北村からのメッセージ

 

 第14回 年度内成立に貢献(3月16日)強力首相の選出を

 すっかり春めいてきました。皆さんお変わりないですか。ついに森喜朗首相が、事実上の退陣を表明、13日の自民党大会では九月総裁選の繰り上げが決まりました。政局は新たな局面を迎えましたが、お陰様で2001年度予算案は、本格的な政策論争もなく無修正で2日夜に衆院を通過、30日以内に年度内成立が確定。内閣不信任案も無事否決できました。

 戦後2番目の速さ

 混迷政局の中、質疑開始後23日間で衆院を通過したことは戦後2番目の速さ。首相交代で混乱した1994年を除くと過去10年で最短の記録です。KSD事件、機密費横領問題など大揺れの国会で、どうすれば予算の早期成立を図り、内閣不信任案を乗り切るか。自民党国会対策委員の1員として日夜腐心しましたが、両懸案ともに上首尾の結果に終わり、満足しています。これはひとえに皆さんのご声援によるものと感謝しております。

 最大の景気重視型

 さて、予算案の一般会計は厳しい財政事情を反映し、前年度当初予算比2・7%減の82兆6524億円で6年ぶりの減額。それでも国民生活を重視し、夏の参院選勝利に向けて景気を着実な回復軌道に乗せるため、公共事業や社会保障などに充てる政策的経費の一般歳出は、過去最大の48兆6589億円で、3年連続の「景気重視」型となっています。

 このうち公共事業関係費は、積極型の今年度と同規模の9兆4352億円(災害復旧727億円を含む)を確保、さらに予備費3000億円も計上しています。“ばら蒔き型”との批判に対し、継続中の事業は大幅に見直し、過去最大の272件が中止されました。

 次は長崎新幹線

 その代わり予算の重点配分で骨格となる大規模な港湾・空港・道路整備事業は存続し、整備新幹線は九州、北陸の2線でフル規格の新規着工が認められ、予算も倍増の750億円がつきました。この国費に加え、地方自治体の負担などを含めた事業費は35・3%増の2293億円です。九州新幹線では博多―新八代―西鹿児島間が約1200億円の事業費で整備されます。長崎新幹線も次年度以降、新たなステージに上ることは確実でしょう。
  
 ITも公共事業費

 新年度予算の特徴は、IT(情報技術)関連事業を初めて公共事業関係費に計上したことです。森首相主導で決定した日本新生特別枠はIT革命推進、都市基盤整備、環境対策、高齢化対応の重点4分野に7000億円を配分。これを含めた重点4分野の総額は3兆6000億円と、今年度より8%増額されています。中でもIT関連予算は、携帯電話用の鉄塔建設費を公共事業費に組み入れており、新生枠の2504億円と非公共事業の3600億円を合わせると6000億円超で、エネルギー対策費とほぼ同水準に達しています。

 住宅対策を促進

 教育や社会保障関係費も充実していますが、住宅対策は住宅金融公庫の特別割増し融資制度を5年間延長し、住宅ローン減税制度の減額も2年半延長しました。贈与税の基礎控除額は60万円から110万円へ、住宅取得資金贈与の非課税限度額は300万円から550万円へそれぞれ引き上げるなど、持ち家促進の減税措置がとられました。高齢者用住宅のバリア・フリー化も促進されます。

 景気は回復軌道へ

 このように新年度予算は、厳しい財政事情の中で景気に軸足を置きながらも、IT分野など構造改革の芽も膨らませ、「命と暮らし」にきめ細かな配慮を加えた優れた予算です。野党がいうような「一兎を追うだけの景気刺激策」ではありません。早期成立の予算を一刻も速く執行することで、景気は回復軌道に乗るものと確信しております。

しかし、税収予想は50兆7270億円で一般歳出を僅かに上回る程度。地方交付税約17兆円や国債費約18兆円は賄えません。そこで国債の新規発行額は28兆3180億円となりました。このうち赤字国債は19兆5580億円で前年度より約4兆円を圧縮していますが、01年度末の赤字国債発行残高は177兆円。建設国債を含む国債残高は389兆円に膨れ上がりました。

 債務は666億円

 読売新聞は、この国債残高を「税収の7・7年分で国内総生産(GDP)の75%にも達し、もはや財政赤字は制御不可能な臨海点に近づきつつある」と報じています。さらに地方の赤字を加えれば、国と地方の長期債務残高は666兆円に達する見通しです。

 毎日タバコ1箱分

 この額は、国民1人あたり500万円、5人家族で2500万円以上の借金を抱えたことになり、この負債が次世代の若者の肩に重くのし掛かってきます。来年度予算では、国債の利払い費に約10兆4000億円を計上していますが、毎日の利子に285億円が吸い上げられる形です。本来なら国民の暮らしに直結した政策に充てるべき血税が、国民1人あたりたばこ1箱分を、毎日の利払いにとられていく計算になります。

 不良債権が重荷

 財政赤字を膨らませていることに欧米は批判的で、米国の有力な格付け会社は、不良債権の処理も捗らず、産業の構造改革もできない日本に対し、「日本の長期国債を最上ランクから格下げする」と発表しました。G7の先進国で最高格付けを外されたのは日本とイタリアだけです。

 欧米の格付け会社が、日本政府に国債を返済できるかどうか疑問を抱き始めた証拠です。
国債残高が急増すれば国債価格が暴落し、経済と国民生活が大混乱に陥ることは火を見るより明らかです。予算では経済活性化の分野に重点配分しましたが、景気の自立的回復が軌道に乗った暁には、直ちに財政再建に着手しなければなりません。

 構造改革を推進

 財政再建には、官公庁のスリム化など“小さな政府”作りと、公共事業の適正化などによる歳出カット、規制緩和と経済、産業の構造改革を推進することが肝要です。とくに、高齢化が急速に進む日本は、社会保障費の増加が避けられません。

 一部野党がいうように、国庫負担を消費税の増税で賄うならば、消費税率を倍の10%か15%に引き上げないと財源は確保できないでしょう。増税か、それとも財界が期待する調整インフレで長期債務をチャラにするか。増税は国民の痛みを伴い、インフレはこれまた年金生活者の老後を不安にさせます。といっても、選択肢はそう多くはありません。

 斬新な政策と指導力

 自民党は、党大会の決定に従い、“表紙”を代えて参院選を戦い、勝利しようとポスト森の選出に入っています。総裁候補には前回にも触れたように、野中広務前幹事長、橋本龍太郎行革担当相、堀内派会長の堀内光雄元通産相、森派会長の小泉純一郎元郵政相らの名が挙がっています。国民が今求めているのは、国民の窮状を洞察し、構造改革、行政改革など新世紀にふさわしい斬新な政策を掲げ、これを完全に遂行する強力な指導力を備えたリーダーです。私は皆さんの意を体し、最良の候補を首相に選出したいと考えています。