第200回(8月1日)北村防衛副大臣答弁録(7)グアム日米協定
 Ⅰ=米海兵隊グアム移転に関する日米協定承認で質疑

5月12日の参院外交防衛委員会(榛葉賀津也委員長)は、「米海兵隊グアム移転に関する日米協定」の承認について、佐藤学・沖縄国際大教授、川上高司・拓殖大教授ら4参考人が意見を陳述。これに対する委員の質疑が行われ、私も政府側から答弁に立った。

 浜田昌良委員(公明党)

 辺野古の代替施設計画には2つの異なる声がある。周辺住民の騒音被害を防ぐためになるべく滑走路は沖合に移動してほしいという意見と、逆にジュゴンの生育に影響を及ぼさないよう陸地の方に寄せてほしいという意見だ。2つの正反対意見に対し、どうやってシングルボイスとして受け止められるのか。

北村副大臣

 現在の政府案、いわゆるV字案だが、平成18年4月、防衛庁長官と名護市、宜野座村の両首長との間で合意に達した上で、アメリカ側と交渉し、同年5月に日米間で合意した。その後、政府と自治体の間で、普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会を設置した。これまで9回開催し、環境影響評価及び建設計画等で意見交換をしてきた。
また、環境影響評価準備書においては、方法書に対する知事意見を勘案し、現在の政府案を移動した場合の6つのケースについて主要な項目の予測、評価を行い、生活環境及び自然環境に加え、実行可能性を含め総合的に検討した結果、現在の政府案が適当であると判断し、5月1日まで縦覧に供したところだ。今後、我が省においては、5月15日までが提出期限となっており、住民の皆様方からの環境保全の見地からの意見を提出して頂いた後、これらの意見の概要とこれに対する事業者としての見解を記載した書類を沖縄県知事等へ送付する。その後、沖縄県知事には、名護市長、宜野座村長や住民等の意見を踏まえて、準備書について意見を述べて頂く。そして、県知事意見等を勘案し評価書を作成するなど環境影響評価手続を適切に進め、普天間飛行場の移設・返還を着実に実現してまいる。
浜田委員 

 地元の合意形成については、手順も掛かるだろうし、時間も掛かるかもしれないが、しっかりと手順に沿って、少し時間を掛けてもうまくまとめるように願いたい。次に、協定の意味ついては、今日も議論があったように、我が国は条約として国会承認を行う。一方では、米国は行政協定なので議会は関係しないという。これは非常に片務的ではないかという批判が野党からあったし、今日の参考人の質疑でもあった。我が国が国会承認、米国が行政協定となっている例、特に予算や物品の提供が双務的になっているものの例はどういうものがあるか、外務省から答弁を願いたい。 (外務省が答弁)

井上哲士委員(共産党)

 日本の負担でグアムに造られる家族住宅というのは3千5百戸と言われている。沖縄からグアムに移転する海兵隊の定員は1万8千のうち半分以下の8千人ということだ。にもかかわらず、今の答弁ではこれまで造っているのは2千2百戸なのに、現在沖縄にある戸数をはるかに上回る3千5百戸をグアムに建てる。なぜか。

北村副大臣 

在沖米海兵隊のグアム移転に関し日本の分担で整備する家族住宅の所要数については、現時点で結論は出ておらず、引き続き日米間で協議を行っているところだ。御指摘の3千5百戸程度については、あくまでもロードマップ合意時においてアメリカ側の見積りであると。今後、所要の数字については、日本の分担する事業は在沖米海兵隊の沖縄からグアムへ移転に伴う所要の増大に対応するものとの考えに基づいて、日米間の協議等を通じて更に具体化してまいる。他方、委員御指摘の2千2百戸については、あくまで我が国による提供施設整備によって在沖米海兵隊施設及び区域に整備された家族住宅のみの数字である。在日米軍自らが整備した家族住宅や在沖米海兵隊の施設・区域外に米軍人が居住する家族住宅といったものは含まれていない。在沖米海兵隊用とされる家族住宅の全戸数を示すものではないと我々は認識している。いずれにせよ、家族住宅の所要数や必要な経費については、引き続き日米間で協議を行い、日本の分担に係る出資、融資等が償還されるよう精査した上で予算を計上し、国会での御審議を賜りたいと考えている
 井上委員 

 3年前からこの数を言い続けて何も変わっていない。そもそもアメリカの見積りが余りにも過大な数、それがずっと3年間一緒なのだ。基地外居住のことも言われたが、全国的に日本が提供した住宅の約2割は空き家だ。基地外居住は沖縄でいうと3割弱だから、それを加味したって大きな数にならない。だから、やっぱり3千5百という数は過大な見積りだと言わざるを得ない。アメリカはこの間、海兵隊の増強を絶えず言っているし、オバマ大統領も2万7千人の増員と言っているが、当然グアムの海兵隊の定員にも影響する。コンウェー司令官の議会証言でも、海兵隊員約8千人から1万人がグアムに移動すると言っているわけだから、沖縄の定員8千名以外に2千人の海兵隊が移動することもあり得る。こういう沖縄以外からグアムに移転をした海兵隊員の入居があり得ないということははっきり明言できるか。それができないという何か担保する仕組みがあるか。

北村副大臣 

 日本の分担する事業については、あくまでも在沖米海兵隊の沖縄からグアムへの移転に伴う所要の増大に対応するとの考え方に基づいている。数次答弁している通りであり、移転の所要に基づいて整備された施設の実際の活用のされ方については、日本の分担に係る考え方を踏まえつつ、事業の効率的かつ効果的な実施の観点から、その必要性、合理性について今後さらに日米間の協議を通じて検討してまいる。いずれにせよ、日本の分担で整備することになる家族住宅の所要の数は、引き続き、日米間で協議を行い、日本政府としてしかるべく精査した上で予算を計上し国会へと、先ほどの答弁の通りだ。
井上委員 
 
 つまり、日本の側から、ほかから来る関係部隊は入ってはいけないと、こういう条件をアメリカに提示しているのか、していないのか、はっきり答えてほしい。

北村副大臣 

先ほど答弁したように、日本の分担で整備することになる家族住宅の所要数等については、引き続き日米間で協議を行わなければならない。日本政府としてしかるべく精査した上で予算をこれから計上するということだ。
井上委員 

 
アメリカ軍の配置というのはアメリカ自身が独自に決めることなのだから、いったん施設を建設すれば、日本がその使い方に口を挟むということは困難だ。しかも、出融資を50年で回収すると言うけれども、50年たったら国際情勢や米軍の編成はどうなっているかはだれにも分からない。だから、アメリカの領土内のアメリカの基地建設に金を出すというこの前代未聞のやり方がこういう矛盾を生むわけだから、中止をすべきだ。
山内徳信委員(社民党) 

 平成18年4月に普天間飛行場代替施設の建設をめぐる基本合意書があり、名護市長は、住民地域3地域の上空を飛行しないという額賀防衛庁長官の説明、さらに宜野座村長は、最終的には宜野座村の上空を飛行しない、ということを確認して署名をしたと言っている。私は連休に宜野座の村長にそのことを確かめた。この宜野座村の上空という場合に、陸域だけなのか海域も含むのかと聞いたら、いや陸域全体を指していると、いうことだった。そこで、現時点で浜田大臣に伺いますが、この署名をした当時と同じように名護市長と宜野座村長と約束したことをそのまま守っていけるか。

北村副大臣 

 代替施設を使用する米軍機が集落上空の飛行を基本的に回避するという方向で対応する、こういう認識に変わりはない。
山内委員 

 私は連休に、この首長たちの使った言葉と防衛省の当時の言葉を比較検討したら、回避という言葉が政府のものには使われている。私はここに落とし穴があるなと見た。皆さん方は、そういうふうに首長から言われた時に、いや実は乗員の生命の危険があるとか、そういう場合はもう住民地域も飛行しますよという趣旨の説明がなされているではないか、どうですか。だから、飛ばないと言ったら飛ばないということでないといけない。

北村副大臣 

 先ほどの答弁を踏まえた上で、これまで国会や普天間協議会等の場においても数次申し上げている通り、緊急時の場合や訓練の形態等によっては集落上空を飛行することもあり得ると考えているけれども、これは極めて例外的なケースであるという認識を示してきた。いずれにしても、地元の意向を踏まえ引き続き米側と調整をしていく姿勢だ。
Ⅱ=衆院外務委員会の一般質疑

 5月22日の-衆院外務委員会(河野太郎委員長)は、海賊対処法案や核抑止問題などについて一般質疑を展開、私は防衛省関連の質疑で答弁に立った。

 武正公一委員(民主党) 

 海賊について、今回、総理と外務大臣が大型連休中に取り上げた場面は、EUとの間、そしてエジプトとの間、2回だけと私は承知している。国会会期延長の最大の理由の一つとされる海賊法案、政府としての取り組み、あるいは国会でのやりとりを踏まえると、やはり諸外国との間でも、この海賊問題、それについての日本の姿勢、国際社会でやるべき、協力すべき事柄、こういったことをもっと積極的に発言をしていっていいのではないのかと思う。手元の資料では、アデン湾・ソマリア沖における護衛実績を、4月1日から5月13日まで17回、55隻、出しているのだが、1回ごとの隻数を見ると、1隻から多いときで7隻、でも、55を17で割れば3・2隻ということを見ると、当初国会での説明では、日本関係船舶2千隻、365で割れば1日7隻近くと。これは大体2日から3日の割合で護衛しているので、7に2なり3なり掛けると、14隻とか21隻が対象となるはずだが、実績は3・2隻。少ないなと思うのだが、防衛副大臣、これはどうしてこういう隻数になっているのか、お答えを頂きたい。

北村副大臣

 アデン湾を通航する日本関係船舶は、昨年の実績では約2千隻であると言われ、今ご質問にもあった通り、1日平均で5、6隻となっている。これらの船舶のすべてが護衛を受けるとの説明を政府から行ったことはないが、日本関係船舶の護衛に際しては、船舶運航事業者等から国土交通省へ申請が行われ、防衛省と国土交通省との間で調整を行い、護衛を実施するということになっている。アデン湾を通航する日本関係船舶の中には、運航のスケジュールが護衛日程と合わない、あるいは速度の遅い船舶にスピードを合わせるなどのことから、護衛の申請をしない船舶もあると承知している。いずれにしても日本国民の人命、財産の保護のため、これまで合計62隻の日本関係船舶を護衛してきた。今後とも、日本関係船舶の護衛の任務を着実に果たさせて頂きたいと考えている。
武正委員 

 部門会議で聞いたら、10ノット後半以上の足の速い船は海賊の攻撃を受けないんだということだったけれども、それは事実か、また、そういうことでよろしいのか。

北村副大臣 

 大変不勉強で恐縮だが詳しい知見を持ち合わせない。けれども、いろいろ聞いている中では、やはり船の大きさ、特に舷側部分が高いか低いかというのが、非常に標的になりやすい、なりにくいと。もちろん、海賊が使っている船の船速によっていろいろな場面があるのではないかと思うが、その点はさらに勉強させて頂きたいと思う。