第210回(1月1日)11月25日の衆院農林水産委議事録(中)
<漁船漁業の経営難解消策>
北村委員
 常に大事なことは、色々な制度にしろ事業にしろ、自助、互助、共助あるいは公助なことで、みずから意欲的に取り組もう、積極的にみずからも負担しつつ、また協力も求めよう、そういう姿勢がやはり大事ではないかと思うし、納税者の理解もそういった観点から取り組むことによって得られるのではないかと私は考えている。そこで、漁船漁業だが、水産の食料資源の安定的な供給にとっては、漁船はなくてはならない。しかし、魚価の低迷、また燃油の高騰、これらのコストの面から、漁船漁業の経営難は既に言われて久しい。しかも、船の経年、船齢の高齢化、これが進行しているし、生産構造の弱体化は深刻な問題である。このままでは操業の安全性が確保できず、重大な影響が生じ、重大な事故が発生するという懸念が大いに叫ばれている。漁業が将来にわたって水産食料を安定供給するためには、どうしても漁船漁業の生産構造を安定的かつ強固なものにしていかなければいけない。そして、資源を適切かつ有効に活用していかなければいけない。政府は、今後、漁船漁業をどう位置づけ、この振興策をいかに講じていくのか、構造改革等についてどう対応していこうとするのか、考えを聞かせて頂きたい。

山田副大臣
 今、水産自給率は低いが、50%ちょっとぐらいしかない。その7割を漁船漁業で占めていて、特にこの漁船漁業については大変重要だと思っている。ところが、北村委員の質問のように、今非常に漁船漁業の経営が深刻で、新しい船をつくれない状況下でどうなっていくかと、私どもも大変懸念している。その意味で、この前の補正で、まき網船団などでもそうだが、省エネ化、グループ6隻を例えば2隻にするとか4隻にするとか、そうした形で新しい合理的な経営方法をやるところについて新しい船の建造資金等の融資も考えたり、また、全国的に小型の漁船等にもなかなか新造資金は出ない。漁船漁業者にとっては、担保が、いわゆる保証人がいないという致命的なことがあって、今回、財務省との折衝だが、4百億、漁船漁業者が無担保無保証で融資を受けられる、本来、漁業予算では、本予算では初めてだと思うが、そういう概算要求をさせて頂いている。この仕組みは、各県の信用漁業基金協会に対して、焦げついた場合の3割負担分を国が補てんしてやろうじゃないかと。漁協とか銀行とか、そういったところが安心して漁業者に対しても無担保無保証で融資できるような制度、そして、何とか小さな漁船でもつくれて、沿岸漁業者が何とか漁業を継続できるような形をつくっていきたい、そう考えているところだ。

<安全網資金制度の活用策は>

北村委員
 今、山田副大臣に答えて頂いたセーフティーネット資金だけれども、国が3分の1、そして、多分、国、県、当該漁業団体というような仕組みで最終的な保証ということの組み立てではなかったかと思う。それをつき合いのできる県とつき合いのできない県、色々な事情によって違いがあって、せっかくつくった制度が運用できないということで、 非常に残念だ。当農林水産委員会でも以前話題になったと思うが、先ほど副大臣が述べた、県の漁業信用基金協会が出動することで、結果的に、どうしても都道府県、県段階がおつき合いすることができないときは、国が見ることを最終的に決 断したのではないのか。

山田副大臣
 確かにセーフティーネット制度は前からあったが、なかなか、各都道府県によってはそれを適用しないとか、色々なことがあった。基金協会そのものが仮に保証しても、自己負担分があるとか、危険負担をやはり負わなきゃいけないだとか、色々な事情があったが、そうした懸念を払拭し、そこは国が予算で見ようじゃないかという試みで、まあ財務省が認めるか認めないか、今回、本予算で概算要求させて頂いた。

<漁業所得補償制度の創設は>

北村委員
 先ほど来、漁業の所得補償のことで話を頂いているけれども、私は、その所得補償がきちんとできれば本当にいいなと思う。ただ、従来色々話を聞きながら懸念を持っている部分があるから述べさせてもらう。個別の漁業者ごとに漁獲可能量の割り当て、個別のTACというものだが、あるいは資源管理計画の制度を導入して、漁業にも所得補償制度を創設するという話だ。我が国の漁業は、漁業対象魚種は約350種あると言われている。そして、漁船の隻数は、減ったとはいえ約20万隻、水揚げをする港は3千弱ある。極めて多数のこれらの漁獲量をしっかりと正確に把握することは、大変な管理コストがかかってくるだろうと考える。それと、資源管理が行われる魚種について個別割り当てに移行するとなると、漁獲を価格の高い時期に集中して、市場が混乱するという懸念がある。これらにはどういう対応があるのか。また、対象魚種や漁法、経費と収入の差の算出方法、こういった制度について、先ほど大臣は、色々な制度や考え方は進化していくと述べたから、大いに期待するけれども、算出方法などは仕組みとしてまだ私ども聞かされていない。しっかりとできるだけ早く示していただきたい。例えば、経営努力をしっかりしなくても所得が補償されることがあれば、モラルハザードを起こすし、漁業者自体が経営改善の意欲を失うことにもつながる。それは漁業全体の発展を妨げるのではないか。要らざる心配かもしれないがそういう懸念も持つ。来年度予算要求の中で、先ほどお話のとおり、調査費の要求を頂いている。その制度の詳細についてどんな検討を行い、先ほどあしたの会のめどについて前倒して話して頂いたけれども、制度の詳細について、いつごろまでに決め、いつから実行していくという考えなのか、聞かせて頂ければありがたい。

赤松農水相
 先生御指摘のように、農業と違い、船も20万隻、とる魚の種類も多い。船1つとっても非常に大型のものから小型のものまである。働く形態も毎日出かける人もあればそうでない人もいる。確かに色々な難しい条件があると思っている。だから、余計慎重に、きちっとした形で調査をしていきたいということで、今回も概算要求の中で2億円の調査費を計上して、1年かけてしっかり調査をしてみたい。詳細については今後しっかり詰めながら、モデル事業として調査した上で、何が一体問題点なのかどうなのか、あらゆることを含めて、慎重に、しかし、前向きに検討させて頂きたいと思っている。