北村の政治活動


  第117回(2月1日)猛威振るうか流感 鳥インフルエンザ要警戒

 波状的な寒波の襲来で流行性感冒が猛威を振るいそうだ。この冬は強い毒性を持つ鳥インフルエンザがアジアから欧州へと拡大、中国、トルコなどで死者が相次ぎ、不安が高まっている。鳥インフルエンザは、病原体のウイルスが新型に突然変異して、人間社会で爆発的に流行する恐れが多分にあり、要警戒だ。1918年から翌年にかけ世界的に流行し、推定4千万人もの死者を出したスペイン風邪も、鳥インフルエンザのウイルスが人から人へ感染して新型に変わったと見られている。日本は抗インフルエンザ薬の世界最大の使用国だが、厚生労働省から販売が承認されているのは、海外メーカー3社の製品だけ。しかも、特効薬とされる「タミフル」(スイス・ロシュ製)は品薄傾向だ。国内製薬会社の研究開発促進が望まれる。小泉首相が提唱した「新型インフルエンザ早期対応に関する東京会議」は既に開かれ、アジア地域を中心とする各国が協力体制の構築に向け動き出している。私も衆院厚生労働委で活動した経験を生かし、感染拡大阻止に貢献したいと考えている。

  中国、トルコで死者続出

 読売新聞によると、インフルエンザが馬、アヒル、アザラシなどの動物と人に共通する感染症と解明されたのは10数年前。ウイルスは北極圏付近のツンドラ地帯に常在し、ここで営巣するカモ類によって世界各地に搬送され、様々な種に感染させている、という。また「ABC3種類のうち、病原性の高いA型ウイルスには135種の親類(サブタイプ)がある。カモは感染しても発病しないが、1968年に大流行した香港風邪ウイルス(H3N2)は、中国南部でアヒルのウイルスと人のウイルスが豚に感染、その体内で遺伝子の組み替えを起こし、人から人に感染する能力を獲得、多くの死者を出した。現在、アジアで70人余の死者を出している鳥インフルエンザ(H5N1)は、鳥などに強い毒性を持つ」と報じている。この「H5N1型」が人に感染する事例は、昨年秋以降、中国で5人が死亡したのに続いて、年明けからトルコで死者4人が出るなど相次いでいる。

  茨城県で250万羽処分

 日本でも2004年に京都府などで同型の鳥インフルエンザが猛威を振るったのは記憶に新しい。茨城県では昨年6月26日に弱毒型ウイルス(H5N2)の感染が確認されて半年以上が経過している。「H5N1型」と異なり、鶏が大量死せず、伝染力も弱いため、農水省も県も感染拡大は少ないと見ていた。しかし、この見通しとは裏腹に、感染は埼玉の1件を含め昨年中に計41養鶏場に広がり、約239万羽が処分された。約10万羽も年頭に処分中だ。茨城県は、採卵鶏の飼育羽数が04年2月時点で全国最多の約1014万羽。このうち、感染発生養鶏場の飼育羽数は約578万羽にも及んでいる。残る329万羽は密室型鶏舎で飼われ、農水省は「感染の危険性は低い」として監視中だ。卵の出荷は認め、鶏も感染が4ヶ月間確認されなければ、国は食用、飼料用として出荷を容認している。感染が確認された養鶏場は、大半が県中央、西南地区にある。ウイルスの遺伝子型も、日本で自然発生が低い中米産ウイルスと一致し、発生状況に不審な点が多い。

  闇ワクチン、検体すり替えも

 ワクチンの化学処理が不完全だと、感染力を持った病原体が残り、ワクチン由来のウイルスが流行する危険性があるため、農水省家禽疾病小委員会は昨年9月、未承認の鳥インフルエンザワクチン(一定の予防効果があるとされる「闇ワクチン」)が不正使用された可能性があると指摘した。また、1部の養鶏場では調査用の検体の鶏をすり替えていたことが発覚。茨城県警は、家畜伝染病予防法違反(検査妨害)に当たると見て、2養鶏業者を捜索した。このように茨城県の鳥インフルエンザは弱毒型だが、半年経っても未だに制圧されていない。これでは強毒性ウイルスが襲来した時に適切に対処できるかどうか、心許ない限りだ。トルコでは1月20日までに、81県中13県の21人に強毒性の「H5N1型」鳥インフルエンザへの感染が確認され、少年を含む4人が死亡している。ケバブ料理などで鶏肉はトルコ人の貴重なタンパク源。地方の農村部では自宅裏で飼う鶏の卵や鶏肉は貴重な収入源でもある。農家の子供が死んだ鶏に触れて感染するケースが多い。

  国産薬の研究開発促進

 世界保健機関(WHO)は、首相提唱の「早期対応の東京会議」の議論をもとに,感染を初期段階で封じ込めるためのマニュアル作りに着手した。日本は資金協力、人材育成、ノウハウの提供など、インフルエンザ対策で主導的役割を果たそうとしている。従来型の香港A型、旧ソ連A型のインフルエンザも流行の気配にあるが、私は流感の予防と抗インフルエンザ薬「タミフル」の備蓄、新型インフルエンザを想定した新しい国産薬の研究開発を促進するよう、厚生労働省を督励していきたいと考えている。