第171回(平成二十年元旦)大乱予想の子年解散  道路財源、年金で攻防
 明けましておめでとうございます。月探査機「かぐや」から見た地球は、ガガーリン少佐が「地球は青かった」と感嘆した通り美しく、汚れなく瑞々しい蒼さを湛え、宇宙に輝いています。まずは皆様とご一緒に希望の新年を祈りたいと思います。しかし、66億人がひしめく地球は温暖化現象に傷つき、石油・森林など資源が枯渇、核・テロの危機にあえいでいます。肉親をナタで惨殺する尊属殺人、暴力団の抗争、我が選挙区・佐世保でも散弾銃乱射の8人殺傷事件など国内では凶悪犯罪が続発、「白い恋人」「赤福餅」「但馬牛」と、老舗料亭・船場吉兆にまで広がった食品の期限・原料偽装や各種建材偽装、官僚の過剰接待など忌まわしき事件が昨年は相次ぎました。福田政権は「国民の安全・安心重視」を政策の柱に掲げています。海上自衛隊のイージス艦「こんごう」が昨年末、米ハワイ沖で弾道ミサイル防衛(BMD)の実験に成功。同艦が佐世保基地に1月、実戦配備されることになったのは朗報です。国民が等しく、平和で明るく豊かに暮らせるよう、我々政治家は努力しなければならないと肝に銘じています。解散・総選挙など政局も大乱が予想される年ですが、皆様の倍旧のご支援、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。

油出すより膿出せと野党
 子年は2.26事件(1936年)、昭電事件(48年)、安保改定(60年)、日中国交回復(72年)と歴史に残る事案が多発しました。今年は原油高騰が国民生活を直撃、円高傾向で輸出も鈍って、いざなぎ景気を上回った昨年までの好景気は後退しそうです。1バレル100ドル台に迫った原油の高騰は、タクシー代をはじめ生活必需品の輸送経費、灯油代にも響き、寒天下の家計を圧迫しています。農林漁業、離島経済も直撃しました。地球温暖化対策で開発が進むバイオエタノールの原料のトウモロコシや大豆も高騰。豆腐、納豆、ビールが値を上げ、家畜の餌代にも影響し、食肉や酪農製品も値上がり気味です。リストラで増大する非正規社員が格差賃金に苦しんでいます。住まいを捨ててルンペン(浮浪者)化するのか、東京ではネットカフェ難民が二千人も暮らすと言います。庶民の苦しみをよそに、防衛省に4年も君臨した守屋武昌・前事務次官が、軍需専門商社「山田洋行」から8年間に300回・1500万円ものゴルフ接待や現金を受け、次期輸送機CXのエンジン調達や米海兵隊のグアム移転事業などで便宜を図った収賄容疑で逮捕されたことから、野党は「(給油の)油出すより(防衛庁の)膿を出せ」と越年国会で攻め立てました。

総選挙でマグマ噴出の恐れ
 一方、欧米の機関投資家が争って参入していた米低所得者向けのサブプライム住宅ローンは、焦げ付いて国際金融が混乱。昨年11月には東京株式市場で1時、2200円以上も平均株価が急落、円高ドル安で輸出産業は減収が広がる見通しです。かつての住専の破綻と同じで、新たな収益源に期待をかけた野村ホールディングスをはじめ、三菱UFJFG、みずほFGなども続々損失を計上しました。世界の焦げ付き債権は5分の4も残っているといわれます。郵政民営化は2年目に入り、ゆうちょ銀は近くスルガ銀の住宅ローン商品を代理販売する計画ですが、サブプライムの二の舞いにしない注意が必要です。首相は「国民生活への影響を回避すべきだしサミットの途中で解散するわけにはいかない」と記者会見で述べ、予算案成立前の解散を否定、洞爺湖サミット後に照準を合わせていることを示唆していますが、庶民生活、経済を取り巻く環境は例年になく厳しく、暮らしに直結する税制、年金を最大争点に解散・総選挙が年内に行われることは必至です。結果次第では昨年同様、政治基盤を揺るがす「大連立」「政界再編」のマグマが再噴出しかねません。

年金で首相、舛添氏に問責
 「ガソリンをただで他国の軍艦に給油するなら、国民に回せ」「年金泥棒!年金詐欺!公約違反」――と、民主党の鳩山由紀夫幹事長ら野党が攻めたように、国会の最大焦点は、3月末に期限が切れる道路特定財源の暫定税率と、「宙に浮いた年金記録」の照合問題。昨夏の参院選で当時の安倍晋三首相が「08年3月までに5千万件の最後の1人まで、記録をチェックし、年金を正しくきっちりと支払う」と公約し、就任直後の舛添要一厚生労働相も「最後の1人、最後の1円まで確実にやるぞ、ということで取り組みたい」と言明してきました。だが、調査の結果、5千万の4割近い1975万件が本人の特定困難、うち945万件が照合不能であると見られており、野党は「公約違反だ」とし、舛添氏の辞任を要求しています。これに対し、首相は「公約違反と言うほど大げさなものなのかどうか」とはぐらかし戦法に出ましたが後日、「党のビラで誤解を招くような表現があったのは事実。お詫び申し上げなければならない」と陳謝しました。記録照合も3月末が公約の期限で、照合に進展がないなら、直ちに首相と舛添厚労相の問責決議案が提出されそうです。

1月下旬が最大のヤマ場
 予算案は2月末か3月早々に衆院を通過させて30日経てば自然成立しますが、参院で審議引き延ばしに遭った重要法案を衆院で再議決するには憲法で定めた「否決と見なされる」60日ルールの適用が必要です。重要法案を会期の150日間に成立させるには90日以内の3月中・下旬までに強行採決し衆院を通過させなければなりません。予算案の中で野党が最も抵抗するのは道路特定財源の取り扱いです。60日ルールを念頭に、3月末期限切れの暫定税率を維持するには、1月下旬に関連税制法案を衆院通過させておく必要がありますが、日程は窮屈で至難の技。強引に衆院を通過させれば肝心の予算案審議どころか国会は全面ストップします。内閣支持率の急落に悩む首相は、薬害C型肝炎訴訟の原告側に対し、議員立法による「全員一律救済」を決断、83.1兆円の予算編成を終えました。27日から4日間は訪中し胡錦濤国家主席らと会談するなど日中親善の成果を上げ、通常国会へと切れ目なく続く通年国会へ向けて闘志を燃やしています。我々も一丸となって国会を乗り切り、与党の危機を克服したいと決意を固めています。ご声援下さい。