第195回(5月16日)衆院外務委など北村防衛副大臣答弁集(2)
「沖縄駐留米海兵隊のグアム移転に関する協定」批准案は13日の参院本会議で野党多数により否決されたが、両院協議会でも合意が得られず、「予算と条約は衆院が優先する」との憲法規定により同日承認された。衆院外務委での質疑応答は4月16日のHPで取り上げたが、それは4月3日の防衛副大臣答弁だけ抜粋・要約したものである。「北村の政治活動」として載せるにはごく部分的に偏るので、その後の答弁も数回に分け、要点を簡潔に絞りこみ、答弁集シリーズとして掲載することにした。ご愛読いただければ幸いである。

4月8日の衆院外務委員会
「在沖米海兵隊のグアム移転協定批准案」について、民主党の鉢呂吉雄氏が「電力、上下水道、廃棄物処理などのインフラ整備は、米軍家族住宅の電気料、上下水道料などの使用料として回収できるもので、真水事業ではなく融資でやるべき事業ではないか」と質問、私(防衛副大臣)は「21年度予算に計上した基幹整備事業は、敷地造成、敷地内の電線、上下水道管などの基幹ユーティリティ、門、アクセス道路などを整備する事業であり、日本側の真水負担で実施すべき事業である」と答えた。

鉢呂吉雄委員(民主) 3年前のロードマップ(工程表)では、真水の部分は司令部庁舎等、学校等の生活関連施設ということで先般、確認を頂いたが、今回の配付資料では28億ドルが「真水」「財政支出」ということで「司令部庁舎」。そして、日本側負担ということで、「インフラ(電力、上下水道、廃棄物処理)」と書いてある。このインフラのカッコ書きの3項目、これはロードマップにきちんと明記されているのか、確認してほしい。

北村防衛副大臣 在沖海兵隊のグアム移転は政府が主体的、積極的に米側に働きかけ、合意にこぎ着けた。グアム移転経費は日米間でギリギリの協議を行った結果、米が当初主張した75%という総額に占める割合ではなく、我が国は60億9千万ドル、米国は残りの41億8千万ドルを分担することになった。さらに、日本側負担のうち、直接的な財政支出の真水は28億ドルを上限とした。米側の財政支出31億8千万ドルを下回っていて、日本側分担額は妥当だ。日本分担のインフラ民活事業は電力、上下水、廃棄物の基地内需要の増大に対応する事業で、電源や水源を開発して電力や水を供給するための事業だ。

鉢呂委員 ここに示した配付資料には、アプラ地区の基盤整備事業は「既存の基幹ユーティリティ(電線、上下水道管等の敷設)の改修」という形が載っている。平成21年度の予算では、電力、上下水道、廃棄物処理などの基盤整備は融資等で終わるものではないか。

北村副大臣 21年度予算に計上した基盤整備事業は敷地造成、当該敷地内での電線、上下水道管、送信線等の埋設などの基幹ユーティリティーの整備及び、門やアクセス道路等を整備する事業で、真水事業として実施すべき性格の事業と考える。

鉢呂委員 平成19年3月20日の参院外務防衛委員会で久間防衛相が事業のスキームで、海兵隊の司令部庁舎、教場、隊舎、学校などの生活関連施設は真水でやる、インフラ整備の家族住宅は使用料等で回収できるものとして、融資でやることをきちんと答弁している。

北村副大臣 民活事業のインフラ事業は海兵隊移転に伴い、電力、上下水、廃棄物の基地内需要の増大に対処するための事業と先ほどから申している。平成21年度予算に計上した真水事業として分担する基盤事業は、敷地内で配管の埋設等の基幹ユーティリティだ。

鉢呂委員 米軍の家族住宅なら電気料、上下水道料として徴収できるインフラ整備だ。3年前のロードマップでは、民間を活用して何年になるかわからないけれども、使用料として回収できるから融資等事業で行う、と明確に答えている。<途中略>誰が見たって、インフラ整備の電力、上下水道は融資の形になっている。どういう理由で真水になるのか。

副大臣と鉢呂委員の間で同じ趣旨の質疑が繰り返され、速記録を止める場面もあった>

北村副大臣 真水事業は基盤整備事業であり、米軍基地内の基幹ユーティリティを満たす事業である。インフラ事業は米軍基地外の事業で、発電施設から基地内に引き込む電力線、あるいは上下水道の水源施設からの本管、基幹菅路の上水道、下水道などの整備をいう。

<さらに鉢路委員が中曽根弘文外相に基盤整備事業の根拠について質問>

北村副大臣 アプラ港は船の施設であるが、海兵隊と一体的に運用されるので、強襲揚陸艦等が停泊する予定の施設などもある。そうした実態を考え、28億ドルという限度が決まっている。

4月9日 衆院安全保障委員会
 北朝鮮は4月5日、長距離弾道ミサイル「テポドン2」改良型の発射実験を行った。防衛省が万全の危機管理体制で対処したため、国民の不安は少なく、政府は直ちに経済制裁を1年延長した。4日後の衆院安保委員会では早速質疑が展開された。民主党の山口壮氏が、我が国の迎撃ミサイルであるスタンダードミサイル3(SM3)、PAC3の実験結果を質したのに対し、私(防衛副)は「平成20年から3回行った迎撃ミサイル実験はSM3とPAC3の各1回は命中。SM3の1回は失敗した」と答弁。社民党の照屋寛徳氏が「嘉手納基地の米軍F15戦闘機の本土移転訓練期間中に基地に残る戦闘機の訓練がむしろ激化し、騒音が激しくなった」と質したのに対し、私は「米側に対し、騒音規制措置に関する合意を遵守し、周辺住民への影響が最小限になるよう申し入れている」と答えた。

山口壮委員(民主) 鴻池さん(官房副長官)の発言を受けて中曽根大臣からは「難しいのは事実だ。どういう形でどう飛んでくるのか分からない」と(発言があった)。これは極めて自然な考えと思う。今までスタンダードミサイル3(SM3)あるいはPAC3について、非常に数少ない実験だけれども、実験結果は今までどうだったか。

北村副大臣 我が国が行ったSM3ミサイルの発射実験は、平成19年12月にイージス艦「こんごう」、平成20年11月にイージス艦「ちょうかい」の2回行った。「こんごう」は標的に命中したが、「ちょうかい」は命中しなかった。PAC3の発射試験は平成20年9月に実施したが標的に命中している。

山口委員 千葉県の方で、FPS5というレーダーで何か航跡みたいなものを探知したという話だが、データが残っているはずだね。映っていないならイージス艦とか他の地上レーダーに何か残っているはずだ。FPS5のレーダー情報の解析は終わったのか。

北村副大臣 4月4日、千葉県飯岡のレーダー、FPS5は何らかの航跡を探知したというところだが、当該探知情報の内容は、レーダーの性能を明らかにすることになるから、答えを差し控えさせていただきたい。

<国連安保理で北朝鮮制裁決議に中露の賛成が得られない点山口委員から意見開陳あり>

照屋寛徳委員(社民) 2006年5月の日米合意で、嘉手納基地のF15戦闘機訓練の一部を新田原、築城、百里の空自基地に移転することが決まったが、本土での移転訓練中の期間、嘉手納基地に残る戦闘機の訓練はむしろ激化していることが調査の結果、判明している。
これでは負担軽減には全くなっていないと、宮城篤実嘉手納町長や住民は怒っている。F15戦闘機の本土基地への一部移転と現実の爆音激化の因果関係をどう考えるか。

北村副大臣  米軍再編に係る嘉手納基地からの訓練移転は、平成18年度からこれまでに8回実施している。地元負担がどの程度軽減されたかということは、今の時点で確たることを申し上げるのは困難だが、少なくとも訓練を移転した分の航空機騒音は軽減されたのではないかと考えている。
 他方、嘉手納飛行場周辺の皆様から、訓練移転期間中に他の基地所属の米軍機が嘉手納飛行場に飛んできて訓練しており、負担軽減が実現していないとのご指摘があることを、重く受け止めている。目に見える地元負担の軽減を図るためにも、他の基地所属の米軍機の訓練の在りようの配慮について、米側に要請しているところだ。
 いずれにせよ、飛行場周辺住民にとって大変深刻な問題であるとの認識に立って、米側に対し、騒音規制措置に関する合意を遵守し、周辺住民への騒音の影響が最小限になるよう、累次の機会に申し入れ、最大限の努力をいたしてまいる所存だ。