第358回(3月16日)GNPからGNCへ (2) イコモスとアドバイザー契約
 「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」 の 2018年登録実現に全力を挙げる長崎県は、2月 24日 ~ 3月末まで国際記念物遺跡会議 (イコモス) とアドバイザー契約を締結した。契約料は約 30万円で旅費や通訳費などは別途措置するが、県は複数人のアドバイザーを選定するようイコモスに依頼した。政府は長崎教会群の世界文化遺産への推薦を取り下げたが、教会群が 18年の国内推薦候補になるには、3月末までに推薦書原案を文化庁に提出し、7月ごろの文化審議会で再推薦の承認を受ける必要があるからだ。イコモスは文化財保護の非政府組織 (NGO = 本部パリ)。ユネスコの諮問を受けて世界文化遺産に相応しいかを審査するが、教会群については 1月に中間報告を示し、価値証明が不十分として推薦書の内容を改めるよう提案していた。総務省が 2月 26日公表した国勢調査の速報値では、2015年 10月 1日時点の外国人を含む日本の総人口は 1億 2711万 47人。10年の前回調査から約 94万 7千人減り、減少率は 0.7%。長崎県内総人口は 137万 7780人で、戦後初めて 140万人を割った。逆に首都圏 (埼玉、千葉、東京、神奈川) は約 3613万人で約 51万人増加。東京一極集中が続いている。これが衆院選挙制度改革を巡る定数見直しに波紋を描いた。

FFGと合併 国内最大の地銀Gへ
 人口減少を背景に地域経済が先細りするなかで、十八銀行 (長崎市 ・ 森拓二郎頭取) とふくおかファイナンシャルグループ (FFG = 福岡市 ・ 柴戸隆成社長) は 2月 26日、17年 4月の経営統合に向けて協議することで基本合意した。長崎新聞によると、十八銀は FFG の完全子会社となり、18年 4月をメドに親和銀行 (佐世保市 ・ 吉澤俊介頭取) と合併、連結総資産は単純合計で約 18兆 7千億円という国内最大の地銀グループとなる。合併後は、立地が重複する店舗の統廃合などで人員や資金を捻出、ITの新商品開発など成長分野に資源を積極的に振り向け、救済型の統合ではなく、戦略型で成長地域の経済活性化と取り組む。同紙の論説では 「九州を 一つの広域経済圏と捉え。各地の産業集積、アジアに近い優位性。観光資源といった有力な可能性をより大きく伸ばし、地域の経済活性化に貢献していく意図だ」 と解説。「衝撃の行方」 と題する 3回企画では、国が長崎市を 「観光モデル都市」 の一つに選定して間もない 2月 1日、長崎地域の経済浮揚策を考える 「長崎サミット」 の会合があったことを紹介した上で、会合では ①世界新三大夜景の認定 ② 「明治日本の産業革命遺産」 の世界文化遺産登録 ③相次ぐクルーズ船の寄港 ―― などを巡り 「フォローの風が吹いている。県全体が潤うようにしなければいけない」 という活発な意見を交わしたという。

サービス、農業、観光で 「官民対話」
 このような地方自治体、地元財界などでの地方活性化を重視し、政府は 4日、産業界の代表と 「官民対話」 を開き、サービス産業と農業、観光分野での成長戦略を打ち出した。サービス業の国内総生産 (GDP) は約 360兆円と全体の約 75%を占めるが、製造業より生産性が低く、賃金も安い。訪日外国人が日本での“爆買い”で落とすおカネは急増しているものの、日本人が国内旅行で使うおカネは横ばいだ。農業の近代化も遅れている。このため、官民対話では ① 「おもてなし企画」 を策定、国際標準化を目指す ②今国会に 「中小企業等経営強化法案」 を提出 ③中小企業の成長性を評価する指標を公表 ④産業界と農業の連携強化 ⑤無人トラクターの利用実現 ⑥農業資材の低価格化に向けた政策提言 ⑦国立公園で携帯基地局や会議場などを整備 ⑧主要大学に 「観光経営大学院」 を設置 ⑨ 2020年までに全国 100カ所で観光投資プロジェクトを実施 ―― など地方創生の成長戦略を打ち出した。特に、経団連の榊原定征会長と全国農協中央会 (JA全中) の奥野長衛会長は、農業分野で産業界とJAグループの連携を深め、秋までに新たな輸出目標を策定することで一致した。

県産品PRアンテナショップ開店
 確かに和食人気の恩恵でコメは 56.4%増になり、日本酒、味噌、醤油など 「和の食材」 の輸出も好調。海外の日本食レストランは 15年に 8万 9千店と、13年比で 1..6倍に急増した。森山裕農水相も 「日本の農林水産物 ・ 食品は安全なものという世界的な評価を頂けるようになった」 と喜んでいる。しかし主要国に比べると輸出額は依然少ない。国連食糧農業機関 (FAO) によると、13年の水産 ・ 林産を除く農産物輸出額は世界で 60位に留まり、輸入額は 5位で依然、農産物の 「輸入大国」 だ。農地集約化などで生産から流通までの 6次産業化の 「攻めの農業」 を早急に確立しなければならない。わが選挙区の平戸市は東京 ・ 上野に居酒屋 「平戸漁港六次朗」 を、五島列島の小値賀町は東京 ・ 日本橋に居酒屋 「小値賀町」 の出店 をバックアップしているが、長崎県は 3月 7日に県産品や観光資源を積極的にPRするアンテナショップの 「日本橋長崎館」 をオープン、:初日から賑わった。 (以下次号)