北村からのメッセージ

 

 第21回(7月1日) @当選1年の決意  参院選に全力
 
 光陰矢の如し。6月25日に早くも初当選後1年が経ちました。20,21世紀の2世紀をまたぐ歴史的なこの1年間に、私は自民党の国会対策委員として連日汗をかいたほか、当選直後は衆院内閣、災害、安保の3委員会に、自民復党後は農水、厚生労働、石炭対策と計6委員会に席を置き、委員会質問には6回も登板するなど、新人とは思えない得難い体験をしました。同時に、日本版401Kと呼ばれる確定拠出年金法案や水道の民営化を図る水道法改正法案など数多くの重要法案を審議し、成立させる喜びを知りました。こうした議員活動が出来るのも、ひとえに皆様のご支援によるものと深く感謝致しております。
 改革断行の小泉内閣は、国民人気を背景に国政選挙並の東京都議選で5議席増の勝利を収めました。国会閉幕後は、いよいよ7月末に迫った天王山の参院選に突入します。私も党の遊説局次長として全力を挙げて地方の応援に飛び回ります。緊張続きの1年でしたが、疲れを知らず健康そのもの。今も当選したあの日の感動を胸に、力一杯活動する決意です。より一層のご指導、ご声援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。


 北村からのメッセージ A道路財源と交付税の攻防  自治体「地方り捨て」へ猛反発

 小泉内閣は6月26日に閣議決定した経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)の「経済・財政運営の基本方針」を選挙公約に掲げ、参院選必勝に全力を投入しています。この基本方針は前号で詳しく紹介したので内容は省きますが、「聖域なき構造改革」を掲げる小泉内閣のバイブルといえましょう。90年代のバブル崩壊後を「停滞の10年」と総括。競争原理に基づく民間主導の経済を目指し、先送りを続けた不良債権を集中処理するなど今後2~3年を集中調整期間とし「低成長宣言」をしたほか、国民にも痛みを求めています。

 都市、地方対立“台風の目”

 基本方針には、前号で示したように7つのプログラムが盛り込まれていますが、大きなテーマとしては不良債権の抜本解決のほか、@郵政民営化と特殊法人の統廃合・民営化A公共事業費の削減B医療サービスの効率化C地方交付税の削減D地方の歳出削減E道路特定財源の見直しーーなどが挙げられます。そこで、今回は前号で予告した通り、「地方切り捨て」と批判されている道路特定財源の一般財源化と、地方交付税の見直しを取り上げ「都市」対「地方」の対立に発展しつつある“台風の目”に迫ろうと思います。

 カクレンボ

 「もういいよ。まーだだよ」――。浅野史郎宮城県知事は、道路財源の使途拡大について、朝日のコラムに「都市と地方のエゴのぶつかり合いだ。1万円会費で、都市の人たちは先に食べ始めて腹八分目。地方の人はまだ半分も食べ終わっていない。腹がふくれた都会の人が残りの2000円は観劇に使いましょうというのに似ている」と、カクレンボの例え話で、道路整備の問題点を分かりやすく指摘しています。

 都市集中招く

 浅野知事は、「小泉首相らが前回の総選挙で都市部の自民党が敗退したのを受けて『道路特定財源を都市の基盤整備に回せ』と主張するなら反論せざるを得ない」とし、「都市を住みやすくし地方を衰退させることは、都市への人口と産業の集中を招き、国土づくりの基本方針に背く。団塊の世代が都市生活を卒業して“帰りなん、いざ”と思った時に故郷が荒れ放題でよいのか。地方切り捨ては結局、都市居住者の老後生活の選択肢を狭める」と警告しています。全国各地でも「道路整備はまだ不十分」との反発は高まっています。

 総税収の1割

 道路特定財源は、道路建設や補修などに使い道が限定される財源で、国税の揮発油税や車検時の自動車重量税、地方税の軽油引取税などがあります。国が約3兆5千億円、地方が約2兆3千億円の計5兆8千億円で、総税収50兆円の1割以上を占めています。この財源は道路整備5カ年計画と一体の事業として約40年間、全国縦断の幹線道路網整備に大きな役割を果たしてきました。だが、一方ではマスコミが指摘するように、閑古鳥が鳴くような利用状況の高速道があることも事実です。

 一般財源化探る

 塩川正十郎財務相は、来年度に道路財源の一部を排ガス抑制など環境対策に活用した後、15年度以降は使途を定めない一般財源化の道を探ろうとしています。しかし、「選択と集中」の効率的な財政運営を図るとしても、道路使用に対する「受益者負担」の原則で制定された道路特定財源を一般財源化するには、関連法制の改正や予算の裏付けとなっている中・長期の各種整備計画、特別会計や自動車税制全体の洗い直しが必要です。塩川構想には国土交通省が公共事業改革大綱を発表し、特定財源の使途拡大に反発しています。

 交付金1兆円削減

 一方、地方交付税の配分見直しも大きな論議を呼んでいます。経済・財政運営の基本方針が素案段階の5月末、塩川財務相は地方交付税交付金の削減問題で「基準財政需要額を1兆円減らし、それに対する地方財政計画を編成してもらい、予算を決定していく」と述べたからです。財務相は、自治体などが実施している社会保障の一部への国庫補助金の割合(補助率)を引き下げる考えも明らかにしました。

 自治体格差の是正

 地方交付税交付金は、自治体の税源の格差を是正し、一定の行政サービスを提供できるように国が保障する制度で、国税の一部を自動的に地方に回す仕組みが道路特定財源と似ています。所得税や酒税の32%、法人税の35・8%、消費税の29・5%、タバコ税の25%を、特別会計を通じて各自治体に回します。この交付金の9割を占める普通交付税は、教育費、警察費、厚生労働費など一般財源で行う行政サービスの必要経費(基準財政需要額)が、地方税など標準的な収入(基準財政収入額)を上回る財源不足の自治体に配分されています。平成12年度は富裕団体の東京都以外、全ての道府県と市町村の大半に交付されました。

 補助金にもメス

 このため、「地方交付税は、地方が中央依存体質を深める温床であり、政治家が利益誘導を図る道具」などとマスコミが批判してきました。小泉首相は、来年度予算で国債費発行額を30兆円に抑える目標を達成するには地方交付税の削減が不可欠と判断、地方交付税や補助金に大胆なメスを入れ、地方財政計画の歳出を徹底的に見直す方針です。具体的には、地方債の返還を国庫で手当てするのを制限して必要度の低い公共事業を削減したり、過疎地などへの手厚い交付も改め、人口や1人当たりの税収などの客観基準で配分する考えです。

 形変えた地方税

 これに対し、地方自治体は一斉に反発、6月7日の全国市長会では、小泉首相の挨拶に「だめだ」など強烈なヤジが飛びました。とくに基本方針で「『国土の均衡ある発展』の名の下、画一的な行政サービスを確保する時代は終わったと考える」と明記されたことについて、市町村などは「税収が少ない自治体に地方交付税を配分し必要最低限の財源を確保するーーとの交付税制度を根本から否定するもの」と不満を表明しました。片山虎之助総務相は「地方交付税は形を変えた地方税。地方分権の時代に削減はあり得ない」と自治体を援護。全国知事会は、所得税の税率を下げて住民税を上げるような国税と地方税の配分を見直す「税源移譲」の必要性を指摘、「交付税制度の見直しと税財源の移譲は一体だ」と主張しています。

 地域間競争へ転換

 自民党でも地方行政調査会と総務部会地方行政小委員会の合同会議などで活発な論議を展開しています。基本方針は、『均衡ある発展』から『地域間競争』へ転換し、国主導の地方行政から自治体側の自助努力を重視することを謳っていますが、これは自治体間に行政サービスの格差を容認する姿勢を打ち出したといえます。合同会議では「交付税は地方固有の財源である」「地方税を充実し自ら賄えというが、戦後のミシン税、リヤカー税みたいなものが出てきてもよいのか」「削減より、まず地方財政計画が出発点にあるべきだ」「骨太の方針といいながら、小骨がいっぱい入っている」など激しい意見が出されています。

 地方へ税源移譲

 こうした中で政府の地方分権推進委員会(諸井虔委員長)は6月14日、最終報告書を首相に提出しました。地方税財源の充実策として@所得税の1部を地方税の個人住民税に移し、消費税の1部を地方消費税に組み替えるA国民負担や国の歳入総額を変え「歳入中立」の観点から、地方への税源移譲分と同額を国庫補助金・地方交付税から削減するーーなどが内容で、昨年4月の地方分権一括法施行による国から地方への権限委譲を『第1次分権改革』、税源の移譲を地方自立の『第2次改革』と位置付けています。

 激しい攻防展開か

 「国に依存する手法から脱却し、自らの権限と財源を自己決定・自己責任の時代にふさわしい形で活用し、自治の道を真剣に模索することを期待する」と、諸井委員長は述べていますが、総務省と財務省の権限争いや都市政策と地方行財政の対立が絡む地方交付税問題の解決は容易ではありません。参院選が終わるまで、党内抗争はタブー視されていますが、来年度予算の概算要求がまとまる8月か、その後の年末にかけた予算編成までには、具体論をめぐっての激しい攻防が展開されると予想されます。私は自民党団体総局の地方自治関係団体委副委員長として、道路特定財源と地方交付税制度の見直しに鋭意取り組む覚悟です。