北村の政治活動

 第80回(6月16日)

 <1>衆院厚生労働委で質疑   虐待・非行防止に支援を

 「北村からのメッセージ第88回」では佐世保市の小6同級生殺害事件を取り上げたが、私が非行防止策を質した6月4日の衆院厚生労働委員会での質疑内容は次の通り。

 北村 少子化の急速な進行が、国家の担い手となる子供の減少という、我が国の将来に大変深刻な問題を及ぼすと言われて久しい。同時に、その子供たちが痛ましい虐待によって命を落としたり、非行問題が深刻化するなど、折角生まれてきた子供たちの健やかな成長までが脅かされている。このたびも小学生が同級生を殺傷するという、大変痛ましく、悲しく、そして私たちに多くの課題を投げかける事件が発生した。亡くなったお子さんに対しては、本日、この場においでの皆様方と心からのご冥福をお祈り申し上げたい。
こうした中、少子化の進行を食い止め、子供の健やかな成長をしっかり支えていくことは、国を挙げて取り組むべき重要な課題と考える。今回提案された児童手当法は、子育て支援対策として強く求められている子育ての経済的負担の軽減を図るものとして、大変意義深い。この取り組みとともに、虐待や非行の防止など、我が国の将来を担う子供たちが健やかに育ち、このような痛ましい事件が二度と起きないようにするため、家庭、地域、学校が、マスコミの協力を得ながら、一体となって子育てを支えていくような取り組みを総合的に進めることが重要だと思う。この子育ての支援、児童手当法の働きによって、家庭の中で、しっかりと子供たちの心のサインを受け止める余裕と包容力と、保護者や親の感性を磨く取り組みが、家庭で出来るようなことが最も大事ではないかと考えている。

 伍藤忠春厚生労働省雇用均等・児童家庭局長 次世代育成の観点から色々な政策を立て、遂行しているが、御指摘のように、少子化対策、こういう子供の対策、虐待その他に対応するため、経済的な支援の児童手当は、今年度予算で約3倍の予算を確保して、色々と児童養護施設の強化、児童相談所の体制強化に取り組んでいる。今国会に提案の児童福祉関連の児童手当法改正でも、御指摘の観点から、各県、市町村の体制を強化し、児童相談所と並んで市町村に色々役割を発揮して頂く改正案を提案しているところだ。児童手当のような経済的支援、各地域の子育て支援、それから両立支援対策と働き方の見直し、こうした様々な観点から今少子化対策に総合的に取り組んでいる。虐待とか痛ましい事件が起きないよう、今言った対策に重点を置いている。

 北村 今朝の閣議で、少子化対策大綱が決定され、新しい、新新エンゼルプランといわれる計画が年内、実施計画のスタートを切ると聞いている。是非、家庭の教育力を高め、地域全体が取り組んでいくことで、この痛ましい事件が2度と発生しないように、そして子供がホームページなど、極めて力を入れて文部科学省を中心にやってきたIT化の教育・授業、e−Japan計画に基づく施策がこういった隘路を作ったのではないかという懸念もあるが、これから検証し、それぞれに各分野の方々が力を合わせて対応していかなければならないので、是非関係政府機関は全力を挙げて対応頂くよう願って質問を終える。

 <2> 衆院農水委での質疑 連携進む中央・地方競馬 バイオマス、諫早干拓も質す

 売り上げの落ち込みを背景に、中央競馬と地方競馬の交流が進んでいる。5月30日の日本ダービーでは、1番人気のキングハメハメハに乗った地方競馬出身の安藤勝巳騎手が優勝。北海道競馬のコスモパルクが地方馬初のダービー制覇を夢見て出走し8着に敗れた。高知競馬場ではハルウララ人気で昨年度9千万円の黒字を出したが、佐賀競馬場を含め地方競馬の経営は苦しい。そこで、私は6月1日の衆院農林水産委員会で、競馬法改正案について質問に立った。同法案は、競馬の事務委託に係る規制緩和、重勝式勝馬投票法の追加、地方競馬主催者に対する支援措置などが盛り込まれ、成立すれば中央、地方双方の施設でお互いの馬券を買うことが可能になる。質した点は、@売り上げ低迷の原因A連携促進策で地方競馬の事業収支がどう改善されるかB事業連携に対する助成・財政支援策C競走馬の生産対策と畜産振興D家畜排泄物のバイオマス活用E諫早干拓と環境保全――など。

 国家・地方財政に貢献

 これに対し、亀井善之農林水産相は、「競馬は国家と地方の財政、畜産振興に大きく貢献している。中央競馬と地方競馬の連携を強化し、競馬主催者の経営改善、収支改善に努めたい。競走馬の共有化を促進するうえでは、生産基盤の強化、国内産馬の資質向上が必要であり、将来の軽種馬生産を担う経営の確率、経営基盤の複合化など競走馬生産の努力をしていきたい」と答えた。日本の競馬は主催団体が中央と地方に分かれており、今の中央競馬は1862年(文久2年)に横浜の居留外国人が始めた洋式競馬が発端。戦後の1948年からは政府自らが国営競馬として開催した。一方の地方競馬は、全国各地の神社で祭典に奉納された神事が源だ。両者は48年の競馬法制定で法的にも分けられたが、中央競馬は特殊法人の日本競馬界が開催し、売り上げの10%を国庫納付金として納めている。地方競馬は都道府県や市町村が開催し、売上金は地方自治体の独自財源となる。

 実力ある馬は中央転籍

 売り上げは、67年度まで地方競馬の方が多かったが、中央競馬会が場外馬券売場を増設するのに従い、中央競馬の地方での売り上げが増えた。2002年度の中央競馬売り上げは3兆1千億円だったのに対し、地方競馬は6分の1以下の4千9百億円に止まっている。バブル経済の崩壊で中央競馬も売り上げはピークだった97年度の4兆円から漸減を続けている。地方競馬では赤字となる自治体が増え、ピーク時の49年に77場あった競馬場が廃止され18場に落ち込んでいる。地方競馬の馬主は賞金の少なさを嫌って実力のある馬はハイセイコー、オグリキャップ、コスモパルクのように転籍させるようになった。
 6月1日の衆院農林水産委員会で質した競馬法改正案についての質疑内容は次の通り。

 北村 中央競馬は国家財政に、地方競馬は地方財政に寄与してきたが、わが国の競馬は馬の改良、増殖、その他畜産の振興、国民に対する健全な娯楽の提供、観戦型プロスポーツの役割を果たしてきた。私の(選挙区の)直ぐ近くにも佐賀競馬があるが、厳しい経営を強いられているのはいずれの地方競馬も一緒だ。バブル経済の崩壊以降、景気の低迷、国民レジャーの多様化などから売り上げは年々減少し、平成12年、13年度には全ての主催者が単年度赤字となっているし、14年度も単年度収支が黒字となった主催者は、埼玉の浦和、千葉県、特別区、そして佐賀県競馬組合の4主催者のみということであり、13年度以降、6つの主催者が競馬事業から撤退しており、現在の地方競馬主催者は18となっている。
 近年の競馬売上額の減少に伴う競馬主催者の厳しい事業収支の状況を踏まえ、農林水産省は、競馬のあり方に係る研究会、有識者懇談会を設置して、競馬の実施に関する事務の民間への委託や規制緩和、勝ち馬投票法の追加を行うなど、地方競馬主催者に対する必要な支援措置を講ずる今度の法律改正に臨まれたと思い、敬意を表する。そこで、競馬の状況をどのように認識し、売り上げが低迷している原因をどう考えているか、まず伺いたい。

 白須敏朗農水省生産局長 わが国の競馬は戦後しばらく、賭博としての側面から大変悪いイメージをもあったが、主催者による清潔感のある施設整備とか、公正確保の努力、スターホースの登場といったようなことで、健全な娯楽として広く国民に受け入れられてきた。女性、青年層の参加も増えて順調に売り上げを伸ばしてまいった。しかしながら、ご指摘通り、中央競馬は平成9年度、地方競馬は同3年度をピークに売り上げは減少傾向にある。
 このことは他の公営競技も同様の状況で、全体として、1人当たりの購入単価あるいは競馬場への入場人員も減少している。.その原因はやはり、バブル景気後の景気低迷が一番大きいし、さらに、生活、趣味、娯楽の多様化がまた影響していると考えている。
 お話があった通り、わが国の競馬は、国、地方の財政への寄与という大変重要な役割も果たしており、今後ともその役割が適切に発揮できるように今回の改正案により、コストの削減、売り上げの向上、そういう観点から提案している。.ご支援をお願い申し上げたい。

 北村 改正案の大きな柱である地方競馬は、地方公共団体が主催者であり、中央競馬に比べれば規模が小さいことは仕方ないと思うが、高知競馬のハルウララのように、地方競馬ならではの魅力があるということで人気を獲得している。だから、地方競馬の魅力をどう考え、それを生かすためにどのような取り組みが行われているのか。また、本法案で地方競馬の連携促進策を講じようとしているが、これによって地方競馬の事業収支がどのように改善されるか。これまで地方競馬の連携の結果、成功している例があるか示してほしい。

 白須生産局長 地方競馬はもともと沿革として、各地の祭典競馬から、地域の歴史なり文化という中で発展してきた。そうした特色が競馬ファンにとって魅力のあるものということで、例えば北海道だと“ばんえい競馬”で、地域性を反映した競馬を展開している事例もある。地方競馬の地域性については、それぞれの主催者によって独自の取り組みが行われている。例えば、東京の大井競馬場では、これは特別区がやっているが、サラリーマンを対象として、仕事が終わった夜、大都市ならではのナイター競馬で、多くの若い男女の競馬ファンを開拓した功績もある。また、北海道は軽種馬の生産地。軽種馬の牧場も多数あって、そういった民間の育成牧場、これは競走馬の調教施設として活用することで、この中から、コスモバルク号という北海道競馬の所属馬として、先日ダービーに出走したという取り組みもあるわけだ。そういった意味での特色ある競馬施行ということに今努力をしている。ご指摘の連携促進策だが、地方競馬は現在18の主催者があるが、なんと言っても、一部の主催者を除いては、それぞれの主催者が自ら自分の所だけで完結しておる。そういう競馬施行が行われている実態があって、それぞれの主催者ごとの開催日の日程調整も行われていない。開催日が重複している。いわば収益が分散化して収益性が大変低い状況になる。したがって、私どもが提案しているように、主催者が連携することにより、開催日の調整を行うし、日程の重複を避けることで、開催日当たりの売り上げの増加なり、コストの削減、収益性の改善が可能になるわけだ。
 また、一方では、勝ち馬投票のいわゆるコンピューターであるとか、馬券売り場、これを共同化していくことで、職員とか、厩舎関係者、競走馬、そういった人馬の共通化を図ることによって固定費の削減も可能になる。やはり、主催者間の連携、ブロック化というのが大変大きな地方競馬の事業収支改善を図る有効な手段であろうと考えている次第だ。
 そういう事例としては、南関4場といっているが、大井、川崎、船橋、浦和がもっとも連携が進んでいるわけで開催日の重複は完全に解消されている。1つの競馬場がやっている時は3つの競馬場は休んでおり、その休んでいる主催者は、それぞれ開催の主催者の全レースを販売するということで、14年度には全国での黒字主催者は4つの主催者であったわけだが、そのうちの3主催者がこの南関東の主催者であったということだ。
 そんなことで、今回の改正の中に、連携計画の策定ということで事業収支改善の目標を盛り込むことにしているので、こういった支援措置を活用して頂き、事業収支の改善努力を行っていくということが重要だろうと考えている。

 北村 地方競馬、佐賀競馬の方に聞くと、是非主催者側にとって、施策を講じていく時、過度な負担にならないように十分な財政支援策を考えてほしいという強い願いがあることを聞いている。だから、その点に配慮を頂きながら、具体策を今後より積極的に講じてほしいということを質問の中で述べてきた。1昨日、日本ダービーが行われた。優勝馬はキングカメハメハという、大変舌を噛むような名前の馬だったが、見事なレースぶりで優勝したと報じられた。その騎手の安東騎手は地方競馬から移られて2年目ということで、大変な活躍ぶりということであり、先ほどの北海道の道営競馬所属のコスモバルクという馬がやはり非常に強いということで話題になっていたと聞くにつけ、やはり中央、地方競馬の、まさに人馬一体といえばちょっと大げさだが、そうした取り組みが必要だ。騎手の方々が地方から中央へ、あるいは地方の馬が中央で活躍することなど、人と馬の可能性も色々な所で試すことが出来る。そしてそれぞれが希望をもって頑張る。.国民全般にファンを増やして、競馬が健全なスポーツとして普及していく良い事例ではないかと思う。だから、中央と地方の双方の魅力をお互いに生かし合うような連携を深め、高め、広めて頂きたいと思うし、そこら辺を考えて施策を講じて頂きたい。中央と地方の競馬の連携という観点に絞って尋ねると、どういうことが特筆されるか。

 白須生産局長 実はこれまでにも、中央競馬と地方競馬との間で交流競争も実施して競馬ファンに対して魅力あるレースの提供も行ってきている。一方では、地方競馬の主催者が中央競馬会の施設を利用して、あるいは中央競馬会が地方競馬の施設を利用することで、相互の施設を利用して馬券の発売も行っているわけだ。そこで、実は今回の改正においては、中央、地方の一層の連携を推進するという風な観点から、中央競馬会と地方競馬主催者との間でいわゆる馬券の発売の事務というものを相互に受委託することを可能にしている。これにより、中央競馬の発売施設と地方競馬の発売施設が相互に活用出来るわけで、それによって馬券の発売網がより拡大することで、売り上げの増加に繋がる。
 実は現在、相互に受委託が出来ないということなので、それぞれが、JRAは地方の施設を借りて発売する。.そのためには職員が直接相手方の施設に出向いて発売する必要もあるわけだが、これが受委託可能になれば、相手方の職員に業務を委ねることが出来るわけで、事務の効率化ということでコストの削減に繋がる。そんなことで、中央、地方双方の売り上げの拡大、収支改善に寄与し、ファンへの利便性も相当改善されると考えている。
 ご指摘の通り、この連携計画を共同で作成して、大臣の認定を受けた場合には、当然コスト・経費がかかるわけだ。これについては地方競馬全国協会から助成を受けることが出来るような規定も入れてある。南関4場の事例を申したが、佐賀と荒尾、それから岩手の3場は、陸奥アンド九州といって、冬には岩手で競馬が出来ないときは佐賀の馬券を売るという風なことで、非常に今連携の計画が進んでいる。そうした連携の場合に、やはりコンピューターを共同化していくか、共同馬券売り場の設置といった基盤整備、施設整備が必要になってくる。そういうものを対象として、そういう場合には地方競馬全国協会からも助成することが出来るわけで、これにより連携をより一層進めていきたいと考えている。

 北村 後段の答弁は大変ありがたい。一口に連携といっても非常にご苦労があると承知しており、佐賀は佐賀、荒尾は荒尾、岩手は岩手のそれぞれの事情がある。そこをうまくクリアしながら、それぞれの個性を伸ばし、摩擦があるところは何とか円滑にいくよう、調整などに労をいとわず頑張って頂きたい。次に競走馬の生産について尋ねたい。
 競馬の厳しい状況によって、馬産地にも影響を大きく与えていると聞いている。また、地方競馬の撤退や再編が進むことで、競走馬に対する需要も減少の傾向にあると考えられる。今後予想される競馬の状況変化に対応するために、競走馬の生産についてどのような対策を実施する考えか。特に北海道を主産地とすると聞いているが、我々九州の方にも若干そういう産地があるとも聞くし、是非この点は聞かせてほしい。

 白須生産局長 御指摘通り、競走馬の生産は大半は北海道を中心にやっているが、これに対して国の一般会計において、馬の伝染性の貧血症、衛生対策なども対策を講じている。競走馬経営、当然、農地も農機具も取得しなければならないし、そういう意味での金融対策として、公庫資金あるいは近代化資金、短期運転資金、そういう制度資金の融通も行っている。
 また、やはり全体として、生産基盤の強化、国産馬の資質向上ということが、競走馬の生産にとって大変大きな目的なのでJRA、中央競馬会の売り上げの一部を原資として市場で透明、公正な値付けをしていかなければ、競走馬生産はなかなかうまくいかない。市場における上場を促進するための奨励金とか市場への輸送費の補助も行っているし、軽種馬の生産の育成強化のための資金への利子補給、後継者育成の研修を含め、様々な軽種馬の生産対策を実施している。地方競馬は大変厳しいが、競走馬についてもやはり共有化が促進されるということだ。一方には当然事業収支の改善が図られるわけだが、競走馬の需要から見ると、それは競走馬需要のさらなる減少につながってくると考えられる。
 こういう変化に対応して、望ましい競走馬生産の生産構造を実現していくことのために、競走馬生産の振興に資するための事業として、1つには生産者を組織化、支援していこう。もう1つには経営基盤を強化していくといったことを実施したいということで、今回の改正案の中でも日本中央競馬会、それの特別振興資金の方から助成するための措置を盛り込んでいる。また一方には、競走馬と他の農業部門、複合化とか、他の作目への転換が必要になるので、そういう場合には、他の作物の振興施策あるいは技術支援、各種制度資金の活用で、競走馬生産の振興、地域の農業生産の活性化も図っていきたい。こういった生産対策の具体化では、生産地それぞれの考え方、発想が必要になってくる。そういった生産地の意見も十分に伺って、効果的で地元でも使いやすい対策になるように検討を進めてまいりたい。

 北村 農水省が競馬を所管している理由は、競馬が馬の産地の振興、馬の改良その他畜産振興に大きな役割を果たしているからだ。そして、畜産振興の中でも獣医の活動などに特に意を用いて、従来、各種の補助、支援に対して貢献している。だから、農水省が競走馬生産の抱える課題を今縷縷述べたけれども、今日は大臣にも出席頂いている。競走馬生産が抱える課題について先ほど他の作目に転換する場合は支援策を講ずると述べたが、大変心強い。日高の馬産地の若い皆さん方が、日高の土地柄あるいは地域の農業振興を将来に渡って永続的に続けていこうかという時に、大変苦境に陥っていると聞いている。競走馬生産対策について農林水産大臣がどのように考えているか、総合的に答えて頂きたい。

 亀井善之農林水産相 ご指摘の通り、競走馬の生産をめぐる経営環境は、長引く景気の低迷や複数の地方競馬主催者の撤退で厳しさを増している。そういう中で、局長も答弁したが、競走馬の共有化が促進されると、競走馬の需要のさらなる減少に繋がることも考えられる。担い手が生産の太宗を占める望ましい生産構造、これに向けて経営の基盤強化等の課題に対応しなければならないとの認識を持っている。そういう中で競走馬の生産基盤の強化あるいは国内産馬の資質の向上について十分考えていかねばならないわけであり、生産者から色々な話を承って、十分その対応、検討を重ねていかなければならないと考えている。
 軽種馬生産構造対策の中で、将来の軽種馬生産を担う経営の確立、そういう面での経営基盤の強化、複合化、あるいは転換の問題とか組織化の問題等々、それぞれ項目を抱えているわけで、それらも十分機能を発揮させて競走馬の生産のために努力をしてまいりたい。

 北村 なぜこれだけ競馬ファンが多いかというと、単にギャンブルとしてでなくて、馬が一生懸命走る。こういう姿が好きだ。馬の姿はきれいだ。競走馬そのものに対するファンが多いと思う。その意味で競馬は馬に国民が親しむ一番身近な、ほとんど唯一の機会であると考えても良い。馬が日本人の生活の中で、特に北関東、東日本では重要な役割を果たしてきたと認識している。競馬はそういった馬事文化に接する大きな機会になると考える。農水省はこれまで馬事文化の継承や馬事振興についてどのような施策を講じてきたのか。

 白須生産局長 中央競馬会法の中にも、馬術競技も含め、競争の健全な発展を図るために必要な業務を行うという規定もあって、1つには、競馬場等に設置されている乗馬施設を近隣の青少年等へ開放するということ。馬事公苑といった施設を利用して馬に親しむ日とか、あるいはホースショー開催を通じ、一般人に馬と触れ合う機会を提供する。流鏑馬の形での伝統行事も開催して馬事文化の啓蒙にも努めている。全国レベルの馬術大会、共進会、そういった競技団体、乗馬の振興団体も含めて多くの馬事振興施策も行っているが、ご指摘のようにこういった活動を通じて競馬の裾野を広げるということで、馬、馬事文化への理解、馬事振興に努めることによって、競馬の理解促進にも努めてまいりたいと考えている。

 北村 国民への娯楽の提供、その売り上げを通じた国家、地方財政への寄与、あるいは畜産振興の役割を担いながら、さらに多くの人が競馬場に足を運んで参加したくなような魅力に溢れるものにする必要がある。地方競馬は地域において、職員、従事する人たちはもとより、馬主、調教師、騎手、厩務員など競馬事業関係者の雇用の場として、大いに広い範囲で長い間地域経済に貢献し、活性化に役割を果たしてきた。このように地方競馬は他の公営競技とは異なる性格を持つ。是非その支援に当たっては、重ねて十分な配慮をして施策を講じて頂きたい。今後の競馬の発展に対して農水省としてはどう総合的に取り組むのか。

 亀井農水相 競馬ファンは大変多い。時期的にも、ついこの間のダービー、秋、年末と色々なシーズンに開催される。あの環境のもとで日頃のストレスを解消し、大変楽しみも提供してくれると思うし、ファンが馬券を買い求める投票による売り上げが国家と地方の財政、さらには畜産振興に大きく貢献している。今回の改正では、厳しい状況下で中央と地方の競馬の連携を強化し、私人への委託が可能なものは色々導入するとか、重勝式の導入等ファンのサービスを講ずることが必要であり、競馬主催者の経営の改善、つまり事業収支の改善、そしてファンサービスが行われるよう期待しているわけだ。一方、競馬の主役は競走馬なので、生産振興を通じた競馬の発展にも生産者の意向を十分伺って、中央、地方を合わせ競馬の振興に努力をしなければならないと考えている。

 北村 残りの時間に2点、尋ねたい。1点はバイオマス・ニッポンのこと。馬など家畜の排泄物を発酵させてメタンガスを発生させてバイオマス発電をする。それらが広がって食品廃棄物あるいはバイオマスによってプラスチック製品を製造する技術がそれぞれ進展していることを考えたときに、私たちの地元でも、三菱重工業、長崎総合科学大学あるいは独立行政法人農業技術研究機構等が共同で農林グリーン1号というものを作ってバイオマスからメタノールを作るなど、大変楽しみな分野があると聞く。だから、平成14年12月にバイオマス・ニッポン総合戦略が閣議決定され、農水省が中心になって取り組んでいるという、バイオマスの利活用の状況を大づかみに答えてほしい。

 坂野雅敏同省技術総括審議官 総合戦略の狙いは、バイオマスの利活用によって、大気中の二酸化炭素を増加させないことから地球温暖化の防止に貢献する。さらに循環型社会への移行を促進する。それからバイオマス関連産業を新たな戦略的な産業として育成する。重要なことは、バイオマスは農産漁村に非常に豊富にあるので、地域の産業と雇用をもたらすということで、農林漁業、農山漁村の活性化などの効果が期待されるということだ。それぞれ関係部署が連携するのは当然だが、さらに、民間の創意工夫を取り入れながら、地方自治体、NPO(非政府組織)などを含め、官民一体で取り組む姿勢でいる。国民にもバイオマスの特性やメリットが認知されつつあり、先生ご紹介のようなバイオマスから液体燃料になるメタノールを合成する技術だとか、家畜排泄物をガス化して効率的な発電を行う。さらに廃熱を利用した飼料生産、焼却灰を肥料化する技術も実証試験に取り組んでいる。

 北村 最後に環境保全型の農業。これはこれからの時代に農業という産業が生き抜いていくために非常に大事な基本的な取り組みの姿勢だと思う。土地改良とか基盤整備の仕事をしていくときに、環境保全型の農業になるように事業の制度、地域農業者が取り組むための支援を強化しなければならない。産出された堆肥などを十分に活用し、環境保全にも意を用いたい。諫早湾干拓事業についても、出来た農地の成果をそうした形で大いに利用する気持ちでいる。どのような環境保全型農業の推進に取り組む基本的姿勢を持っているか。

 太田信介同省農村振興局長 農業農村整備事業と環境保全型農業の関係では、近年、有機性の資源を活用した良好な土づくりに向けた事業メニューの充実、生態系の保全など環境との調和に配慮した整備を推進している。特に最近では、食の安全、安心への国民関心の高まりなども踏まえ、環境保全型農業の推進と一体の農地の整備などを行うことが重要と認識している。このため、営農技術の開発普及部門と連携しながら、環境負荷の低い営農と水環境あるいは生態系の保全に対応した基盤づくりを一体として整備できるような施策を新たに講じているところだ。こうした取り組みを今後とも関係部局と一層連携を図りながら進めたい。