北村の政治活動

 (平成14年5月16日) 野菜出荷安定法で質疑 交付金前倒しを確約


 衆院農林水産委員会は4月24日、野菜生産出荷安定法改正案について、奥野岩雄・農協組代表理事組合長ら4氏を参考人として招き、意見を聞いた。この後私が質問に立ち、野菜価格の安定化、生産費のコスト削減などについて質疑を展開、野菜供給安定基金の交付で「作期の前倒し」を確約させる答弁を引き出した。同法案は、国民の豊かな食生活に欠かせない野菜の供給を安定させるため、生産・流通の両面から構造改革を推進するもので、@契約野菜安定供給制度の創設A指定野菜等の価格が低落した場合の生産者補給金制度の拡充B全国的な需給見通しの提示――の3本柱で価格安定制度の見直しを図っている。

 契約野菜安定制度確立

 最近は輸入野菜が増加し、自給率が低下する一方、高齢化などで生産者が減少、国内の野菜供給力が低下しつつある。そこで、国際競争力を高め、消費者に好まれる品質、価格の野菜が供給できるよう、産地の育成と構造改革が強く望まれている。新制度の創設では、加工・外食業者、量販店などの求める定時、定量、定質、定価といった諸条件に適した野菜の契約取引を推進、取引に伴う生産者のリスクを軽減する措置を講じようとしている。具体的には、悪天候で収量不足に見舞われ、契約数量が充足できない場合は、他から購入して数量を確保するための資金の1部を補てんしたり、価格変動タイプの契約を結んでいる場合に、価格の著しい低落に対しても補てんする。また、生産過剰による価格低落時の出荷調整(産地廃棄等)に交付金を交付する。

 補給金制度を拡充

 生産者補給金制度の拡充では、指定消費地を廃止し、同地域外に出荷される野菜も生産者補給金の対象としたほか、10ヘクタール以上の露地野菜生産者は出荷団体を介さなくても、直接、補給金制度に加入できるようにした。さらに農水相は、指定野菜について全国の「需給・供給見通し」を策定、この見通しに沿って需給の安定を図ることにしている。私が行った農水委員会での質疑応答の要旨は次の通り。


 北村誠吾  奥野組合長から北海道の農業について聞いたが、わが地元の長崎と北海道はジャガイモの種芋で交流がある。お世話になっているので今後ともよろしくお願いしたい。長崎は今、春野菜大暴落の被害を被っている。野菜安値の原因は先ほど参考人の先生方が指摘したように4つほどある。昨年の秋冬そして春物の白菜、大根など重量野菜は全国的に豊作だった。そして輸入野菜の開発輸入が多い。白菜などは塩蔵物が大変増え、しかも、カットした葉菜類をフィルム包装で前処理をして輸入している。さらに量販店では価格競争に伴う売値の徹底ということで、価格形成が生産者にとって甚だ厳しい価格になっている。ただ今のデフレスパイラル状況下では価格の低迷、消費の縮小もあって非常に厳しい。やはり、第1番目に、今回の改正法案に対する期待は極めて大きいといえる。契約野菜も安定供給事業によって生産者の手取り価格の安定化に努めてほしいし、野菜産地の構造改革を進めていかなければならないと思う。低コスト、高付加価値化の生産、ブランドを確立していくことなど、長崎県としても取り組まねばならないと存じていたが、参考人の話を聴き、一層その感を強めた。まず、奥野参考人には、北海道開拓以来の厳しい気象条件、地勢、地形を克服して、百年がかりで優良農地を作られたと聴いたが、今次、輸入野菜の増加でどのような影響を受けているか。今度の改正で指定消費地域が廃止されるとして、出荷戦略が変わるのか。この2点について聞きたい。


 奥野岩雄・農協組代表理事組合長  輸入野菜は過去10年間に全体で2倍増ということだが、このうち生鮮野菜は3倍入ってきている。平成9年度比で玉葱は149%、人参は354%だ。特に今話題の中国からの輸入は玉葱が同年度比で13倍、人参は170倍ということが国の統計数字から出ている。これは、もはや産地だとか、生産者の努力でカバーできる状況ではない。放置すれば間違いなく産地は崩壊の危機に立たされる。農産物は工業製品とは違った特別な部品もあることも配慮頂き、ぜひ特別なセーフガードの創設を考慮して頂きたい。今回手当される価格保障の問題と合わせ、生産者のコスト削減のため、“切り込み”をぜひお願いしたい。例えば国内での種の値段と国外での種の値段は、同じ日本国産品であっても大変な開きがある。肥料、農薬、農機、農材、全てについて、大きな格差がある中で競争をせざるを得ないという実態があり、これらについて具体的な引き下げに向け、一層の努力をお願いしたい。大きなウエートを占める遠隔地からの輸送コストの削減方策も、ぜひ考えて頂きたい。指定産地が外れることは、極めて円滑な流通が出来ると思うし、今まで市場の選択に非常な苦労をしてきたことを思えば、極めて有効な手段だし、非常にいい方向に流れると認識している。


 北村  私も離島生まれで、いかなる場合も船の往復で、出も入りも往復ビンタのように輸送コストがかかる。今後ともさらに研究したい。次に流通関係で丸正チェーンの社長さんに尋ねたい。この法律改正には大変な評価をされており、仕入れについては卸売市場、産地との契約割合といったお話をして頂いたが、それを構成したり、取捨選択する戦略的な考え方や、どの程度の比率でどうしていこうか、などの基本的な考え方を聞きたい。


 飯塚司郎・丸正チェーン商事社長  戦略的には、鮮度、味が良く、安全性が追求されている良い商品を出来るだけ安く消費者に提供していきたい。消費者の多くのニーズはこの点にある。おいしい野菜を作るには、畑の改良など生産者もかなりの努力が必要になる。現在の生産性を重視した生産から、品質を重要視した生産をして頂くことが輸入野菜に対抗するにも一番大事なことだと思う。契約仕入れを出来るだけ伸ばしていきたいと考える。


 北村 長野の柳沢氏は、契約栽培をしたときに、出荷の契約の際、生産者と最終消費者の間に農協、経済連、全農という従来の仕組みがあり、その中でそれらの存在、役割は大きいという話をされたが、私もそう思う。柳沢氏は、きちんとした形で、契約取引の実が上がり、消費者にも生産者にもその益があるようにしたいという考えを示されたと思う。やはり今後、大口の生産者になろうということで、直接基金の補てん対象になり、かつ、直接的に量販店あるいは実需者との取引をしたいという生産者の集団が、出来るだけコスト、手数料などを下げたいという動きが出てこよう。先ほど柳沢氏は、「適切な負担は是非して頂き、義務は果たして頂かねばならない。いいとこ取りはやはり困る」――と述べたが、これはまさにその通りだ。その辺の兼ね合いを今少し、平たく説明してほしい。


 柳沢秀行・全農協組連長野県本部筆頭副本部長  契約取引を進める場合、野菜の品目によってそのウエートは相当変わってくる。葉物は、いくら計画生産が進んでも価格変動があるから、全生産量の半分以上も契約取引にするのは色々な意味で困難があり、危険性がある。生産量が振れると価格が振れるということで、長野県とすれば、全体では多くても20から30%ぐらいが契約取引に向いているかな、と思っている。ということは、例えば量が少なくなって、特に市場価格が暴騰した場合、契約取引に大半のものを流していると農家から不満が出る。つまり、農協、私ども経済連というか、全農県本部もそうだが、農家の生産物を、基本的には消費者の納得いく価格で農家にいかに高く清算するかということが使命だから、農家から見れば、市場価格より相当安い価格で契約取引がされているとなると、どうしても不満が出てくる。そういうこともあるので一定の量、範囲に考えている。それから、大口生産者が直にやることについては、皆さんから特に要望のないものに、私どもが関与する考えは持っていない。具体的に商談をしたり、作柄に応じて相手の契約に、希望するものを揃えることは並大抵のことではないし、代金決済の問題などもある。私どもが必要経費を頂いて、その中で機能を果たしていくことなので、市場の価格動向を見ながら、契約取引といっても、1年間値決めする場合もあるし、月決めとか旬決めとか色々あるわけで、やはり、私どもにはそれぞれの専門家がいて機能を果たすということで、利用頂けるものは利用して頂きたい。低落時の価格補てんについては、そういうことを防ぐために色々な需給調整とか、もともと基金をもらうために野菜を作っているわけではないから、基本的にはそういう(価格補てんの)適用が無くて、普通の正常取引で農家が安定した収入を得られることが本来の目的である。だから、色々な市場の暴騰、暴落を防ぐための施策に一緒に参画して頂かないと、安いときだけお金の補てんをして頂きたいというのは、義務という面で問題があるという風に私は考えて、先ほど申し上げた。


 北村  黒木理事長は、法律改正で基金の業務が拡大していくと思うが、しっかりした体制を作ってほしい。副読本まで作ったというが、これから野菜についての一元的な情報の収集、管理という部分で、大変な役割を担っていくと思う。基金の運用、運営問題で長崎について聞きたい。基金交付の要件に挙げてある、面積、共販率というのは当然だが、補てん金支給の場合、作期、収穫期が例えば4月から6月までという風に決められている。それが今次、露地ばかりでなくハウスなどもあるので、4月から6月ではなく、前倒しして3月、2月での運用を要望する声が強い。長崎ばかりでなく色々な作型の違いによってもあるようだが、こうしたことは基金で検討する項目になるかならないか、答えてほしい。


 黒木敏郎・野菜供給安定基金理事長  作期、作る時期の問題だが、1つの要件として例えば4月から6月と決められているところはある。ただ、これも政策的な意味合いを持つので、基金自体で独自に判断するのではなくて、農水省と色々打ち合わせるけれども、生産、流通の実態に即して、その作期の対象を変更していくことが合理的であれば、過去にも実例があるので、私どもなり農水省の方に、地元の方から話をされて、色々検討させて頂くことは十分にあろうと存じている。