北村の政治活動

 (平成14年9月1日) 首相に3大試練の秋 郵政、道路で激突か

 小泉政権は、党・内閣人事、臨時国会、衆参補欠選挙の3大山場に立ち向かい、試練の秋を迎えている。まず、9月末に任期が切れる自民党役員人事に絡めて内閣改造を行う。小泉首相は「(政権の)盾となって努力している」と山崎氏をかばって留任を示唆し、内閣改造も出来れば小幅に止めたい考えのようだ。しかし、マスコミが、「通常国会で指導力不足が批判された山崎拓幹事長の処遇と改造の幅が人事の焦点」と指摘するように、党内には幹事長の更迭を含め全面改造の要望が強く、党・内閣人事の枝振り選定は容易でない。内閣改造に加え民主党の代表選が9月23日に控えており、臨時国会の開会は10月初旬にずれ込む見通しだが、10月27日に6地区で衆参補欠選挙が実施されることから11月初旬開会の可能性があり、10月開会でも補選を挟み会期はかなり大幅になりそうだ。

 苦戦予想の衆参補選

 衆参補選は、衆議院の加藤紘一(山形4区=自民)、田中真紀子(新潟5区=自民)、辻元清美(大阪10区=社民)、前参院議長の井上 裕(千葉区=自民)ら秘書問題で議員を辞職した4氏の選挙区と、死亡した参院の坂野重信(鳥取区=自民)、横浜市長に転出した衆院の中田 宏(神奈川8区=無所属の会)2氏の選挙区で計6つ。だが、米大統領選の中間選挙に匹敵する重要な選挙と位置づけながら、自民党の公認候補が決定したのは参院千葉選挙区だけ。山崎幹事長は山形、千葉、新潟、鳥取の4選挙区がもともと自民党の議席だったとして、4議席確保の姿勢を示しているが、党内には苦戦するとの予想があり、惨敗すれば再び幹事長の責任論が浮上しかねない。山崎氏にしてもこの秋は正念場だ。

 党内調整の課題山積

 それにもまして重大なのは、臨時国会に向けての提出法案整備など党内調整と、国会開会後の与野党攻防だ。与党3党は通常国会で積み残した有事法制関連法案と個人情報保護法案を修正して成立を期すほか、ペイオフ関連法案なども緊急上程して成立を図る方針。だが、対決姿勢を強めた民主党など野党は倒閣に向け共闘しようとしている。自民党内には第2次デフレ対策として、02年度の補正予算を編成すべきだとの声が強い。党の人事、臨時国会の対応と絡み合う形で進行するのが、ペイオフの処理、郵政民営化、道路公団民営化、税制改革を巡る党内調整だ。これは国会を挟み年末の予算編成まで延々と続く。

 保有機構と新組織

 最大の難関は道路問題。道路関係4公団民営化推進委員会(委員長・今井敬新日鉄会長)は8月30日、「国民負担の最小化」を基本に

@ 4公団を債務(合計約40兆円)返済に当たる独立行政法人の「保有・債務返済機構」と、機構に道路のリース料を支払い、高速道の管理・運営を行う特殊会社の「新組織」に分離
A 新組織の路線建設には制限を設けたうえ、国や地方にも負担を求める「整備新幹線方式」を導入
B 全国料金のプール制は廃止し、委員会の結論が出るまで通行料金の値上げを自粛
C 民間経営者を登用し、04年度の新規職員の採用を原則停止
D ファミリー企業の実態解明
E 役員退職金の廃止・見直しによる人件費の抑制と、コスト削減計画の策定――などを内容とする中間報告をまとめ、小泉首相に提出した。今後は破綻状態にある本四連絡橋公団の債務処理や民営化後の新組織の地域分割などについて年末に最終報告書をまとめる。これで4公団は、債務完済前の一定時期に民営化の新組織が債務と資産を同機構から買い取り、上下一体の経営を目指す。

 「凍結」で巻き返す

 高速道路は、国土交通省から施行命令を受けた路線9064キロのうち、約7千キロは開通済みで、残る約2千キロでは用地買収や工事が進んでいる。推進委の集中審議では、「建設中の高速道は採算性に基づいて凍結すべきだ」との意見が強まっていたが、自民党との無用な摩擦は避けたいとする慎重論もあって、一時は「直ちに全面執行の再検討」という玉虫色の表現に落ち着いていた。しかし、「全面執行の凍結宣言」を出すよう主張していた作家の猪瀬直樹委員らは、国民世論が納得しないと巻き返し、「凍結・規格の見直しなどを含む再検討」との表現に変え、「凍結」の文言を復活させた。代わって、推進委で合意していた「通行料金の恒久有料化」は取り下げた。「規格の見直し」は、原則4車線の高速道を2車線にするなど、党の“道路族”の理解も得やすい点を考慮したものだ。

 整備・管理は国の責任

これに対し、同党の高速道路の在り方検討委員会(委員長・栗原博久交通部会長)は、
@ 高速道路ネットワークは必要不可欠で、採算性や組織論ではなく国土政策上の観点から議論するのが基本
A 全国プール制を最大限活用して、建設投資を確保する
B 無料開放が原則で、利潤追求を目的とする永久有料制は不適切
C 新組織は債務償還を50年以内で行うなど基本的条件をクリア
D 高速道路の計画、整備、管理は国の責任とする――の5原則を中間報告に先立って発表した。今井委員会がいかなる提言をしてもそれは識者の意見であって、道路の計画、整備、管理の責任は政権・与党にある、との立場を強く宣言している。

 郵政は3案併記

 一方、郵政改革の焦点だった郵政公社の初代総裁は、首相が民間人に固執した通り、小泉改革を支援する経済同友会副代表幹事の生田正治・商船三井会長を起用、来年4月の公社発足に向け移行準備が本格化した。しかし、首相自らが委員に名を連ねて意欲を示す郵政3事業の在り方懇談会(田中直毅座長)は、慎重意見が出てまとまらないまま、@株式を国が50−100%保有する特殊会社化A国の保有株式は売却し3事業一体の完全民営化B郵貯・簡保廃止による完全民営化――の3案を併記した最終報告書を9月上旬に首相に提出する。田中座長は当初、「公社発足後、最初の中期経営計画が終了する06年度(初代総裁の任期)までの成果は最低限見極めることが必要」との論点メモを示していたが、「今後の民営化論議を縛るものだ」との反対意見があり、これも削除された。民営化の形態では、郵貯・簡保事業の維持と廃止・縮小の両論があるうえ、ブロックごとの地域会社に分割するかなどの点も絞り込めていない。

 解散覚悟で再び激突か

 このため、今井委員会と同様の経営形態などを検討する第三者機関の設置法案を、臨時国会に提出する案が浮上している。だが、国会で“郵政族議員”との激突を避けたい首相は、郵政公社を「民営化の準備機関」と位置づけており、今後の議論は近く任命する公社の「設立委員会」に引き継ぐ考えだ。こうしてみると、前国会同様、郵政、道路関係議員など“抵抗勢力”がスクラムを組んで首相と激突する場面も生じてこよう。こうした緊迫した政局の中では、首相が通常国会で郵政族と対立した際に、衆院解散をチラつかせて脅したように、行き詰まれば本気で“破れかぶれ解散”を決意することも予想される。

 私は8月中の国政報告会で選挙区の皆さんと親しく懇談する機会を得て心身ともにリフレッシュ出来ましたが、さらに9月初旬は駆け足で訪米し、国際情勢の息吹を注入してくるつもりです。帰国後は常在戦場の心構えで、国政の諸課題に没頭し、フル回転したいと考えています。どうぞ変わらぬご支援をお願致します。