北村の政治活動

 (平成13年6月16日) 企業年金の再編  リスクに自己責任

 「日本版401K」と呼ばれる確定拠出年金法案が6月8日、北村代議士が所属する衆院厚生労働委員会で可決され、同12日の衆院本会議を通過した。参院で審議のうえ今国会で成立する見通しで、10月から施行される。これで、今回の確定拠出年金と、先に成立した法案の確定給付企業年金が車の両輪となり、企業年金は一気に再編が進むことになる。

  年功序列賃金の崩壊

 企業年金は、長引く低金利や株価低迷などの不況で資金運用難に陥り、年金水準を引き下げたり、年金制度を解散する企業が相次いでいる。日本版401Kを導入した確定拠出年金法案は、自助努力に基づく新しいタイプの年金を創設し、既存の制度を補完するのが狙い。
日本は産業構造の変革やリストラに伴い離・転職者やフリーターが急増、老後の退職金よりも今日の現ナマ増を求めるなど、従来の終身雇用、年功序列型賃金は崩壊の兆しにある。

  資産運用にウマミ

 確定拠出年金は資産の運用方法を加入者が選択でき、運用次第で受取額が変わるウマミがあるうえ、積立金を移管しやすいため転職にも有利。ただし、運用によるリスクを加入者が負うことから自己責任が求められる。なぜなら、これまでの企業年金は、将来受け取る年金額に企業が責任を持つ「確定給付型」だが、日本版401Kは、加入者自らが運用を指図し、運用がうまくいけば多額の年金や退職金が受け取れるなど一定のメリットがある半面、運用に失敗しても損失を穴埋めしてもらえない仕組みだからだ。

  企業型と個人型

 401.Kには、企業が従業員のために掛け金を払う「企業型」と、自営業者のほか、この制度を導入しない企業の従業員が、自分で掛け金を払い込む「個人型」の2種類があり、それぞれ掛け金の上限が決められている。公務員と専業主婦などを除き、20歳以上60歳未満の人が加入できる。「企業型」では、企業が掛け金を負担し、従業員の口座に振り込み、運用については投資信託など3種類以上の金融商品から加入者が選択する。企業は年金の支払額には責任を負わないため、運用がまずい場合は十分な年金が受け取れない。年金の支払額が決まっている確定給付型の年金に比べ、体力のない中小企業でも企業年金を維持できるのが特徴。

  100社以上導入

 日本版401Kは、米国で普及している「内国歳入法401条K項」に基づく年金制度を参考にしている。企業の業績悪化で、負担すべき掛け金の積み立てを先送りしたり、リストラによる加入者減少で従業員の掛け金が減るなど、各企業の企業年金の財政は最近、急激に悪化し、財界からは401K導入の要望が強かった。既にトヨタ自動車など100社以上が導入を検討している。だが、連合は「企業がリスクを負わず、労働者がリスクを負うのはおかしい」と同法案には反対の立場を取り続けてきた。

  選択肢は4つに

 これまでの年金制度は、国民年金、厚生年金などの公的年金と、企業が従業員を対象に設立する厚生年金基金、適格退職年金など、サラリーマンの退職後の収入を確保する企業年金があった。今回の確定拠出年金、確定給付企業年金の両法案は前述した通り、この企業年金制度を再編するもの。確定拠出年金の「企業型」と「個人型」に加え、確定給付企業年金でも新たに基金型企業年金と規約型企業年金を設けたため、両法の成立によって企業年金の選択肢が従来の2つから4つ(新設を認めず10年後に廃止する適格退職年金は除く)に広がることになる。