第223回(3月1日)長崎知事選圧勝 参院選勝利・政権奪回に弾み
 7月参院選の前哨戦・長崎県知事選は2月21日に行われ、おかげさまで自公両党が支援した中村法道前副知事が民・社・国3党推薦の橋本剛前農水省改革推進室長ら6人を大差で破り当選しました。これで自民党は参院選勝利へ向けて弾みがつき、県連会長の私は面目を保つことが出来ました。まずは皆さまの温かいご支援の賜と心から感謝し、お礼申し上げます。勝因はもちろん、政権トップ2の「政治とカネ」にまつわる醜悪な疑惑、マニフェスト(政権公約)を裏切る詐欺的バラマキ政策、基地問題で日米同盟に亀裂を生んだ外交無策――などに長崎県民が呆れ、怒り、失望し、政権与党に不信任を突きつけたものです。10年度予算案はどうにか年度内成立の見通しとなりましたが、関連する重要法案は山積しています。政府与党は、予算関連の「子ども手当法案」、「高校授業料無償化法案」や内閣強化を目指す「政治主導確立法案」、「国家公務員法等改正案」などいずれも“日切れ法案”を「4月1日から施行出来ないなら、公約が空手形に終わる」と焦り、成立に懸命です。だが、自民党は誇大広告のマニフェスト法案を簡単に通すわけにはいきません。中盤国会では「小・鳩献金疑惑」はもとより、3連立政権が破綻の様相を帯びてきた「迷走の基地移設」や「個所付け漏洩」、「財源と成長政策」などの問題を徹底追及、長崎県知事選の“追い風”を確かなものにしたいと念じています。さらなるご支援、ご協力をお願い申し上げます。

「平成の脱税王」にムキに反論
 「景気対策も予算も国民の税が基本だ。実母からの資金提供を見て、確定申告がばかばかしいと感じる納税者に、徴税の第1責任者としてどう答えるのか」(谷垣禎一自民党総裁)。「天地神明に誓って知らなかった。事実が検察により明らかになり、納税義務を果たした。国造りのため税金は支払ってほしい」(首相)――。2月17日の初の党首討論で首相は「申し訳ない」と国民に頭を下げつつ、小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」事件について、同氏が国会で説明責任を果たすよう進言すると答えました。しかし、与謝野馨元財務相が先の衆院予算委で、首相を「平成の脱税王」と名指しで批判し、首相実弟の鳩山邦夫元総務相の話として、「首相が子分を養うためにお金を無心していた」などと爆弾発言したことについては、「全くの作り話だ」とムキになって反論しました。これは首相が「実母からの資金提供を仮にも知っていたようなことが判明すれば議員を辞職する」と代表質問で谷垣氏に答弁しているため、与謝野氏の“誘導質問”に乗るまいと警戒していたからです。

不正蓄財?など3大疑惑追及
 札幌地検は15日夕、昨年8月の総選挙で当選した民主党の小林千代美衆院議員(北海道5区=食品労組出身)個人に北海道教職員組合側から、計千数百万円の選挙費用が渡されたとして、政治資金規正法(政治家個人への企業・団体献金の禁止)違反の疑いで札幌市の北教組事務所を捜索しました。小林議員は首相と同様に「全く知らなかった」と述べています。自民党の大島理森幹事長は「労働組合の中の日教組は子どもたちを健全に、生きる力を持つ教育をしてもらわなければならない。その教職員組合から1000万円を超える裏金問題があるとすれば、労働組合の選挙活動、政治活動にもメスを入れていかなければならない」と述べ、「鳩山疑惑」、「小沢疑惑」に北教組を加え「3大疑惑」として、小林議員と逮捕された小沢氏元秘書の石川知裕衆院議員、それに側近秘書の“トカゲの尻尾切り”ばかりやっている小沢氏を参考人招致あるいは証人喚問する構えを堅持しています。2月8日に公開された小沢氏の資産等報告書では、米軍普天間飛行場の移設計画が日米合意された直後の05年11月末に、移設先・辺野古周辺の原野約5200平方メートルを、小沢氏個人名義で所有したことが分かりました。不正蓄財とおぼしき資産形成を追及する方針です。


地方に個所付け漏洩し利益誘導
 民主党が都道府県連に伝えた、「個所付け漏洩」問題も火種となっています。これは馬淵澄夫国交副大臣が個別の公共事業の10年度予算配分額を同党本部に漏らし、都道府県連を通じ各地方自治体に伝達していたもので、参院選を意識した地方自治体への利益誘導と言えます。自民党の強い要求で衆院予算委理事会に提出された「仮配分」段階の資料によると、民主党県連や知事などから増額要求のあった道路308事業のうち186事業が概算要求時よりも増額された一方で、要望のなかった2421事業で増額されたのは17事業に過ぎません。しかも、配分金額の上位2県が先の総選挙で自民党が議席を独占した鳥取、福井両県であったことからも利益誘導は歴然です。最高実力者の小沢氏は「予算陳情の幹事長室一元化」を唱えていますが、ある財界人が陳情前に、副幹事長らから「政治献金の意思ありやなしや」と問われたといわれるほど、利益誘導は公然化し、同党は国政を専横化しています。

政治の私物化、腐敗現象叩く
 谷垣総裁は「憲法、財政法の規定がありながら、それに違反し予算成立前に個所付けが漏洩する事態が起きている。それなのに、民主党内から自浄作用が起きていない」と批判し、「政治の私物化、腐敗現象が民主党の中で進んでいる」と定例記者会見で指摘しました。石破茂政調会長も「自民党政権でもこの(予算額を内示する)ようなことは1度も行っていない。国会無視の行動を放置したままの予算委審議に何の意味があるのか。国の予算の私物化だ」と会見で怒りました。谷垣氏は1日の代表質問で、「小沢独裁」を4回繰り返して批判しましたが、定例会見でも、「民主党は自ら平成維新と称し、革命政権のように表現しているが、今までの革命政権・ボリシェヴィキ政権は民意を受けて革命を徹底し、法の支配を受けないとしばしば言明してきた。民主党にもそういう気分があって、思うがままに振る舞おうとしているのではないか」と述べ、法の支配に対抗する二重構造の小沢支配政権と戦う姿勢を強調しました。

移設の3党個別案で連立亀裂
 鳩山内閣で最も混迷しているのが米軍普天間飛行場の移設問題。閣内で散々迷走した揚げ句、連立内部で異論が噴出しています。社民党は米領グアムの国外のほか、長崎県の海自大村航空基地と陸自相浦駐屯地も移設先として検討していましたが、国内移設には党内の反対論が強く、長崎県知事選を控えてトーンダウンしました。国民新党は嘉手納基地への統合もしくは辺野古の沿岸部ではなく同地の米軍キャンプ・シュワブ陸上部への移設を唱えていました。しかし、各党が個別案を提示すればさらに混乱を招く恐れがあるとして、17日の政府与党沖縄基地問題検討委(委員長・平野博文官房長官)では各党の個別案を提出させず、先送りを決めました。辺野古の内陸部移設は沿岸部の現行計画に至る日米交渉過程で浮上した過去の有力案でしたが、環境への影響や丘陵地帯に滑走路を建設することに難点があり廃案に追い込まれていました。だが、2月上旬に民主党幹部数人がワシントンを訪れ、内陸部案を復活させようと努力していたと言われています。これを察知した国民新党が「同党主導の候補地選定」であるかのようにアピールしたと見られています。

5月危機招く八方美人的答弁
 平野官房長官は、1月24日の名護市長選で辺野古移設反対派の稲嶺進前市教育長が当選したことに関し、「斟酌しない。ゼロベースで検討する」と記者団に語り、波紋を広げましたが、現地の誤解を解くため20日に沖縄を再訪問、仲井真弘多知事に「選挙結果の民意は尊重する」「米国と(打診など)内々にやっていることは全くない」などと釈明に努めました。知事が「県外移設がベストだ」と述べたのに対し、平野氏は「常にベストを求めていくが、ベターになるかも知れない」と県内移設での決着があり得る考えを暗示しましたが、記者団に真意を問われると、「知事、国、市町村、ベストの案はみんな違う。これから調整するということ」と意味不明の発言で煙に巻きました。検討委員長が定見もなくこんなにグラついていたのでは救われません。首相は「沖縄の皆さんに理解され、米国にも、与党3党それぞれが分かったと言えるような案を作ることがベストだ」と相変わらず八方美人的な発言をしていますが、来日したウエッブ米上院東アジア太平洋問題小委員長は「移設先が確定するまで海兵隊8千人のグアム移転予算は認めない」考えを示唆しました。どんな新提案も米国は受け入れる気配がなく、3党連立は亀裂が深まり、期限の5月に決着出来るか。「5月危機」が迫っています。

波紋描く消費税論議の前倒し
 菅直人財務相が2月14日、「所得税、法人税、消費税など税全体の議論を3月の政府税制調査会で始める」と述べたことも波紋を描いています。何故なら、民主党は予算の無駄削減を優先、消費税論議は2011年度以降とし、マニフェストにも現政権の4年間は引き上げない方針を示してきました。それが、財政の危機的状況を無視できなくなり、議論の前倒しに踏み切ったものです。同党は無駄を省けば、一般、特別会計の計210兆円の1割程度は削減できると豪語し、新規政策の7・1兆円は「事業仕分け」で捻出すると公約しました。だが、あれだけ喝采を浴びた事業仕分けでも生み出した財源は6900億円に過ぎず、小沢氏のツルの一声でガソリン税の暫定税率は形を変えて継続、高速道路の無料化も大幅に削減したうえ、野田佳彦財務副大臣は次年度以降も子ども手当の半額支給を継続すると言い出しています。税収が9兆円落ち込んだことを財源難の理由に挙げていますが、いかにマニフェストが政権交代の道具であったとしても、誇大広告だったことは間違いありません。長崎県民は羊頭狗肉のインチキ政策を鋭く見破り、厳しい判定を下しました。同日実施の東京・町田市長選でも自公推薦の現職市長が圧勝し、自民党にはよい風が吹いいます。

舛添勉強会に政界再編派集合
 そうした中、舛添要一前厚生労働相らが呼び掛け人となった党内有志による「経済戦略研究会」の初会合が17日、党本部で開かれ、中川秀直元幹事長、鳩山邦夫元総務相、塩崎恭久元官房長官、菅義偉元総務相、河野太郎元法務、山本一太元外務両副大臣ら28人が出席しました。小泉構造改革路線の政界再編派といった面々です。会長に選任された舛添氏は「民主党政権では日本は駄目になる。富を増やさず再配分だけやっている。ニューマネーをつくり出すべきだ」と、時代に即した成長戦略の必要性を強調。会合では、郵政民営化の推進や経済成長による格差是正などの7項目の基本方針を確認しましたが、鳩山氏は郵政民営化推進に異論を唱え、途中退席しました。舛添氏は自民党が下野して以来、「自民党を再生でなく、新生させなければならない。党の歴史的使命は終わった」、「執行部には危機感がない」と一貫して執行部批判を繰り返してきました。国民人気が高い舛添氏は石原慎太郎都知事の後釜を狙っているとも噂されていますが、同勉強会を新党結成の足場にする考えもあるようです。同勉強会に出席した中川氏は町村派を、菅氏は古賀派を既に退会していますが、石破政調会長ら執行部の1部は派閥解消を唱え、舛添氏もこれに同調しています。党内では新旧世代間の新たな改革の動きが出ていますが、そんなことより、税の確定申告期に暴露された「小鳩の献金疑惑」、春闘さなかの「雇用不安増大」、基地を巡る「日米安保の亀裂」など3K問題が起こす暗い世相の中で国民の不満、怒りは充満しています。小鳩政権に陰りが生じた今こそ、参院選候補を早急に決定、党が一丸と燃えて政権奪回の戦いを進めなければなりません。参院選に一層のご声援をお願い申し上げます。