北村からのメッセージ

  第120回(11月16日) 副幹事長に就任 立党50年改革


 自民党は11月8日、党3役人事・内閣改造に次ぐ幹部人事を決定、私は副幹事長と党水産部会長代理を拝命しました。皆さまのご支援の賜物と感謝し、毎週定例の役員連絡会、副幹事長会議や農水政策の会合に出席、元気いっぱい党務に専念致しております。防衛関係では、防衛庁長官政務官の公務に引き続き、党国防部会の副部会長に就任、米軍普天間飛行場の移設問題やイラク南部サマワ駐留陸上自衛隊の撤退問題などと取り組んでいます。小泉首相は内閣直轄の経済財政諮問会議を司令塔に政策金融改革、三位一体改革など小泉構造改革を主要閣僚に競わせていますが、武部勤幹事長も「族議員の牙城」とされた党調査会・特別委15機関の大幅な統廃合を行い、会長・委員長の任期を2期2年にするなど政策決定の効率化を図りました。さらに先の総選挙で組織の1部に造反が見られたことから、副幹事長ポストを衆院比例11ブロックごとに選出するよう拡大、地方組織に対する党本部の影響力を強めました。これらは自民党立党50年の節目に、党改革の姿を国民に示したものです。

 比例11ブロックに拡大

 「小泉改革の総仕上げをバックアップする党体制を作り上げたい。衆院比例ブロックを中心に、都道府県連の再構築に取り組む。道州制も視野に、広い連合体にすれば、地域との連携はうまくいく。党本部に権力を集中するのではなく、分権化に繋がる。国会議員から地方議員、党員を含め、価値観や問題意識を共有することが必要だ。政治家改革にも取り組む」――。武部氏は幹事長続投後の読売インタビューでこう述べています。党運営見直しの手始めに着手したのが副幹事長ポストの拡大です。11月8日にはこれまで通り、幹事長代理、筆頭幹事長、総括副幹事長2人、派閥推薦副幹事長など私を含む19人体制の人事が発令されましたが、翌日には衆院比例11ブロック代表の副幹事長が加わり一気に30人体制の幹事長室に膨らみました。総選挙では郵政民営化関連法案に反対し、自民党公認を得られなかった無所属候補を都道府県連が独自に支援する例が続出したことから、党執行部の指導力を強化するため、ブロックごとに副幹事長を置くことにしたものです。

 党本部と地方の一帯性強化

 武部幹事長は9日の副幹事長会議で「近代政党に相応しい体制を作るため、自浄能力を発揮してもらう必要がある」と指摘、郵政造反議員を支援した県連に対し、役員交代による体制刷新を求めるとともに、県連幹部の処分は来年1月18日の党大会までに行う方針を決めました。また、地方議員の候補者選びは、これまでの選挙対策要領で地方組織に委ねると規定されていましたが、武部幹事長が発表した構想によれば、これを改め、国政選挙と知事・政令市長選を対象とする党本部の「候補者選定基準」を都道府県議選、政令市議選の候補者公認についても拡大適用する方針に変更されました。総選挙では1部の県連が郵政民営化反対派の前職に県連公認を与えるなど、党本部と地方組織の「ねじれ」が表面化しましたが、それを解消し、政策上、組織上、党本部と地方の一体性を強化する狙いが、今回の措置には込められています。とくに総選挙では、党本部主導で選挙区とはなじみの薄い「落下傘候補者」を次々に擁立して大勝させた実績があり、武部幹事長の自信を深めさせているようです。市町村合併で地方議員が減る傾向などもあり、今後は11ブロック選出の副幹事長が、党本部と都道府県連との調整役を引き受けることになります。

 調査会など15機関統廃合

 一方、中川秀直政調会長は就任早々、@調査会長と特別委員長の任期は2期2年にするA活動の乏しい調査会や同じ政策課題を複数の調査会が所管している事例などを洗い出し、統廃合を進める――との方針を打ち出しました。これにより42の調査会と50の特別委員会のうち、6調査会と6特別委が廃止され、3特別委が他の機関に統合されました。廃止されたのは行財政、総合経済、労働、国土開発、首都機能移転、都市政策の6調査会と、定期借家権等、人身取引・児童売春等対策、繊維対策、自動車交通対策、水資源開発、東京湾開発の6特別委。統合は、原子燃料サイクル特委が電源立地等推進調査会へ、磁気浮上式鉄道特委が整備新幹線等鉄道調査会へ、地球環境特委が環境調査会へ――の3機関です。統廃合は休眠状態が続いていたり、役割が他と重複している公共事業関連の組織が半数近くを占めていますが、行財政の佐藤信二会長や東京湾開発の中村正三郎会長のように引退したり、会のトップが郵政民営化に造反・離党した組織の廃止が目立っています。

 族議員排除に大鉈振るう

 9日の政調正副会長会議は統廃合後の調査会長・特別委員長の人事を決めましたが、族議員排除へ向けて大鉈が振るわれました。任期を2期2年とした中川会長の方針に従い、外交調査会長を11年務めた中山太郎元外相の後任には町村信孝前外相、道路調査会長に4年以上止まった古賀誠元幹事長(宏池会事務総長)は石原伸晃元国交相と交代、税調会長在任2年の津島雄二元厚相の後任は柳沢伯夫元金融相に決まりました。調査会・特別委員会はこれまで、関係閣僚を経験した大物がトップになるケースが多く、官僚や業界の利益を代弁する族議員の活動拠点となっていました。とくに道路調査会は、金丸信元副総裁、村岡兼造元官房長官、綿貫民輔元衆院議長らが会長ポストに止まり、旧田中派の牙城とされてきました。古賀氏も道路族の旗頭として道路公団民営化を円満決着させた重鎮の1人。そこへいくと新道路調査会長の石原氏は、小泉内閣で行革担当相と国交相を歴任、道路公団民営化に貢献した“小泉チルドレンの元祖”的存在。首相が進めようとする道路特定財源の一般財源化を検討する党特別会計見直しプロジェクトチームの座長でもあります。

 部会長と副大臣ら政策調整

 産経新聞によると、首相は石原氏の起用に「面白い。いい人事だ」とご満悦の様子だったようですが、石原氏は予算編成で道路族議員と火花を散らす場面も予想されます。8日発表の党人事では、総務局長に遠藤武彦氏(山崎派)、人事局長に中原爽氏(津島派)、経理局長に山本有二氏(高村派)ら約20人の幹部のほか、政調の13部会長人事も決まりました。私は時折、部会長に代わって部会を取り仕切る水産部会長代理を仰せつかり、小林芳雄水産庁長官が早速、私の議員会館に水産行政の現況をレクに来ました。党執行部は、各部会幹部と副大臣・政務官が担当分野ごとに定期会合を開いて連携を強化する方針を決めています。これは反小泉勢力が一掃された機会に政策分野別に政府と党が一体となって政策調整の円滑化、スピードアップ化を図るもので、政策決定システム改革の一環です。

 危機的水産の改革に努力

 しかし、党執行部と地方組織の一体化などの党改革については、TBSテレビの時事放談で野中広務元幹事長が「武部幹事長は07年の統一地方選候補を党中央で決定すると言ったり、『全国民が首相を選んだ』と受け止められるような総裁選にしたいなどと言っているが、そんなことすれば自民党員はいなくなる」と警告を発し、渡辺恒三元衆院副議長も「大統領気取りで、小泉自民党などとマスコミに呼ばせているが、長期だった佐藤、中曽根政権も佐藤、中曽根自民党と呼ばれたことはない。劇場政治ともてはやしたマスコミも悪い」とこっぴどく批判しました。確かに党内では、急激な党改革に疑問を感じる向きも多いようです。郵政民営化法案採決に反対、棄権・欠席した中曽根弘文元文相、高村正彦元外相ら多くの造反議員が要職から外され、人事が偏ったたことも、政策決定の効率化が図れるかどうか、予断を許しません。そうした中でも私は精一杯党務・政務に励もうと思っています。水産行政では、原油価格の異常高騰で漁労活動が制約を受け、日中暫定措置水域の中国ガス田開発では、パイプラインが出来ると底引き漁業が深刻な打撃を受けます。さらに、温暖化による東シナ海の富栄養化でエチゼンクラゲが大量発生し、寒鰤、鮭、ハタハタなど東日本沿岸漁業も大被害が出て、漁業全般が危機に瀕しています。水産部会では農水、経産両省に燃油対策や流通・加工を含む漁価対策、水産物の輸出振興策などを強く迫り、漁業の衰退を挽回し、安心・安全な水産物の安定供給に努めたいと考えています。