北村の政治活動

 第48回(平成15年1月16日) アフガンで凍死激増 子供にホカロン投与を

 北半球では暮れから冬将軍がどっかと居座っている。「大晦日の晩、少女はマッチを使い切って凍死しました」――。これは、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話「マッチ売りの少女」の物語だ。「ひどく寒い日でした。雪も降っており、すっかり暗くなり、もう夜。今年最後の夜でした。誰もなかなか買ってくれようとしない」――。何故か寒い日には、この悲しい書き出しを読んだ、幼児の頃を思い出す。酷寒のアフガニスタンでは難民の子供たちが、マッチ売りの少女のように毎日凍死しているという。この子たちに日本からホカロンでも送ってやれないものか。私は昨年末、外務省に一刻も早く人道的支援を実施するよう呼びかけた。日本は前任者の緒方貞子・国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)代表が大活躍した。その実績からみても早期支援が望まれる。

 薪を下さいと懇願

 フランスとエジプトの間では、元日から19日まで世界で最も過酷な自動車ラリー、「ダカール2003」(通称パリ・ダカ)が砂漠の中で闘われている。しかし、ガソリンをがぶ飲みし、新鋭車の性能と運転技量を競い合う先進国の贅沢なレースと違って、中東の油田地帯に生きる難民の暮らしは悲惨そのものだ。カスピ海周辺には無尽蔵の天然ガスが埋蔵されているというのに、アフガニスタンの難民はその恩恵に浴せず、干ばつで燃やす薪もなく続々凍死している。NHKは昨年末、その姿を特集したが、朝日新聞もこう報じた。「新生アフガニスタンの年の瀬は今年も厳しい。干ばつや内乱で故郷を追われた国内避難民(IDP)が冬の寒波に脅かされている。カンダバル州では最近の寒波で病気の子供らがばたばたと命を落とした。子供たちは昼間の日光熱で暖を取るため毛布に頭からくるまり、あちこちの地面に寝転がっていた。訪れたキャンプは薪も油もマッチもなく、『(火をおこす)薪を下さい』と懇願する人々であふれていた」との趣旨のルポ記事だ。

 緒方イニシャティブ

 標高千メートルを超える砂漠気候の同地では夜間の気温が零下5−15度にも落ち、栄養不足や風邪で体調を崩した子供など病人は寒波がくると体力が持たない、と朝日は伝えている。昨年の干ばつは北部では緩和したが、南部では改善されず、避難民の大半は川や井戸が枯れた農村を追われた人々だという。暖かい燐国のパキスタンは1年前までタリバーン政権を支援したいきさつから、アフガン新政権とは一線を画し新たな難民を拒否している。UNHCRや世界食糧計画(WFP)は毛布や布団、食糧などを追加支援したが、薪は援助物資には含まれないそうだ。日本は緒方前代表の提唱で「人道から復旧・復興への継ぎ目のない支援」「優先地域を対象とした総合的な開発計画」のいわゆるアフガン支援の“緒方イニシャティブ”を国連機関、非政府組織(NGO)などと実施している。優先地域はガンダバル(南部)、ジャララバード(東部)、マザリシャリブ(北部)が対象だ。

 落下傘で難民に降下を

 地域総合開発支援の第1フェーズは、仮設住居機材の供与、飲料水、食糧、保健、仮設教育施設の整備など。第2フェーズは雇用創出、医療、衛生、教育開発、労働集約事業(基礎的インフラ)、地雷関連などで、既に予算化されている。外務省によると、わが国の01年10月から昨年末までの支援総額は、UNHCR関係が約5581万ドル、 WFPが約4189万ドル、 OGHA(国連人道問題調査事務所)が約562万ドル、1CRC (赤十字国際委員会)が約1253万ドル、10M(国際移住基幹)が約276万ドルと、かなりの人道支援を行っている。だが、NGO主体で集めた日本国内の中古衣類は、昨年1月をピークに数が激減、難民収容所へ送っても輸送手段が悪くて十分に行き渡らず、子供たちは粘土の上にぼろをまとって震えているようだ。 そこで私は、揉めば簡単に温まるホカロンを緊急に送り、パラシュートで収容所に降下させれば、幼い命が救えると思い、外務省に提案した次第だ。資金がなければ愛の募金運動を展開してもよいだろう。同省は正月をはさんで検討を加え、前向きに取り組んでいるようだ。実行を期待したい。