北村の政治活動

 第87回(10月1日)中国で第2回新世紀文明会議 敦煌宣言採択

 私はアテネ五輪開催中に北西アフリカを訪問したが、帰国直後の9月7日から3日間、今度は中国甘粛省の蘭州で開かれた第2回新世紀文明会議の国際シンポジュームに参加した。同会議には、日・中・韓3カ国の元首相を含む政治家、研究者約70人が集まり、「調和型文明を目指して――東アジアにおける基盤的政策研究」と題して、東北アジアの伝統的文化と価値観を討議した。テーマは@これからの文明ビジョンA多様な文化と創造性の探求Bアジアの健康基盤(統合医療)CアジアのIT基盤創造Dこれからの経済社会基盤E安全保障基盤(信頼醸成)――の6項目。日本から森喜朗・前首相、小野晋也・文部科学副大臣ら衆院議員5人と有馬朗人・元文相、吉田和男・京都大大学院教授、山本吉宣・青山学院大教授、長谷川洋作・未来工学研究所長ら29人が参加。中国からは李家洋・中国科学院副院長、韓国からは高建・前首相らが出席した。蘭州は「楼蘭の美女」のミイラ出土で名高く、敦煌とともにシルクロードの要衝の都市。私は日程の都合で、3日目の敦煌でのシンポジュームには出席できず、有名な莫高窟や鳴沙山、月牙泉、玉門関など敦煌の史跡も視察できなかったことは、真に残念至極だった。

 多元的な価値観を共有

 森前首相は同会議で、文明観について基調講演を行ったが、シンポジュームの目的は、イラク戦争などを巡り、文明観の相違による亀裂が国際社会を引き裂いている今日、単一の価値観が世界を律することなく、多元的な価値観が共存できるよう、多様な文明が調和するグローバルシステムを構築しようとするもの。会議では@日中韓3カ国政治家の間に、共同して国際社会に貢献していく意識を生み出すことが出来たA日本が中心となり、中国、韓国の協力を得て3年間にわたり行う、文明研究の実施的スタートを良い形で切ることが出来たB全体として北東アジア一体の意識を生み、3ヶ国友好協力の基盤を築くことが出来た――などの成果をあげた。今後の展望としては、「文明研究」、「人材育成」、「国際社会への政治家共同の働きかけ」の3分野で、活動の連携を図っていくことを申し合わせた。また、韓国の高建前首相が2年後にシンポジュームを韓国で開催すると発表。最後に「敦煌宣言」を採択し、閉会した。

 「敦煌宣言」の全文は次の通り。

 新世紀を迎えて3年半余、この間の世界を回顧すれば、世界各地に新しい形の混乱が生じ、数多くのテロや紛争が起きている。また、貧富の拡大や環境破壊の広がりなどが懸念されている。前世紀以来の科学技術の目覚しい発展は、地球社会の一体感を促進し、人々の生活を飛躍的に豊かにしてきた。その一方で、この進歩が生み出すこれら諸問題を解決するため、多元的な価値観の共存や調和を可能にする思想や国際社会の構築が急務である。
 この問題意識の下に、今回、日本、中国、韓国(以下「この3カ国」と記す)の政治家と研究者が、かつてヨーロッパとアジアを結び合わせたシルクロード上の都市、蘭州・敦煌に集い、東北アジアの知恵を活かして、世界との調和の下に新世紀文明を拓く議論を行った。そして、以下について合意した。

 1..私たちは、東北アジアの伝統的文化と価値観を再評価すると共に、新しい考え方を広く求め、新世紀にふさわしい文明を共に拓くことを決意する。
 
 2. 私たちは、単一の価値観が世界を律するのではなく、多元的価値観が共存し、尊重され、かつ調和する国際社会を希望する。
 
 3. 私たちは、この実現に必要とされる科学技術、思想と国際社会の枠組みなどを多分野の研究者の知恵を集めて総合的に探求する。
 
 4. 私たちは、この探求から導き出される叡智を国際社会に展開することを願い、この3カ国の政治家と共に連携し、議論し、新しい文明の構築に立ち向かう。
 
 5. 私たちは、新しい文明建設を次世代に期待し、この3カ国が連携協力して、有為にして有徳の人材の育成と教育に取り組む。
 以上の各項目を誠実に履行することを通じ、私たちは、この3カ国の間に信頼と調和を構築すること、そして、この3カ国の協力に基づき、世界の平和と人々の幸福を実現することを誓い合った。
この文書を、世界に向けて、古の東西文明融合の地・敦煌において宣言する。

     
           2004年9月9日     第2回 新世紀文明国際シンポジューム  参加者一同