第211回(1月16日)11月25日の衆院農水委議事録(下)
<自民党補正予算の削減見直し>

北村委員
 ことしの5月に成立した補正予算の見直しが行われた。水産業の発展のために、また漁業者の生活のためにも極めて重要な事業の予算を、減額という決定がされたと認識している。そのことで尋ねる。例えば、外国の漁船によって無秩序な操業が行われて漁場が荒らされ、これは日本海の山陰沖の話だ。日本の漁業者の資源管理の努力にもかかわらず、多くの資源が少なくなってしまった。その外国漁船の操業によって重大な影響を受けている漁業者らが、漁場生産力の回復、維持、操業機会の拡大、これらを求めて、外国漁船が投棄して逃げ出してしまった漁具等を回収、あるいはそれらを処分する、こういったことへ取り組むことについて支援を行う事業の予算124億円の補正がなされたものを、104・9億円に削減するという決定を見たと聞かされている。漁業者の操業への自助努力の意欲を全くそぐものであり、外国漁船の無秩序な操業で大変な被害を受けている漁場の一層の衰退を招くし、水産業と地域の振興に反するものであると私は考えている。こういった状況について、さきに、制度のフロンティア漁場造成事業ということで、大陸棚水深2百メートルのところに至るまで大型の魚礁を投入して、まさに民主党の先生方も言ってこられた海の牧場をつくろうという考え方で、漁場造成を、フロンティア漁場造成ということで取り組んでやってきた事業の一環である。これらの補正予算がこんなにざっくり削られることはどうも理解できない。ぜひ説明頂ければと思う。

山田副大臣
 いわゆる暫定水域内において、外国漁船の漁具等の放棄等における海の掃除というか、そういったものに確かに124億、補正予算で要求されていたが、そのうち、私どもの方で補正予算の見直し、執行停止を閣議決定させて頂いた。私どもが留意したのは、実際に今年度、事業として使う分を精査したら19億だったので、残り部分は国庫に返納させてもらった。しかしながら、また来年、相変わらず不当な漁具の放棄とか色々な問題に対して、まだ海の清掃等々は必要だと思うので、ことしの事業に相当する分、約25億を今、来年度の予算の概算要求をしているところだ。ぜひ、北村委員がおっしゃるように、大変大事な事業と思っているし、海の森づくりというのは私どもマニフェストにもうたっていることで、殊に、魚礁のマウンド事業、これは平戸沖で約6倍水揚げがふえたという実績もあるので、それも含めて前向きにその方向は取り組みたい。

<フロンティア漁場整備は進むか>

北村委員
 大幅に削減されたこの事業は大事な事業だという認識を持って、事業は実現していくように取り組まれるとのお答えであったと確認をさせて頂く。今、マウンド魚礁というお話があったが、先ほどフロンティア漁場整備、大陸棚水深2百メートルのところまで目指して海の森あるいは牧場に匹敵する海底魚礁の設置をしていく、これは財務省当局も事業効果について確たる自信が持てないという話があったこともある。しかし、まさに東シナ海、東海、黄海、渤海湾に至るまで、友好の海ということで、これからガス田の開発等々、暫定水域とか中間線とかという難しい話はあるけれども、日中両国の若い人たちに託された希望の海である、大事な海であるという観点に立ったときに、これは農林水産省、水産 庁に限らず、ぜひ積極的に外務省、経済産業省も取り組んで、これまでガス田の中国側のおかしな開発ぶりについて、山田副大臣はよく御存じと思うけれ ども、まき網漁業関係者は、数次にわたり水産庁及び農水省、外務省に対して申し出ている。駐日中国大使館にもそれらの申し出を、漁業者は団 体の名においてしている。まき網漁業が主な漁場としているアジ、サバの産卵場であり、あるいは保育場である。そういう非常に大事な漁場にあのガス田のタワーが建っているという状況にあるわけであって、漁業者にとってはなりわいを、過去10年余りの統計を見ただけでも毎年10億以上のその水域における水揚げをしっかりと確保してきた大切な漁場である。それらが、中国側の何の前ぶれもなく、色々な相手方の船が航行する、あるいは近づくと無法に追っ払われるということで、自由な操業ができないことが現象として起きているから。それらについて、せっかく両国で友好の海ということを目指して今後協調し、ともどもに未来 に向けて開発をしていこうというふうな、両国政府にとっても、また、それが実現されれば両国国民にとって非常によいことであろうと思うので、政府としてはしっかりと責任を持って、民間の交渉とかに任せるのでなく、政府間の外交ルートにのっとった正式なお話、あるいは正式な先方からの、中国側からの状況説明、そういったものすら受けていないという状況だ。そういうことに漁業関係者は大変な不安と不満を持っているわけだから、ぜひそういった取り組みについて、赤松大臣、ひとつ今後真剣に取り組んで頂きたい。

赤松農水相
 御指摘も賜り、私ども、沿岸、特にこの排他的経済水域内で漁業に従事する漁業者のために安全確保をしていく、あるいは資源確保をしっかりやっていくという意味で、今御指摘を受けた点についてはしっかり頑張ってやっていきたいと思っている。

<国が大型クラゲの撲滅対策を>

北村委員
 中国との海をめぐる関係を述べたので最後に質問するが、大型クラゲの被害が極めて甚大である。先般、私どもは岩手県宮古へ参り、サケの定置網の皆さん方が大変な苦労をしてクラゲを排除する、そして漁獲を確保するという努力をしているのを、朝2時半から水揚げ作業を見せて頂いた。大型クラゲは、多分中国の沿岸、近海で幼生が生まれて冬を越し、春先になってから生育していく。これが対馬暖流に乗って北上し、津軽海峡を越えて三陸沖へ出てきて、今は、驚くなかれ、紀伊半島を越え瀬戸内海をうかがうという状況にまで達している。これだけ大きなことになってくると、発生する年と発生しない年があるが、色々なことを考えてみ たときに、どうしても中国、そして沿岸国である韓国、我が国、この三国が協力をして、発生するメカニズムからきちんと三国の漁業者あるいは研究者等が組織をつくって研究体制をつくり、幼生の発生状況、越冬状況、その辺から科学的な知見を確認し、その情報をお互いに交換する。そして、できるだけ中国側の協力を得るように国が直接中国に対して働きかけて、もし発生したときにはぜひ国が直接撲滅の対策をしていく。回遊状況の情報提供、これらを日本各地の沿岸で、定置網あるいは養殖、そういったことで非常に心配をしているが、常に宮古でも言われたことは、全体そこの庭先まで大きなクラゲが来るまで、自分たちには色々な情報がないことを大変悔やまれている。だから、ぜひ、発生状況あるいは撲滅対策について、中国あるいは日本で、対馬海峡で、どういうことをやっており、その成果のありなし、これらがどういう速度、どういう大きさに成長しながら回遊してきているかという状況を国の責任において情報提供し、国の力で、国が直接撲滅対策を講じていく、実行していくということをしなければ、これだけ広範囲の被害が出てくる状況になったから、大変な状況であるから。ぜひ、先般、水産庁の幹部を通じて政務3役に私どもの決議をお届け頂くようお願いしているので、しっかり確認して対策を講じて頂きたい。この要望で私の質問を終わる。

山田副大臣
 1つだけ訂正させて頂きたい。先ほど、保証協会、各都道府県の信用漁業保証協会についての負担割合で、実 はその7割分については保険の方から出るが、あと3割部分についての9割、27%出るので、全部合わせて97%信用保証協会は負担してもらえる。だから、安心して漁協とか銀行等の保証ができるんだ、と訂正させて頂く。

北村委員

 どうもありがとうございました。