がホームページ(HP)やブログの更新、ツイッターやフェイスブックなどを使った情報発信や投票の呼びかけが出来ます。ユーチューブやニコニコ動画などの動画共有サービスにも候補者の動画を投稿でき参院選以降は地方選でも解禁です。ただし、「なりすまし」や迷惑メールを防止のため電子メールなどの連絡先を明示する義務を課し、氏名の虚偽表示などには禁固2年以下か罰金30万円以下、公民権停止の罰則を設けました。

挑戦・海外展開・創造の3キー
 「4か月前と比べ世の中は明るくなった。いよいよ『3本目の矢』成長戦略の出番です」――首相は19日午後、日本記者クラブの記者会見で、施政方針演説と同じ約40分間を使って、A4版22ページに及ぶスピーチを読み上げました。成長のキーワードは挑戦、海外展開、創造の3つだとし、@経済外交・医療輸出A再生医療の実用化B健康長寿社会に向けた日本版NIH(米国の国立衛生研究所)設立C失業なき労働移動D世界に勝てる若者E就職活動F待機児童ゼロG3年間の育児休業――の8項目を挙げ、「保育所を今年度から5年間で40万人分増やし約2万5千人の待機児童を解消する」など具体的な公約を発表しました。既に同日午前に財界3団体トップを首相官邸に招き、@現在最長1年半の育児期間を3年に伸ばすA上場企業には最低1人の女性役員を置くB大学生らの就職活動の解禁時期を現在の「3年生の12月」から3ヶ月遅らせる――などの協力を要請しています。安倍政権は6月にまとめる成長戦略にこれら施策を盛り込み、参院選でアピールする方針です。

黒田金融に理解、TPPも参加
 ワシントンで開いた19日の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は,日銀の金融緩和について「デフレを止め、国内需要を支えることを意図したもの」との共同声明を採択、黒田東彦日銀総裁の大胆な金融緩和に理解を示しました。ただし、声明では「信頼に足る中期的な財政計画を策定すべきだ」と日本の財政健全化を求めています。また、20日にインドネシアで開いたTPP交渉の11カ国閣僚会合は満場一致、日本の参加を承認しました。米国と同様に日本車にかける関税を残したいと主張したカナダは一旦承認を持ち越していましたが、最終的には折れました。米議会の承認には90日間掛かるため、参加国は7月下旬にマレーシアで会合を開く予定であり、日本はその会合から合流します。安倍首相は成長戦略の柱にインフラの輸出を据えていますが、訪露後の5月連休中はトルコ、アラブ首長国連邦を訪問し日本の原発輸出を可能にする原子力協定を両国とそれぞれ締結する考え。トルコの原発建設では三菱重工と仏アレバの合弁企業が受注する予定です。

3閣僚靖国参拝に中韓態度硬化
 このように経済外交では着々と成果を高めている安倍政権ですが、北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を予告し緊迫した北東アジア情勢の中にあって、中韓両国との近隣外交は尖閣諸島問題や歴史認識などでギクシャクし、物価高も国民の不安材料となっています。とりわけ靖国神社の春季例大祭に麻生太郎副総理兼財務相、新藤義孝総務相、古屋圭司拉致問題相の3閣僚と超党派の議員168人が参拝したことで両国は態度を硬化。韓国外相が4月末の訪日予定を取りやめ、中国外務省も抗議文を発表し、中国側が安倍政権の「特使」として日中改善のパイプ役を期待した高村正彦・自民党副総裁の訪中団の受け入れも拒否してきました。議長国の韓国がソウルで開催を予定していた日中韓首脳会談も秋口まで延期されそうで、極めて残念なことです。第2次安倍内閣初の党首討論は17日開かれ、野党第1党の海江田万里民主党代表が“第1の矢”の大胆な金融政策を「大変な劇薬。副作用がある」と批判しましたが、日本維新の会の石原慎太郎共同代表、みんなの党の渡辺喜美代表は、ともに改憲などで首相をもちあげ、盛んにエールを送りました。

全漁連漁船20万隻が一斉休業か
 海江田氏が得意の経済分野で小麦粉やトイレットペーパーなど日用品の値上げを例に挙げ、「生活者に対する気配りがあるのか」と物価上昇を質したのに対し、首相は「株価が上がって円安に向かっていることは評価されている」とアベノミクスに市場が好感していることを自賛しました。自民党の日本経済再生本部(本部長・高市早苗政調会長)は地域ごとに「長期信用銀行」を設立して地方の金融機関を再編、特区拡充による地域活性化、英語教育の強化、働く女性の支援――などを柱とした中間提言案をまとめ、党農林部会も参院選に向けTPP参加で農家が打撃を受けないよう「農業・農村所得倍増目標10か年戦略」をまとめました。しかし、物価高は要注意です。円安で漁船の燃料費が上がっているため、全国漁業協同組合連合会(全漁連)は今月、全国の漁船約20万隻を一斉休業させようと検討中です。特にイカをおびき寄せるため大量の燃料を消費するイカ釣り漁船は深刻です。一斉休業は2008年7月以来約5年ぶり。政府はこの時、漁業者に総額約745億円の補助金を支給しましたが、今回も緊急対策が必要です。良い解決策を見出したいと努力中です。

安倍政権の支えは宏池会4閣僚と安倍首相
我が宏池会は24日、東京・芝公園の東京プリンスホテルでパーティを開き、約2千人の支持者が集まって頂き大盛会でした。古賀誠前会長の後を継いだ岸田文雄会長(外相)は「池田勇人元首相が起こした伝統保守の宏池会として、しっかり外交経済政策を練り上げ、自民党の幅広さを示したい」と挨拶。珍しく現職首相の安倍晋三総裁も駆けつけ、壇上に居並ぶ岸田会長、林芳正座長(農水相)、小野寺五典防衛相、根本匠復興相を前に「安倍政権はこの4閣僚に支えられている。成長戦略を示し参院選を勝利したい」と持ち上げました。我が選挙区の佐世保市などからも大勢出席頂き、末筆ながら心からお礼申し上げます。