北村からのメッセージ

 

 第20回(6月16日) 続く小泉人気  強まる年内解散風

 小泉人気は止まることを知りません。内閣支持率は85%前後を維持、自民党本部が1枚50円で売り出した小泉ポスターには女子高校生が列をなし、50万枚があっという間に売れたそうです。近く、九分間収録のビデオカセットも1000円で売り出す予定です。“鋼鉄の女”こと田中真紀子外相と外務官僚の霞ヶ関バトルは、連日、テレビのニユース、ワイドショウを賑わしていますが、野党の国会追及や自民党内の「“鋼鉄”外相を更迭せよ」との要求には抗議メールが殺到するなど逆効果で、これまた小泉人気をあおっています。

 ヒロイン真紀子

 国民は田中外相の問題発言や外交感覚よりも、外交機密費のムダ遣いに徹底的なメスを入れようとする“ヒロイン真紀子”に拍手喝采しているからでしょう。朝日の天声人語は、AP電を引用し「“小泉家の人々”が演ずるソープオペラ(毎日見たくなる昼の連続メロドラマ)の政治」と評しました。党首討論もワイドショウ化され、視聴率は過去最高です。

 永田町の変人

 首相が東京都議選用に演じた「永田町の変人」のテレビコマーシャルも好評ですが、これに対抗して公明党の神崎武法代表が、ちょんまげ姿の改革抵抗勢力に「そうはいカンザキ」と叫ぶスポット広告を、自由党の小沢一郎党首も旧体制のロボットに抱きつき格闘するパロディ風コマーシャルを作るなど、各党ともイメージ選挙に躍起になっています。

 純風止まれば墜落

 自民党の遊説局次長である私としては、小泉人気がこのまま続けば前哨戦の東京都議選(24日)も、本番の参院選(7月末)も「勝利は疑いなし」と確信を深めているところです。しかし、5月の青嵐に高く舞い上がった小泉凧は、国民支援の純(順)風が止まれば墜落します。まさに国会の会期末(29日)から1ヶ月が小泉内閣の正念場です。

  7つの主要テーマ

 政府の経済財政諮問会議(議長・小泉首相)は6月末、選挙公約となる経済・財政運営の指針(骨太の方針)を発表します。既存の制度や規制を見直す構造改革によって経済の活性化と財政再建を目指す素案が既に公表されました。7つの主要テーマで改革プログラムを示し、公共事業や社会保障、地方交付税交付金制度の改革などを断行するものです。

 500万人の雇用創設

 主要テーマは@民営化・規制改革A起業を促すチャレンジャー支援B年金・医療などの保険機能強化C人材大国D子育て・共稼ぎ支援など生活維新E地方自立・活性化F財政などの硬直性是正――の7つで、「構造改革なくして景気回復なし」の小泉改革を推進する原動力と位置づけています。このプログラムに基づき、教育改革や科学技術を振興、労働市場改革を通じ今後5年間に500万人の雇用を創出する考えです。

 概算要求時に具体策

 この構想には、“諸改革の元祖”を自称する小沢自由党首も、“改革の本家”気取りの鳩山由紀夫民主党代表も「PR面で 先を越された」と悔しがり、党首討論などで「改革の絵図面を見せろ」「具体策を示せ」と小泉首相に食い下がっています。確かに、総論が立派でも各論が見劣りすれば国民の期待と信頼を裏切ります。そこで、首相は参院選後の8月、02年度予算の概算要求時に具体策を提示、年末の予算案編成で肉付けを図る方針です。

 国債費30兆円に抑制

 小泉首相は総裁選以来、02年度には33兆円に膨らむと予想される国債経費を「30兆円に以内に抑制する」との財政改革を公約しました。「税収50兆円のうち30兆円もの巨額を借金やその利子に振り向けていては、高齢化社会の社会保障や公共事業、環境対策などの行政経費に回すことが出来ない」として小泉改革を断行するものです。財政改革では、公共投資基本計画や道路特定財源の見直しを明記、一般会計のプライマリーバランス(国債要因を除く基礎的収支)の黒字化は「マクロ経済の動向に十分な注意を払って進める」と、景気回復への配慮も示しています。

 社会保障の一元管理

 このため、[骨太の方針]のプログラムには、不良債権を処理して金融システムの健全化を図るほか、@の民営化・規制改革では、首相が20年来の持論とする郵政民営化や道路公団など特殊法人の民営化、Aのチャレンジャー支援では税制によるベンチャー企業の育成や雇用面のセーフティネット形成、Bの社会保障分野では、医療と年金、福祉の各制度間のムダを省くため、「社会保障個人勘定」(仮称)を創設して一元管理することを提案しています。これには、私が衆院厚生労働委員会で質疑(前回のHPで詳報)したように、「医療、介護、雇用、年金分野を総合的、包括的に改革し統合のメリットを発揮すべきだ」という私の主張が生かされています。

 総論賛成、各論反対

 しかし、「総論賛成、各論反対」は世の習い。各省庁が[骨太方針]のヒアリングで「現状維持」を唱えたように、官僚機構は抵抗の姿勢を示しています。例えば、「社会保障個人勘定」1つとっても、国民1人ひとりに背番号をつける「社会保険番号」の導入でプライバシーが侵されるとの国民の不安があるし、年金、医療、介護、雇用などの保険料を一括して集めるメリットの半面、社会保険庁などがリストラの対象になりそうだとの反発があります。

 道路財源の見直し

 最も反対勢力が多いのは、Eの地方自立・活性化とFの財政の硬直性是正です。骨太の基本方針では、「均衡ある発展」を目指してきた地方に「地域間の競争」を持ち込み、複雑な地方交付税制度を簡素にする一方、地方税を手厚くして地方の自立を支援、市町村の合併も年限を区切って推進することを打ち出しています。特に公共事業では、税収の1割強を占める揮発油税や自動車重量税など道路特定財源と長期計画の見直しを提言したことです。

 地方切り捨てに反発

 野党側は、田中角栄元首相が自民党の道路調査会長当時の約40年前に制度化した道路特定財源を、“政・官・業癒着”の温床と非難してきました。自民党内では同財源の使途を都市整備や環境などに拡大、自動車重量税の一般財源化も目指すとの基本方針に対し、建設族を中心に猛反発が予想されます。また、地方自治体は、基本方針で「自立し得る自治体」に向けて、小規模な自治体に地方交付税の割増制度の見直しを盛り込んだことについて「市町村合併を進めるためのムチ」であるとして「、地方切り捨て」の姿勢に抗議しています。

 改革断行で意気軒昂

 こうした問題ついては次回以降のHPに所信を述べるつもりです。党内情勢を見ると、参院選が終わるまでは小康状態を保つとしても選挙後は党内の不平不満が噴出して、小泉政権が予算編成期に各論をまとめ上げるには、ひとヤマもふたヤマもありそうです。小泉首相は「構造改革に反対する勢力は全て抵抗勢力だ」「改革に痛みを感じることが国民に分かれば、内閣支持率は50%台に下がるだろう。それでも改革は断行する」と意気軒昂です。

 抜くか伝家の宝刀

 首相は都議選に勝利しても、衆参同時選挙はやらないと公言していますが、党内の反対勢力が改革の足を引っ張る場合は予算編成前にも“伝家の宝刀”を抜く可能性が十分にあります。このように年内にも予想される衆院解散・総選挙をも頭の隅に置いて、私は常在戦場の心づもりで改革の具体策作りと参院選の必勝を目指し、この夏を力いっぱい頑張ろうと活動しております。皆さんの変わらぬご支援をお願いします。