北村の政治活動

 (平成14年1月元旦 ) 難航の医療制度改革 初の診療報酬引き下げ

 患者負担拡大と診療報酬引き下げで2ヶ月余ももつれた医療改革は、昨年12月18日にようやく決着した。診療報酬本体を1・3%引き下げる初のマイナス改定。薬価と医療材料も1・4%引き下げ、合算した実質下げ幅は2・7%となった。これにより1800億円の国庫負担が節減される。02年度予算編成の焦点だった医療費の伸びを2800億円圧縮する問題は、高齢者医療などの制度改正に伴う財政効果を1000億円と見込んでいることから、この削減分と合わせ、達成できる見通しとなった。だが、当面する財政危機の回避策であり、医療保険の一元化などの抜本改革は先送りされることになった。

 患者負担3割は03年度から

 決着する前までに合意されていた政府与党改革大綱は@サラリーマン本人の患者負担は「必要な時」に3割に引き上げるA高齢者医療制度(1割負担)の対象年齢を段階的に70歳から75歳に引き上げるが、70−74歳の負担は当初案の2割を当面現行と同じ1割とし、70歳以上の高所得者は2割とするB老人医療費抑制の「伸び率管理制度」導入は見送り、努力目標の「指針」とするC診療報酬は引き下げるーーなどが骨子だったが、診療報酬1・3%の引き下げと、「必要な時」を「03年度から実施する」との暗黙の了解が成立し、どうにか妥結にこぎ着けた。

 政府は三両丸儲け? 

 首相が固執した患者、保険者、医療機関の三者が“痛み”を分け合う「三方一両損」の方針は何とか貫かれた形だ。落語の三方一両損は、「八っぁんが落とした三両を熊さんが拾ったが、江戸っ子の八っぁんは『俺から逃げたカネは受け取れない』とごねるので、大岡越前守が一両足して二両ずつ与えた」という筋書き。そこで、マスコミの友人は「越前守(政府)の腹が痛まぬ医療改革は政府(財務・厚労両省)の三両丸儲けだ」と冷やかしている。しかし、医療費は国民の税金や保険料、患者負担で賄われているので、診療報酬引き下げは、全体として国民の負担減にも繋がる。三方一両損はやむを得ない選択だ。

 伸び率管理見送り

 診療報酬の改定を巡り、日本医師会は据え置きを求めて最後まで抵抗、中央社会保健医療協議会(中医協)も厳しい経済環境から、改革の痛みを公平に分かち合う「相応の見直し」を求めていたが、首相が医療費の伸び率管理を見送ったため、これ以上抵抗すれば小泉人気の高さから見ても、世論の反発を招くとして最終的に折れたようだ。伸び率管理制度は、老人医療費の伸びに一定の目標値を設け、超過分は有無をいわさず翌年度の診療報酬を引き下げて、つじつまを合わせるという厳しい仕組みで、今回の改革の目玉だった。

 自己負担限度額でも攻防

 日本医師会は診療報酬が過去最大の引き下げとなったことと引き替えに、高齢者の外来患者自己負担の上限引き下げを強く求め、最終的にこれを実現させた。自己負担限度額が大幅に引き上げられると、患者の医者離れが進むとの危機感があったからで、上限制度の復活要求では最後まで突っ張り通した。このように医療制度改革は難航したが、関連法案を審議する通常国会では、サラリーマンの患者負担を3割に引き上げる時期などを巡って、与党内でも激しい論争が展開されよう。私も衆院厚労委の委員として慎重姿勢で臨みたい。

 ボトムアップの審査

 各種改革と予算編成の過程では、「政策決定の一元化」が党内で波紋を描いた。“抵抗勢力”に対抗する小泉首相が指導力を発揮し、トップダウンで即決したいとする気持ちは分からぬでもない。だが、議員内閣制である以上、各部会、調査会、総務会など党機関によるボトムアップの事前審査で、国民の声を正しく国政に反映することが肝心だ。ましてや、国民は寒空の下、雇用と医療のダブル不安に震えている。不安の双方とも厚労委員会の大きな仕事である。雇用対策と、医療制度改革で私は積極発言をしていくつもりである。