第222回(2月16日)灰色小沢氏を猛追及 支持率急低落
 通常国会は「政治とカネ」、「政権公約違反」の政策を巡り、自民党が猛攻を重ねています。民主党の石川知裕衆院議員ら小沢一郎幹事長の側近3人は起訴されましたが、小沢氏は不起訴となり、幹事長職を続行しています。不起訴は「嫌疑不十分」が理由ですが、谷垣禎一自民党総裁は「限りなく黒に近い灰色」と決めつけ、小沢氏を証人喚問し、説明責任と政治的・道義的責任を果たすよう要求。石川議員にも辞職勧告決議案を提出しています。2月から10年度予算案の本格審議に入った衆院予算委では、財源難から高速料金無料化の段階的実施を唱える国交省、次年度以降も子ども手当の半額支給継続を図る財務省など、マニフェスト(政権公約)違反の政策を平気で推進しようとする鳩山政権を自民党が厳しく追及しました。このように羊頭狗肉の政策を押し付け、政権のトップ2が金権体質に麻痺したまま混迷政局を強行突破しようとする厚顔無恥の姿に国民は呆れ、内閣支持率は急落、全紙で「支持しない」が「支持する」を逆転しました。7月参院選の帰趨を占う長崎県知事選は激戦の真っ直中。私は県連会長として必勝を期し、国政を顧みる暇もなく県内を駈け回っています。皆様のご高配と温かいご支援、ご協力をお願い申し上げます。

不起訴は潔白証明と開き直り
 東京地検特捜部は4日、小沢民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入事件で、同会の事務担当者だった石川知裕衆院議員、小沢氏の公設第1秘書・大久保隆規被告、後任事務担当者の元私設秘書・池田光智容疑者の3人を政治資金規正法違反(虚偽記入)で起訴。刑事告発されていた小沢氏は石川容疑者らとの共謀が十分に立証出来ていないとして、嫌疑不十分で不起訴としました。世田谷区深沢の土地代に充てた4億円は小沢氏からの「借入金」と認定されましたが、収支報告書の実態と異なる記載は、石川議員らの起訴事実となった過去最大の計21億7千万円余の虚偽記入を含め、総額約30億円にも上ります。関連政治団体との間でマネーロンダリング(資金洗浄)にも似た複雑な資金操作を何故繰り返したのか不可解千万です。虚偽記入は「5年以下の禁固または100万円以下の罰金」で「5年以下の懲役」の収賄に匹敵する「重罪」です。小沢氏は16日の党大会で石川議員らを逮捕した検察当局に「全面的に対決する」と宣言しましたが、不起訴が決まると手のひらを返すように「公正、公平な検察当局の捜査の結果と受け止める。自分は不正なカネを貰っていないことが明らかになった」と記者団に語り、不起訴を“潔白の証明”であるかのように幹事長の続投を表明。石川議員も離党、辞職を否定し続けました。

朝青龍と対照的な傲慢な態度
 「小沢さんを辞めさせろ。貴女の『鶴の一声』で何とか出来ないのか」――。佐世保市の商店街で7日、長崎県知事選の応援演説を終えた民主党の蓮舫参院議員にこんな声が飛んだと読売は報じました。小沢氏の不起訴が決まった日、相撲界の悪役・朝青龍は「横綱の品格に欠ける」数々の行為を責められ引退しました。それとは対照的に自浄能力も発揮せず、ただ傲慢な態度をとり続ける小沢氏に、国民の不信感と生活の不安感は極限に達しています。各紙の世論調査では「小沢幹事長は辞任すべきだ」が、読売74%、朝日、毎日、共同通信も70%前後と辞職を求める声が一挙に高まっています。政治資金規正法は政治資金の透明性を向上させる目的で制定されました。小沢氏は93年に出版した「日本改造計画」の中で、秘書の違反は政治家の責任であるとし、「連座制の強化」と「政治資金の出入りを1円に至るまで全面的に公開し、流れを透明化する」と訴えています。それを小沢氏は、世論調査の不評は「報道内容が偏っているからだ」とマスコミのせいにし、自・公・みんなの党が提出した石川議員の辞職勧告決議案についても「国会議員の職務に関して責任を問われているわけではない」と庇い、「吊しておけばよい」(山岡賢次国対委員長)と棚ざらしにする姿勢です。これには仙谷由人国家戦略相が閣議後会見で「私なら離党する」と述べ、枝野幸男元政調会長も街頭演説で小沢幹事長のけじめ(辞任)を求めました。


小沢独裁に党内の反発強まる
 仙谷、枝野両氏は、「小沢批判」の急先鋒・渡部恒三元衆院副議長が「民主党7奉行」と名付けた非小沢系の双璧。渡部氏は小沢氏の続投について、「世論を見て本人が判断することだ」と表向き静観していますが、党内には「秘書が逮捕された道義的責任は残っている」との声が根強く、小沢氏の独善的な党運営に反発が強まっています。連立の社民党も9日の国対委で、「小沢氏の説明は不十分である」とし、衆院の政治倫理審査会に小沢、石川両氏を呼び、明確な説明を促す方針を決めました。こうした敵失を捉え、自民党の谷垣総裁は1日の衆院本会議での代表質問で2度目の党首対決をし、「実態は小沢政権」であるとして「小沢独裁」を4回も繰り返して首相の指導力不足を強調しました。6,7の両日は降りしきる雪の中、京都市内の街頭演説で「鳩山、小沢さんがやっていることは『政権中枢にいれば刑罰を免れられんだ』と言うに等しい。日本はファシズム国家になってしまう」と危機感を表明、「景気も大変、国際関係も難しいが最後に守るべきは、民主主義の国・日本、法の支配がある国と言うことだ」と訴えました。12日の衆院予算委は「鳩山内閣の政治姿勢」をテーマに集中審議を行い、与謝野馨元財務相から『首相を「平成の脱税王」と批判』。後藤田正純議員らが、鳩山、小沢トップ2の資金形成過程、倫理感が決如した党体質など「政治とカネ」の説明責任を求めましたが、石川議員は厳しい野党追及を恐れてか、前日の11日に離党しました。

政権浮揚1石3鳥の枝野起用
 民主党は17日に党首討論、23日に中央公聴会、26日に予算案の衆院通過を目指していますが、野党側はさらなる「政治とカネ」の予算委集中審議、小沢・石川両氏の参考人招致、または証人喚問を要求しているため、審議時間が足りず予算案の年度内成立は遅れる見通しです。鳩山首相は10日、仙谷氏が兼務していた行政刷新相を外し、枝野氏を同ポストに起用しました。枝野氏は昨年11月の行政刷新会議の「事業仕分け」で統括役を務め、蓮舫議員とともに予算切り込みで評価されました。首相は枝野氏を閣内に取り込み言動を封じると同時に、「小沢依存」からの脱却、内閣の布陣強化、党内各派の協力体制構築など1石3〜4鳥の狙いで政権浮揚を図ろうとしています。枝野氏は仙谷国家戦略相と連携し、独立行政法人・公益法人の制度改革、規制改革、独禁法政策などを担当しますが、11年度予算編成に向けて無駄遣いの削減など「事業仕分け」の第2弾に取り組みます。枝野、仙谷両相がまず着手するのは政治主導の行政改革で、政府は各省庁の副大臣、政務官を30人程度増員する「政治主導確立法案」や国家公務員法改正案、「官僚答弁」の排除を目指す国会法改正案など一連の関連法案を閣議決定し、今国会に提出しました。

政治主導確立と国会改革法案
 政治主導確立の主な内容は、@内閣官房の国家戦略室を「局」に格上げし、内閣府の行政刷新会議と並立するA現在3人の官房副長官を1人増員、その内1人を国家戦略局長とし、局長の下に政務官級の「国家戦略官」を置くB内閣府に税制調査会を設置し、経済財政諮問会議を廃止するC民間人の政治任用を念頭に首相補佐官枠を現行の5人から10人に倍増、政務3役を補佐する民間人ポストとして内閣官房に「内閣政務参事」と「内閣政務調査官」を新設するD各省幹部人事を内閣に1元化するため「内閣人事局」を設置する<内閣法、内閣府設置法、国家行政組織法、国家公務員法等関連法改正案>――など。国会改革は@副大臣と政務官を15人ずつ増員し大臣補佐官を新設A官僚や有識者の意見を聞く「意見聴取会」を衆参両委に設置B内閣法制局長官は政府特別補佐官から除外し国会答弁を認めない<国会法改正案>――などです。政治主導確立関連法案と国会改革法案は4月1日の施行を目指すもので、予算と同じ年度内成立が必要な「日切れ法案」です。

国会議員百人や民間人を投入
 政治主導確立法案は,首相官邸に国会議員約100人や民間人を集中投入し「官邸主導」の政権運営を目指す狙いがあり、民主党がマニフェストに明記し小沢幹事長が意欲を燃やし、昨年末に社民、国民新両党の幹事長級会談で法案骨子の同意を取り付けていました。
現在は首相のほか閣僚17人、官房副長官を含む副大臣級24人、政務官25人、首相補佐官4人の計71人の国会議員が政府に入っており、約30人を増やす計算です。内閣人事局は、各省庁の事務次官、局長、審議官まで幹部職員約600人の人事を行うもので、各省の次官級から局長級への降格人事も可能にしています。基本方針では部長級以上の幹部ポストは公募を実施。幹部人事は、「適格性審査」を行い、省庁横断的に次官・局長級の幹部候補と、部長級の幹部候補の2種類に分けて省庁横断「幹部候補者リスト」を作成、各閣僚は首相や官房長官と協議したうえで、名簿から適材適所の適任者を任命することにしています。トップの人事局長は、現在3人の官房副長官のうち政務の副長官か、4人目の副長官を新設し、首相が指名しますが、いずれの場合も国会議員に限定する方針です。

団子の日切れ法案で荒れ模様
 内閣人事局は08年6月に施行された国家公務員制度改革基本法で設置が決まり、麻生政権が昨年3月に国家公務員改正案を提出しましたが、衆院解散で廃案となっていました。
みんなの党の渡辺喜美党首がかつて行革担当相として熱心に取り組んだ改正案だけに、自公野党の反発は比較的少ないと思われますが、ほかにも国民新党が「1丁目1番地」で推進する郵政改革法案など多くの日切れ法案が団子になって上程されているため、予算案成立前後の国会は与野党の攻防が激化し、荒れ模様になると予想されます。