第260回(2月1日)中国漁船の領海侵犯(下)離島振興法改正へ
 五島福江魚市水産荷さばき所の野口助好・漁協組理事長は①男女群島周辺は格好の漁場だが、燃料代・輸送料の高騰に加え、中韓両国漁船の違法操業で採算が合わなくなってきた②両国漁船は時化などを理由に男女群島付近に留まり、帰りに操業し、網などを廃棄するので漁礁の機能が果たせず、漁場清掃が必要になった③群島周辺で日本漁船の操業が減少すると、間隙を縫って中韓漁船が多くなり、五島市の漁業衰退が進む――などを訴えた。五島海上保安署は海保庁第7管区に所属し第7管区は定員1400人、船艇は全11管区中最大の14隻、航空機も5機保有している。だが、五島海保署は僅か39人、舟艇は「ふくえ」、「みねかぜ」の2隻だけ。川口修署長は今回の中国漁船逮捕の詳細を説明したうえ、①複合的事案のため、長崎海上保安部の巡視船「ほうおう」が4時間追跡・強行接舷して停止させ検挙したが、不審船は2隻で1隻は取り逃がした②限られた人員、巡視艇ながら、群島周辺の警戒・監視活動に支障はない③男女群島灯台が最後の有人灯台だったが、6年前に無人となり、視認に必要な波高などは発表出来なくなった――などと現状を説明した。

五島を離島振興の先進モデルへ
  中尾郁子・五島市長、熊川長吉・市議会議長、草野正・五島漁協組組合長ら3漁協代表らとも意見を交換し、離党振興の要望書を受け取った。要望は①国庫補助率のかさ上げ、税の軽減措置、離島航路の運賃低廉化、重油・軽油・プロパンガスの本土との格差解消②離党振興債、振興基金などの新たな財源措置の創設、住民の定住促進のため思い切った産業振興策を講じ、雇用の確保、医療・福祉の充実を図る-――など盛りだくさんで、「五島を離党問題解決の先進モデル実践の場と位置づけ、国家戦略として展開してほしい」と強く要望された。3漁協組代表からは「高齢化が進み漁業後継者が減少した。大型まき網,底引き漁は東シナ海の国境警備の役割も担ってきたが、これらの減少が中国漁船の進入を招いている」との懸念が示された。空自福江分屯基地の北原達也・西部航空警戒管制団副指令らは「基地には7基のレーダー・アンテナ群があり、地元出身者が極めて多く、雇用の観点からも重要な施設であり、2006年に完成した総合訓練場では戦闘機などの航空部隊と対空高射、移動レーダーなどの地上部隊が連携訓練を行っている」と説明。視察団がロシアの戦略爆撃機の侵入や中国軍の活動活発化に懸念を表明したのに対し、副指令は「警戒領域に入ったものは那覇、築城基地との連携を密にし当然捕捉している」と自信を示した。

国境離島振興・保全で議員立法 
 我々視察団からは①領海と五島市の経済は密接な関係にあり、島民が住み続けること自体が防衛になる②国防・離島振興の観点からも、男女群島・女島に港と管理事務所を作り、漁業拠点を確固たるものにすることを検討したい③尖閣周辺でも漁船ではなく公船を使っての進入が見られるなど法整備が整っていないところもあり、早急に検討を要する④五島海保署の人員・装備も充実すべきだ⑤国境離島振興・保全法を策定すべきで議員立法を検討中だ――などと回答した。離島振興法は平成25年3月末で期限が切れる。悪天候のため男女群島などの現地視察は持ち越したが、五島市のような国境離島を抱える自治体には特別の意味合いがある。通常国会で離島振興法の改正は当然であり、上記の国境離島振興関連法も別途策定しなければならないと、視察団は考えている。我々の意向を受けて細田博之元幹事長は26日、衆院の代表質問で離島の重要性を訴え、法制化を迫った。(完)