北村の政治活動

 第74回(平成16年3月16日) 山積の重要法案で攻防 5月連休前に参院送付

 04年度予算案が3月5日の衆院本会議で可決し、国会審議の焦点は年金改革、道路公団民営化、有事法制の各関連法案など重要法案の攻防に移った。自衛隊のイラク派遣で緊迫感が漂った予算審議だったが、参院予算委の審議も順調で、年度内はもとより今月内にも成立する見通しになってきた。7月の参院選に向けて政府・与党は重要法案の早期成立を目指し、これに野党は激しく対決する構えだ。しかし民主党は、総選挙の議席増で衆院予算委の質問時間を7割も与えられながら、攻撃に迫力がなかった。佐藤観樹・元自治相の「秘書名義借り」疑惑や古賀潤一郎議員の学歴詐称疑惑の発覚で、2人を相次ぎ除名するなどイメージ的に打撃を受け、気勢が上がらなかったのだろう。自民党は国民生活を安定させる数多くの法案を成立させて、前哨戦である4月25日投票の衆院統一補欠選挙(埼玉8区、広島5区、鹿児島5区)を勝利し、余勢を駆って夏の参院選で大勝したいと全党が燃え上がっている。

 年金、道路、有事に裁判も

 政府提出の重要法案には、厚生年金保険料率を18・30%に段階的に引き上げ、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げる「年金改革関連法案」。4公団を6社に分割民営化し、新会社は新設の日本高速道保有・債務返済機構に道路使用料を払い、45年で債務を返済する「道路4公団民営化関連法案」。日本が武力攻撃を受けた場合の対応を整備する「有事法制関連7法案」。重大な刑事裁判に市民が参加する裁判員制度(裁判官3人、裁判員6人で審理)を創設し、全国に法律サービスの利用拠点を設ける「司法制度改革関連法案」。都道府県知事に合併構想の策定や市町村に合併協議会の設置を勧告できる権限を与える「市町村合併関連3法案」――があり、いずれも3月10日までに閣議決定を終えた。中旬以降順次審議入りし、5月のゴールデンウィーク前までに参院に送付する考えだ。私が理事を務める衆院農水委では、前述の家畜伝染病予防法改正案の成立を図る。

 盛り沢山な有事7法案

 また、私が所属する衆院武力攻撃対処特別委は、有事法制関連7法案を審議する。7法案の詳細は、既に過去のホームぺージで紹介したが、簡単におさらいすると@武力攻撃や大規模テロに備え、国民の生命・財産を守るための国や自治体の役割、国民協力の内容を定める「国民保護法案」A日本への武力攻撃を排除するため、日米安保条約に従って共同対処する米軍への支援体制を規定する「米軍行動円滑化法案」B日米物品役務相互提供協定(ACSA)改正に伴い、米軍への物品・役務の提供範囲を拡大する「自衛隊法改正案」C敵国へ武器・弾薬などを輸送する疑いがある船について、海上自衛隊による臨検(停戦検査)や回航措置を可能にする「外国軍用品等海上輸送規制法案」D自衛隊や米軍が港湾、飛行機、道路、海域、空域、電波の6分野で優先利用出来る仕組みを規定する「特定公共施設利用法案」E捕虜の拘束、資格認定手続き、抑留、送還などを規定する「捕虜取り扱い法案」F国際人道法が禁止する重要文化財の破壊や捕虜送還の遅延などに罰則を新設する「国際人道法の違反行為処罰法案」――の7法案で、盛り沢山な内容だ。

 “三ツ矢”以来の法制整う

 自公の与党は、民主党が「緊急事態基本法」の制定を望んでいることから、基本法について「速やかに必要な措置を取る」ことで民主党と合意、近く「緊急事態基本法検討の協議会」を設置するが、その協議会で有事関連7法案の政党間協議も行い、7法案の一括成立を図る方針だ。首尾良くいけば、昨年6月に成立した武力攻撃事態法などと合わせ、“三ツ矢研究”から始まった懸案の有事に対する法制がようやく整うことになる。議員立法では、これも先号のHPで解説した、万景峰号などの入港を制限する「特定船舶入港禁止法案」を自公両党で提出する方針だ。民主党は外為法改正案の時とは違って共同提案に乗らず、独自案を出す構え。このほか、憲法改正の手続きを定める国民投票法案は自民党が提案する予定だが、公明党内に慎重論があるため、出しても継続審議となりそうだ。市町村合併3法案や国民投票法案は、紙面の都合で次回以降に詳しく述べたいと考えている。